イベントキャリアフォーラム

20代の挑戦「30代で成功するために」2005.04.23

キャリアの転機

渡邊:今日のパネルディスカッションで話してもらうテーマは「30代で成功するために、キャリアにおける成功とは何か30代で成功した人たちは20代でいかに土台を形成したのか キャリアにおける戦略とは!?」という大きいものです。
今日来ていただいた方は僕は大変成功している、って思ってるんですけどまだ30代です。
40代・50代とまだまだ成長していくわけです。ということは会場に来ていただいている皆さんと同じように将来があるっていう方々がどういう過程を経て、成長して行くんだろう。 これを皆さんと一緒に話したかったんです。
大成功してしまって自分とは違う世界なんだ、って言うのではなくて、皆さんと同じような世界観と価値観を持ってまだまだ成長して欲しい、っていう方々に今日は来てもらいました。
日本のマーケットでは28歳・35歳・50歳がターニングポイントといわれています。 この年齢になってからキャリア相談に来る人が多いんですが、時すでに遅しなんですね。 28歳、35歳になって何か起こるわけではないんです。 時間は有限なんですね、無限じゃないんです。
ということで、時間をテーマにしていきたいんですが、まず最初に一言ずつ最初の転職は何がきっかけで何歳のときにどうしたかという話をお聞きかせください。

佐藤:みなさんこんにちは、ジョブウェブの佐藤と申します。
そうですねぇ、実は20歳の挑戦、30歳の成功するためにということで自分のノートに20歳から今まで何をしてきたかということに年表を作ってみたんですが、結構こうやって振り返ってみると面白いことがわかりました。
僕の場合はジョブウェブという会社を起業したのが大きな転機なんです。就活中に出会った仲間とジョブウェブを作ったのが24歳の時でした。その時に実は渡邊さんにご相談に行って、仲間と一緒に駆け込んでこういうことをやりたいんですがいかがでしょうか? って聞いてみたのが最初の出会いですね。
アンダーセンコンサルティングに入りましてすぐ辞めました。なんで辞めたかというとジョブウェブをやるのは僕しかいなくてアンダーセンコンサルティングには2000人いるのでまぁ僕がいなくても大丈夫かな、と思ってやめたというのがきっかけです。それから3年後に株式会社化してそれが27歳のときでした。それからずっとジョブウェブをやってきたわけです。
なぜ今回ここにいるかっていうと実はジョブウェブはかれこれ8年ほどやってきたんですがずっと新卒の大学生の皆さんの就職支援の活動を毎年2万人くらいとやってきたんですけど OB・OGが10万人くらいいらっしゃるんですが全然そこにサービスできてないので私も今度33歳になるので、20代で自分の会社で活躍するってのをサポートしたいなって思って、まず相談しなくちゃならないのは渡邊さんだろう、って思って相談したところこういうイベントがあるんで佐藤君やろうよ、と言われて出ます、ということで座っている状況です。今日はよろしくお願いします。

関田:株式会社モックの関田 眞喜です。みなさんよろしくお願いします。
私は転職したのはちょうど25,6歳の時で渡邊社長にご相談させていただいてモックという会社に出会ったわけですけども、入社してから入社当初、入社する前から起業と言う夢を持ちながら某三菱系の関連の会社に入りまして大きな会社で3年半、一営業マンとして仕事していく中でやはり歯車のひとつとしてどんな結果を出しても変わらないという世界で、このまま10年、20年やっていってもしょうがないだろうというところでどうせやるんだったらもう一回チャレンジをしよう、と言うことで起業しようか、それとも本当に小さなベンチャー企業に入って本当に朝から晩まで働こうかという選択の中で、モックというベンチャー企業を選んだんですが、選んだポイントっていうのはとにかく小さいところ。創業間もない会社でとにかく何でもやる。
40代~50代で人を使って組織を持っても苦労する内容って一緒なんですね。だったら若いうちに全部やっておこう、ってことでモックに入って今の事業部を立ち上げたのがちょうど26歳の時なんですけど、僕一人とアルバイト一人だけでやり始めてそれから血と汗と涙を流して7年間位ずっと経営者の視点で仕事をしてきてそれからまぁ自分があるかな、と。
それから2年前ですかね、マザーズに上場しましてまたいろんな世界が見えてきて、新たな目標を持ってがんばりたいな、と。ですから初めて事業部を立ち上げた時は僕一人だったんですけど今ほんとに150名を超えるようなスタッフに囲まれて、次なる目標に向かって行きたいな、って状況です。

