「履歴書」と「職務経歴書」は、応募を伴う転職活動において、書類選考にパスできるかどうかを左右する大切なツールになります。また、今後のキャリアを考える場合、過去の自分の経歴を棚卸ししたり、第三者と相談したりするために不可欠なハードプロダクトといえます。
日本で一般的に「履歴書」「職務経歴書」というと、“スタッフクラスの求人に応募する人”が用意すべき形をイメージすることが多いようです。実際、書店に並ぶマニュアル本の数々は、このような求人に対応するものばかりです。しかし、人材市場にオープンに情報が出てこないマネージャークラス以上のポジションにトライする場合には、さらに注意すべきことが出てきます。それは『誰が選考をするかによって評価軸は変わる』と認識しておくことです。例えば、経営者なら書類選考は株主が行いますし、マネージャーならマネジメントがそれを行います。誰が書類を見て評価するのかによって、当然、アピールすべきことは異なってくるのです。
また、「職務経歴書」を作る際に、自分史を書こう、自分のすべてを知ってもらおうと、何ページにも及ぶ書類を用意する方がいます。自分の能力の中からどれかを使ってもらいたい、何かに興味をもってもらいたいという趣旨からでしょうが、これはあまりに乱暴です。戦略のないまま、採用側のニーズを理解しないで売り込みだけに終始することとなり、賢い方法とはいえません。
先方がどのようなキャリアのコンピテンスを求めているのか? どんな目論見で採用をしようとしているのか? そこが定かであれば、おのずと戦略が決まり、売り込みポイントをハイライトした「職務経歴書」が作成可能なのです。
理想論からすれば、応募先のポジション毎に「職務経歴書」を変えることをお勧めします。なぜそのポジションを志望するのか。自分がそのポジションにいかに相応しいか。サマリーとして、カバーレターや志望動機書などを付けるのもよいでしょう。このように、志望動機やキャリアの展望を先方に伝えることも非常に重要な要素といえます。
したがって、ご自身で企業に応募する場合には、自分なりに求人内容を研究し、志望動機などを熟考する必要があります。キャリアコンサルタント経由で応募する場合、あるいはリクルーティングサイトなどを通じたスカウトで書類選考へ進む場合には、逆にサマリーなどは不要です。キャリアコンサルタントが採用側のニーズと候補者のセールスポイントを掌握し、推薦文あるいは紹介状を作成してくれるからです。