現地で私たちは、日本におけるMBA人材マーケットの情報を、現実的な変化としてお伝えしていきました。具体的には、金融関連における求人がこの春から夏にかけて20%にまで減少したこと。しかし、逆に残ったこの20%の求人は、優秀な人材の獲得に非常に積極的であること。過去にないほどプロとしての経営者、マネジメントリーダーが求められていること。経営における企業財務、資本政策などの重要性が高まり、その内容が著しく変わってきていること。日系大手、企業再生に関わる求人が活発になってきたこと。次世代ビジネスリーダーの育成に、本気で取り組む外資系企業経営者が見受けられ、有識者の多くが日本の問題を「リーダー不在」であると強く意識していること、などをお伝えしました。
また、2008年度に卒業したMBA諸氏の就職・転職状況の総論として、金融機関のオファー取り消しやオファーの直前辞退が起こっていること、そして秋口まで就職活動を継続している方がいるが、これは2005年から2007年までの売り手市場の時には見られなかった状況であるともお伝えしました。

1998年の日本で50年の歴史を持つ日本長期信用銀行が破綻し、2002年のアメリカで100年の歴史を持つアーサー・アンダーセンが破綻した時期と照らし合わせても(リーマン・ブラザーズの歴史が150年であることからしても)、その規模の大きさ、問題の深刻さは計り知れません。夏頃までは「いよいよ人材マーケットが転機を迎えた」という程度の状況でしたが、10月、まさにこのツアー中に一機に「買い手市場」に変貌してしまったといえます。