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CAREER DESIGN SEMINAR in Euro 2008 (2008/04/23~05/01) 開催リポート
Published:May 15, 2008

University of Cambridge Judge Business School

University of Cambridge Judge Business School キングスカレッジ、ダーウィンカレッジなど、ノーベル賞受賞者が学内キャンパスを歩いているのかと思うと、学問を志すものであれば自ずと襟を正したくなるような雰囲気がある。その中でも2000年に新たに設立されたビジネススクールは、EU統合を睨んだケンブリッジ大学の、まさに起業家精神溢れるプログラムといえる。
プログラムには3つのインターンシップが基本として組み込まれており、座学のみならず実践を通じて実力と価値観を磨くことができるよう設計されている。小規模のベンチャー企業、グローバル企業、そしてコンサルティングワークと、3種のインターンシップを通じて、自身の経験とは異なる業界・職種を知ることができる。また、異なる国籍や価値観を備えたメンバーと協業し、ビジネスとしての成果を出す経験を積むことができる。このような豊富なインターンシップの機会を学生へ提供できている理由は、「ケンブリッジ」というネームバリューからでは決してなく、大学側が学生とともに企業へアタックをかけて受け入れ先を開拓しているからだという話を聞き、その取り組みに強く感動した。
古い施設が建ち並ぶキャンパスの中で、異彩を放つカラフルな建物のビジネススクールは、元病院をリノベーションしたものだとか。他校にはない新たなビジネス教育・人材育成プログラムを生み出そうという学校側の意図は、斬新なカラーリング、リノベーションなど、その建築意匠にも明確に現れていた。また、ロンドンから列車で1時間程度というロケーションは、勉学と就職活動の両方に打ち込める絶好のコンディションであり、学生にとってアドバンテージのひとつであると感じた。

HEC

HEC パリから列車で1時間弱、ベルサイユ宮殿に程近い場所にあるHECは、ケンブリッジ同様に、勉強に専念しながらパリでの企業との面談に出かけられる地の利がある。同校は、以前はISAとも呼ばれた。1980年代・1990年代の卒業生には、政治学や法学などの大学院、工科学のポリテクニークなどと同様の公立大学院の一つとしての学校名「ISA」にプライドを持っている人が多いようだ。しかしながら、現在は学校も学生もHECとして統一されている。
老婆心ながら、日本のISA出身MBA諸氏も、日本において同校がHECとしてのブランドに統一されるよう取り組まれた方が、その発展に効果的だと思われる。採用者の間でもISAは有名だが、まだ現在の呼称:HECは浸透しきれていない印象だ。アメリカでも大学名とビジネススクールの名前が異なるケースや途中で変わるケースなどがあるが、ビジネススクールの価値は「卒業生がいかに社会に出てビジネスリーダーになるか」ということであり、その略歴に書かれた出身校名は極めて重要だといえる。その略歴をみて、次世代のリーダー候補者がビジネススクールを選ぶことになるからである。
HECのキャリアマネジメントオフィスは、学生の就職支援に積極的で、欧州企業との連携が強いように思われた。学校としての評価は上向きになってきており、日本人学生数も中期的には増加傾向にある。プログラムが1年半であることから、他のビジネススクールと就職活動や卒業のタイミングが異なるが、それが不利になることはないようだ。逆に今後は二年制のビジネススクールよりも就学期間が短く、中身は同質で、かつ一年制と比べると就学中にインターンシップを行うこともできるので、その有利性が出てくるだろう。

IESE

IESE 経済誌「エコノミスト」の調査機関である「EIU:Economist Intelligence Unit」が発表した世界ビジネススクール・ランキング(Which MBA 2006 Rankings)で1位となったことからも分かるように、急激に評価が高まっている。今回訪問したビジネススクールの中でも、学校経営の観点でいえば、最も投資局面にある学校だった。
バルセロナの市街の高級住宅地が立ち並ぶ(著名サッカー選手などが住む)丘陵地域にあり、眼下に広がる市街地にはガウディのサグラダ・ファミリアが見える。校舎はどんどん建て増しされており、ホテルのような立派な施設が最新の建築デザインをもって作られていた。エグゼクティブMBAプログラム向けの校舎などは、数百名が入れる公演用のホール、レストラン並みの食堂を備えており、採用企業のパートナーレベルと学生10名程度が簡単にランチオンミーティングを持つことができそうだった。
IESE からの眺望 このような実践向きの細かい目的を想定した設備、その気配りは、学生の勉強への意欲や就職のチャンス、訪問する企業の満足度を高める装置となるだろう。学校側がどのようにして資金調達を行っているのか、どのような経営方針・マーケティング戦略を展開しているのか、私自身、極めて高い関心を持った。キャリアマネジメントセンターのディレクター、アシスタントディレクターの方に、学内のランチに招待していただいただけでなく、くまなく構内を案内、プログラム内容についても説明していただいた。はては日本人学生や日本で就労したい学生について、レジュメブックにマーキングして個別で売り込んでくださるなど、過去にどのビジネススクールでも経験したことがない対応をいただいた。まだまだアジアからの学生を多数受け入れていく方針で、日本人学生・日本企業からの求人を歓迎しているとのこと。今後も学生数が増加していくと思われる。
二年制のプログラムは、夏のインターンシップ先も充実しており、同校の卒業生はメジャーな戦略コンサルティングファームや投資銀行、大手事業会社へ就職している。約200名の卒業生の就職先比率は、約25%がコンサルティング業界、約30%が金融業界、約45%が事業会社となっている。
講師略歴
講師:渡邊 光章(わたなべ みつあき)
株式会社アクシアム 代表取締役社長/チーフキャリアコンサルタント
株式会社アクシアム
代表取締役社長
渡邊 光章(わたなべ みつあき)大阪府立大学農学部生物コース卒業。コーネル大学 Human Resource Executive Development Program修了。留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事。1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長。
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