MBAの資産には、スキル・知識・経験・コミュニケーション能力など、評価軸が定まりやすいものだけでなく、見識・価値観・ネットワークなど定量的に評価しにくいものもあります。そしてこれらの定量的に評価しにくいものには、キャリア形成にとって欠かせない価値があります。なかでも「ネットワーク」は、人脈の中から得られる情報の質・量もさることながら、相互の意見交換によって、ときに個人の価値観を変えてしまう力があり、キャリア形成に大きく寄与することが多いからです。
異なる学校、異なる業界、在校生と既卒生、先輩と後輩…「ネットワーク」を広げていくと、それぞれの異なった見方を知ることができます。特に在学中の方は、希望する業界の出身者のお話、経営者のお話、実態経済のお話など、学校の中では得られない貴重な情報を得ることができるのです。

関西圏は残念ながら東京圏と異なり、圧倒的にMBAホルダーが少なく、またMBA採用・インターンシップの受け入れを実施している企業も少ない状況です。今後、関西のビジネススクール出身者が多数社会に出てきてくださることを期待しつつ、「関西のMBA需要よりも、何十倍もの需要が東京・海外にはあることをお伝えしたい」というのも、今回の趣旨のひとつでした。
結果として、様々な学校の多数の方にご参加いただくことができ、「ネットワークの拡大をご支援する」「広く市場動向をお伝えする」という目的は果たせたかなと思っています。
しかしながら、私のセミナーのパートでは、在校生/既卒生それぞれの関心事に対応した深く掘り下げたお話ができず、少し散漫な内容になってしまっていたかもしれません。また、東京や海外でのセミナーに比べると、具体的な質問が少なく、かなり基本的な話に留まった印象を持ちました。

ご参加者は、日本のメジャー企業のご出身や在籍中の方がほとんどで、ベンチャー企業への就職/転職希望者がまったくおられなかったのも印象的でした。私も、ご講演いただいた古尾谷様も、ベンチャー企業の実態や需要ばかりをお話したように感じられた方がおられるかもしれませんが、ご自身の経験から既にお持ちの世界観ではなく、あえて未知の世界としてベンチャー企業や外資系企業のお話をした次第です。
経営人材の需要が拡大している現在。経営リスクをとり、成長をリードできるリーダーの出現が、日本の社会の中で切実に求められています。そのようなリーダー人材は、会社が作るのではなく、一人ひとりがMBA教育の中で如何に気づき、感じ、行動し、選択し、挑戦していくかに懸かっていると思います。
その意味でも、今回多数の方が日曜日にもかかわらず集まってくださり、熱心に講演を聴き、交流会で活発に対話し、名刺交換をされていたことが何よりの成果であったと思っています。今後も機会があれば、色々な業界・業種で活躍されているMBAホルダーの方と一緒に関西へ伺い、継続的に開催したいと考えています。
最後に、参加者の皆様、ご講演いただいた古尾谷様、そして企画や会場のご手配、告知などをご支援いただきました各ビジネススクールのご担当者様に、このような機会をご提供いただきましたことを御礼申し上げます。