徳生:こんにちは、徳生 裕人です。
この中で理系の人はどのくらいいますか?なるほど、では公務員の方はどれくらいいますか?そうですか。
僕はどういう経歴をたどってきたかと言うと、国家公務員をやっていました。その中で留学させてもらってスタンフォード大学というところに行って、周りからはMBAをとったからやめたとも思われています。僕は自身はそういうつもりはなくて恩返しの意味でも働き続けるつもりだったんですけど、色々見た上で冷静に考えてみて、当時の職場で働きつづけることに限界を感じていました。
前職では花形の部署と言われるところにいて、自分自身は一生懸命やってるつもりでいたんだけど、年功序列とか民間の方との関係とか、その他のしがらみもあり、たぶん5%位「隙」があったんじゃないかなと思ってます。でその95%で続けていってそれが20年位繰り返していった時0.95の20乗っていくつかな・・・って考えた時にもうちょっと上とか下とか所掌とか関係なく勝負できる環境に移ったほうが自分のためにはいいのかなぁ、って思いました。インクスは平均年齢が27歳、基本的に誰も社長以外上司と思っていない、僕の部下は僕を上司と思っていない。そんな連中に納得してもらって、いかに仕事を進めて成果を出していくかが要求される、そういう緊張感があるという点において、移って間違えなかったと。逆に若い人が成果を出せる会社なので、組織としても非常に強いと思っています。
あとは今の会社に入って思ったのがツッコミ不在の会社でボケばっかりで1日に10回くらい爆笑する会社で忙しいんですけど、やっぱり起きてる時間の6割~7割は会社ですごさざるを得ないのでそこは絶対楽しいほうがいい。で仕事はどっちが楽しいか、って言ったらこれはやっぱり入ってみなくちゃ分からないんだけど僕の場合はまぁ、今よりはいい所はあるだろうな…って移って正解でした。

長岡:長岡と申します。まず僕が話す前にオーディエンスの皆さんの目的を聞きたいんですが…

オーディエンス1: これからの人生の20代の残り4年をどう過ごすか、っていうことであれもやりたい、これもやりたいという事で模索中なんですがその時にこのセミナーを見かけて何かヒントにしたいなぁと思って参加しました。

オーディエンス2: 今新入社員なんですが、たまたまインターネットで見つけてこれから30代をむかえる上でいろいろな人の意見を聞いて参考になればいなと思い参加しました。

長岡:ありがとうございます。 僕はコンサルティング関係のマッキンゼーという会社に勤めていたのですが、ちょうど3年勤めました。24歳の時入社したので28歳くらいまでいましたが、一般的には10年くらい勤め上げて、パートナーに運良く昇進できればそのまま続けて行くと思いますが、僕の場合は将来的に起業を考えていたのでやっぱり3年という期間が非常に良いタイミングということで転職を考えていたのが一つの理由でした。
また僕は、転職とか、あるポイントで考えるときに、こうやって図を描くんです、24、25…って45歳くらいまでのマス目をいくつかのオプションにして。そして色々考えてどれが最も自分の将来したい仕事のための力になるか、また、重要なのは対外的にそのキャリアの説得力があるか、という点を非常に重視しました。
一般的にマッキンゼーでは学卒で入社して勤め上げると大体35歳くらいでパートナーになる人とならない人で分かれますが、ずっと初めから居続ける人は大体挫折する、というのが社内的な漠然としたコンセンサスでした。「純粋培養」は成就しないという。ある段階でパートナーの選挙みたいなものがあるんですけれども大体そこで「あいつはマチュリティがない!」とか色々言われて難しい場合が多いようでした。
中に居続けると最後に評価されない、最終的にマッキンゼーで続けて行きたいにしても外に一旦出た方が評価される。であればいずれにしても一旦出てしまって勝負をした方がいい。戻ってコンサルタントをやる保証はある意味あるわけですから。つまり、辞めて自分の力を試したほうがいいし、仮に外で成功すればそれで良いし、ダメでも戻るオプションは閉ざされてなかったわけです。
当たり前のことでしたが、これに気付いた時、「とりあえずこれ以上いることには、全く、意味がない」と、正誤は別として合点しまして、その日から次のキャリアオプションを検討し始めました。
そんな中インターネットでヘッドハンターを検索してみたらアクシアムさんが一番上でしたのでコンタクトさせて頂いたところ、ソフトバンクの孫社長の側近として働けるというポジションがある、という話がありました。その頃渡邊さんは茶髪で、本社も神田の小さいビルにあって、正直怪しげな話だなと感じていました(笑)。
ところが実際にソフトバンクの面接に行った所本当に孫社長が出て来てとりあえず安心しました、と申しますか非常に驚きました。面談で孫社長は、何でもやってくれ、という感じでしたので、内容ももちろんでしたし、時代の寵児である孫社長の側で働けるという点を非常に魅力的に感じ参画を決めました。

