転職コラム注目企業インタビュー

株式会社 経営共創基盤2012.02.14

[掲載日:2012/6/7]

株式会社 経営共創基盤

経営共創基盤が追求する「経営のリアリティ」とは

渡邊

本日は、経営共創基盤(以下IGPI)で活躍されているお二人に、IGPIについて、できるだけ具体的に実像がわかるように、ホームページには掲載されていないようなお話をお願いしたいと思います。
経営コンサルティングへの応募を考えている方、IGPIへの応募を考えているようなプロフェッショナルな候補者の方々が抱く一般的な質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。

IGPIは他の戦略コンサルティングファームと何が違うのでしょうか?

木村 尚敬 氏

木村氏

IGPIでは、伝統的なアドバイザリー業務の枠を超え、顧客企業の戦略的意思決定からその実行に至るまで、また特定テーマのみならず、事業面・財務面・組織面の課題が複合した全社テーマに至るまでをカバーしつつ、長期的な企業価値・事業価値を高めるために、知恵・人材・資金を柔軟に組み合わせて提供しています。会社名にある”共創”の言葉のとおり、顧客企業と共にリスクを共有し・共に汗を流しながら日々の活動を展開しており、コンサルティングファームと事業会社の中間的なところにあると思っていただくと分かりやすいかも知れません。私達が重要視している点として、「『経営のリアリティ』を追求する」という考え方があります。どんなに綿密なリサーチの基にきれいな戦略を描いたとしても、それが実行され成果に結び付かない限りは全く意味がありません。現在では多くのファームが「実行に重きを・・・」というような表現を使ってはいますが、IGPIにおいてその言葉の重みはかなり異なるものと考えています。例えば新規事業を始めるにしても、厳しい年度予算の制約の中でいかに資金を拠出するか・どこの部署が負担するのか、ただでさえ人的リソース不足の中、誰が主体者となりリスクを取って推進するのか・大抵のケースでは現業のエース級はそんな無謀なリスクは取りたがらず及び腰になります。仮にリソースの手当てが出来たとしても、立上げ数年間の赤字についていかにステークホルダーの了承を取り付けるかなど、いざ実行するには頭の痛い問題が山積みしているのが現状だと思います。よくある話として、「プランは壮大だがまずは小さく始めてみよう」と組織全体としてお茶を濁してしまうケース、莫大な金額をはたいた割にはいつの間にかお蔵入りになっている施策が多数あるのも実際だと思います。IGPIは、顧客企業から「じゃあ一緒にやりましょう」と言われたら、経済的なリスクも共有しつつ協業していくケースも多々あります。そのため、常に「本当にできるのか」を自問自答しつつ、当事者意識を強く持ちながら、事業推進の立案と実行支援、時には本当に当事者となっての実行を行っています。IGPIが資本参加した上で常勤役員を送りつつ経営に参画するケースも数々あり、まさに当事者としての意思決定・実行というリアルな経営に携わっています。

経営のリアリティを考える上では、「お金の論理」と「人の論理」が重要だと考えています。IGPIが考える「お金の論理」とは、いわゆる儲けの仕組み、つまりは当該事業が収益を生み出す経済的なメカニズムである事業経済性、更に資金繰りや資金調達も含めた財務三表(PL・BS・CF)を時間的・空間的にしっかりと捉えることです。多くの戦略コンサルティングでは、PLの営業利益までがスコープの大半だと思いますが、経営のリアリティという意味では、事業活動とお金がどう有機的に結びついているかが、まさに生命線となります。そして「人の論理」とは、様々な経営上の意思決定を行う上で、生身の人間の「情と理の衝突」をいかに乗り越えていくか、ということにつきると思います。

富岡 さやか 氏

富岡氏

戦略や計画を立案する段階においては、大局的な見地からの市場・競争環境や事業経済性についての洞察はもちろん徹底的に行いますが、実行段階においては、例えばプロジェクトにあるメンバーをアサインしたら、そのメンバーが抜けた部署はどうするのか、予算をとるために財務部へどのような説明をするのか、社内稟議がこのタイミングであるからここまで進めなければいけないといったかなり仔細な点まで顧客企業と共に考えていきます。そのため、IGPIでは、プランニングフェーズと言いつつも、実際にはすでに実行フェーズに入っているような活動が同時並行で行われています。

木村氏

若い人にとっては、IGPIのコンサルタントと共に数多くのプロジェクトを経験することで、経営のリアリティ、経営判断力を身につけられるチャンスは無数に存在しています。弊社代表の冨山が常々話している「ガチンコ経営の経験」、「修羅場での「しびれる」判断を必要とするような経験」を得たい人には期待していただいて良いだけの豊富な機会があります。

渡邊

応募者には、コンサルティング業界、金融業界、事業会社など、様々な業界出身者がいますが、共通して最低限求められる資質とは何でしょうか?

木村氏

ハード、ソフト、マインドの3つの点でお話します。 ハード面については、T字型の人材を標榜しています。具体的には自身の一番の強みとして縦に掘り下げていく部分と、他のスタッフとのすり合わせの中で価値を創出していくノリシロとしての横に広がっていく部分です。縦の部分のスペシャリティで言うと、いろいろなハードスキルを持ったメンバーが集まっています。コンサルティングファームや証券会社、PEやVCなどのプロフェッショナルファーム出身者、会計士・税理士や弁護士、更には実際に事業会社にて経営に携わっていた者などがおり、それぞれの強みを生かしながら、他のスタッフとの融合をはかることにより、様々な面で顧客企業を上回る専門性を提供できることが求められます。 ソフト面では先ほど申し上げた「人の論理」に関係しますが、どれだけその点についての感度が高いか、という共通点があります。経営は合理性と情理性の両面が重要です。人は決して合理性だけで決定や行動を起こさないため、「人の情理」に対して目を背けることなく、どう対峙して着実な実行・成果へとつなげていくかということが顧客企業の経営改革を進める際に極めて重要なポイントとなります。 マインド面ではIGPIは純粋なアドバイザーとして顧客企業の横に立つではなく、自らのことと自覚して関わる「当事者意識の強さ」という点です。 これらの資質は、IGPIのメンバーとなるための最低限とも言える条件でもあり、入社後も重要な点だと言えます。メンバーのハード面に違いはあれど、このソフト面、マインド面の共通によってチームとして成り立っているように思います。

富岡氏

加えて、若い方であれば特に我慢強さや打たれ強さは必要ですね。顧客企業と共に仕事をしていく上で当然ながら自分の思い通りにいくことばかりではありませんので、腐らずにじっくりと取り組めるメンタル面は大事だと思います。

渡邊

どのようなプロジェクトが多いのでしょうか?海外案件に携わるチャンスはありますか?

木村 尚敬 氏

木村氏

IGPIでは、事業ライン・ステージ・地域の3軸にて、継続的な拡大をはかっています。事業ラインというのは、常駐協業型のコンサルティングや財務アドバイザリー、自己投資など含め、これらの複合系としての拡大、ステージというのはアーリーベンチャーから始まり大手企業の経営改革から企業再生に至る、会社が生まれてから死ぬまでの全ステージでの拡大、地域というのはアジアを中心とした海外への拡大、ということです。これらを特定業界に絞ることなく幅広い業界でカバーしています。「IGPIは再生ファーム」という印象をよく持たれますが、実際のところ企業再生というテーマは全体の2割程度ではないでしょうか。IGPIでは複数プロジェクトを兼任するケースもありますが、実際一人の人間がネット系アーリーベンチャーの投資案件と重厚長大企業の再生案件を同時並行で関与できるのは、日本はおろか世界でみてもIGPIだけではないでしょうか。 グローバルという観点においては、当然ながら日本企業の海外進出や事業開発などのグローバルプロジェクトがあります。最近は欧米のみならず、アジアへの展開を考えている顧客企業が多く、それに対応できるよう、昨年上海支社を設立したところです。

富岡氏

IGPIは他のコンサルティングファームのように世界中に拠点があるわけではありませんので、現地の拠点に任せてしまう、ということはできません。私自身のIGPIの経験で言えば、日本企業の顧客企業と一緒に、その企業の欧州支社や欧州市場を見て回るという案件にも携わりました。最近はグローバル案件が増えてきており、いろいろな地域でIGPIのメンバーが仕事をしています。

木村氏

語学力を入社時の必須要件とは見ていません。バス会社のような地方にコミットして日本の社会構造・産業構造の変革を地方から起こすような仕事も多数ありますし、一方で、グローバルに拡がりあるプロジェクトが増加しており、今後ますます増えることも間違いありません。語学力があればグローバル案件に参画出来る機会も多いと思います。

渡邊

ワークロード、報酬などを含め、働く環境という点ではどうでしょうか?

木村氏

ワークロードについては、単に時間的な長さではなく、質的側面が強いと考えています。時間的な長さでいえばおそらく他のコンサルティング会社とそんなに変わらないでしょう。IGPIは先ほど申し上げたように自らが当事者として動く、というようなケースがほとんどであり、実際にその場における精神的プレッシャーはそれなりに高いと思います。また、平時の企業だけではなく、有事・瀬戸際という状況におかれた企業も多くあるため、当然ながらそのような案件に関わる時には、かなりのストレスがかかってきます。しかし、このような状況での企業経営者、その企業に勤める社員の人達と共に必死になって困難に立ち向かう時、やりがいこそ感じることができても、ワークロードが高いというような不満を抱くことは無く、コンサルタントとして疲弊するような種類のストレスはあまりありません。 報酬については、IGPI自身が顧客企業に長期コミットする事業モデルであるため、報酬体系もそのような形になっています。つまり短期的な目線ではなく長期的な目線で見れば、他社と遜色ないかそれ以上を見込めると思います。

富岡 さやか 氏

富岡氏

IGPIは社内環境や働くインフラという面では、極めてストレスが少なく、顧客企業が立ち向かっている経営課題の重要性や、顧客企業内で壁に当たるという現実に対して感じるストレスのほうが大きいと感じます。これは事業会社に働いていたとしたら当たり前に存在する種類の組織がもつストレスです。ストレスの対象がIGPI社内に向いていないというのが、IGPIの特徴かもしれません。 女性コンサルタントの働き方についてもお話しておきます。プロフェッショナル(コンサルタント)の女性比率は1割程度ですが、男女の差は全くなく、公平に評価や機会があります。出産・育児休暇の制度もありサポートスタッフでの適用事例もありますが、会社が新しいこともあり、プロフェッショナルとして適用した女性がまだおりません。今後どのようなものが実用的かということについて考えていければと思っています。IGPIは会社としては新しい会社なので、制度についてはオープンな議論が出来る会社です。

渡邊

最後にIGPIでは、行動規範(Shared Value)を非常に重要視していると伺っていますが、社員は本当に共有しているのでしょうか?

木村氏

IGPIでは年数回、社員合宿を開催しており、創業後、間もなく行った合宿で社員が議論した時に出てきたことを冨山が言語化し、行動規範「8つの質問」として作り上げました。現在も社員はこの行動規範を小さなカードにして常に携帯しています。 昨年の震災直後に、福島交通、茨城交通、岩手県北交通など、被災地の3つのバス会社とその関連企業に派遣されていたIGPI社員が、混乱を極めている被災地で極めて難しい意思決定を独自で行わなければならない時、自らの考えを行動規範に照らし合わせ、まさにしびれる意思決定を行いました。有事に難しい意思決定をし、行動した同僚は私たちの誇りであり、常にこの行動規範を鑑として自ら考え行動していたからこそ、あのような判断ができたと考えています。有事用のマニュアルがあっても、想定外の出来事まで対応できるものではありません。IGPIは全員でこの行動規範・価値観を共有できていました、ある意味有事が起こったその瞬間に勝負は決していたといえます。

富岡氏

今年の合宿では行動規範がテーマであり、それぞれがどのように「8つの質問」を捉えているかを話し合いました。その際、プロフェッショナルそれぞれでこの「8つの質問」の優先順位が異なるのは新しい発見でした。やはりそれだけ色々なバックグラウンド、思想をもったメンバーが集まっているということでしょう。そのメンバー全てがこの「8つの質問」を共有し、常に意識しています。

総括

お二人のメッセージの重要なポイントは、「経営のリアリティ」「IGPIがもつ独自のValue」という点に尽きると思います。これほど他のコンサルティングファームとの明解な違いはないと感じました。

下記のサイト、2冊の著書を、お二人のインタビューとあわせてご覧いただければ、より一層、IGPIの実体を深くご理解いただけるものと思います。

【著書1】
IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
冨山和彦 (著), 経営共創基盤 (著)|出版社: PHP研究所
楽天ブックス)|(アマゾン
【著書2】
カイシャ維新 変革期の資本主義の教科書
冨山 和彦 (著) |出版社: 朝日新聞出版
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【動画】
「大震災を経て今、日本のリーダーに望むこと」~あすか会議2011レポート~

※当記事でご紹介している内容は、ご登場頂きました方の所属・役職を含め、掲載当時のものです。

Profile

木村 尚敬 氏

パートナー マネージングディレクター

大学在学中にベンチャー会社を起業。その後日本NCRを経て、タワーズペリン、アーサー・D・リトルにおいて事業戦略策定や経営管理体制の構築、組織開発・人事/報酬制度設計等に従事。IGPI参画後は、製造業を中心に全社経営改革(事業ポートフォリオ再編・中長期戦略・経営管理の高度化/高速化・構造改革・財務戦略等)や事業強化(成長戦略・新規事業開発・M&A戦略・コスト競争力強化等)など、企業のブレークスルーから戦略転換、再成長へ向けた戦略策定と実行支援を中心に活動を展開。

富岡 さやか 氏

マネージャー

富岡 さやか 氏 [マネジャー]
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、製薬業、病院、小売業、製造業などに対するコンサルティングを経験。主に、全社改革、成長戦略、組織改革、業務改善(ライセンシング、臨床開発、CRM)等に従事。IGPI参画後は、IGPIの出資先である知的財産戦略ネットワーク株式会社の会社設立支援や知的財産戦略ネットワーク株式会社と株式会社産業革新機構を中心に設立した知財ファンド立上げ支援や事業会社のヘルスケア関連新規事業支援に従事。

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