渡邊:はい、ありがとうございました。 では会場の方々の質問を代弁できれば…と思っているんですけどもパネリストの皆さんは、今やりたいことをやっていますか?

佐藤:えー、私はかなりやれてるなぁ、と思っています。実はアンダーセンコンサルティングの新入社員研修の時にあなたの夢は何ですかみたいなシートを書かされて恥ずかしいですが「人を幸せにする」って書いてあって、20代に1000人幸せにする、って書いてあったんですよ。で、ハッピービームを出してるとかなんかいろいろ怪しいクレヨンで書いてあったやつがあってこの間年末に掃除したら出てきてですねぇ、そのために何ができるか書いてあったんですけどそのまま今やっていることがそれかなぁ、と思いました。結構若いころと言うか当時24~25歳の時に書いたんですけどその時に書いたことを32歳にやってるんだなぁと思って感動しました。そういう意味で言えばやりたいことができる、っていう状態は成功している状態でなんか分からないですけど多分やりたい状態ってまだまだ先に僕のイメージであるんですけどもその状態に達成するまでの今の通過点ってすごいわくわくして楽しいので今非常にいい状態なのかなぁって思ってます。
自分のやりたいことができるための状態として3つ必要だと思っています。1つは実力というか自分自身の能力と言うかですね、いろいろな意味でです。2つ目はお金です。会社を経営するにしても自分で個人で何か、例えば旅行に行きたいとしてもお金が必要なわけで、ある程度お金は必要かなぁと思っています。僕個人的にはお金持ちではないんですが会社にはちゃんとお金があるんで、まぁあれに使おう、これに使おうと考えるのは非常に豊かな環境です。
あともう1つ大事だと思うのは人脈だと思っていまして、今日こうしてお話できるのも渡邊さんと人脈というかネットワークがあるからなわけで、今振り返って20代のころ大事だと思ったのは何かをやると知り合いが増えるんです。僕はジョブウェブをやっているんですよ、っていろんな人に出会うんです。最初に入った会社で一生懸命仕事して上司に気に入られたりだとか同期ができたりして、今8年たって、その時に出会ったこの人は一生懸命やってるな、友達になりたいなって人たちとのつながりが今になってパートナーになっていたり、あとものすごいお客さんになっていたりするんですね。みんな起業家になって、5年くらいたって「佐藤君、そろそろ新卒取りたいんだけど…」っていうとお出かけしてですね、「お久しぶりです、最近どうなんですか?」って所から入ってそういうお客さんがいま20社くらいあって、まぁとにかく何かをやって、友達を増やして、実力をUPさせて頑張れればいいのかなぁと思います。 結論としては今幸せの状態で成長の途中ということでしょうか。

関田:転職を考えてた時に事業をどれだけ立ち上げるかなぁと思っていたんでそういう意味では本当に非常にしんどい事は多いんですけど、非常に毎日楽しくて充実した日々を送れているかなぁ、と思っています。
それはやっぱり僕らの企業の特性かもしれないですけどやっぱり世の中にない価値を提供していこうっていうのが僕ら事業部であり企業ですから、本当に毎日少しずつですが世の中に認められるサービスを提供していけている、またさらに提供していこう、という実感を常に毎日持ちながらスタッフと一緒にこう仕事していると言うのが本当に、予想以上の苦労が多いんですが予想外の苦労もありまして転職当初は本当にあの当時僕は一番しんどくてですね、25~26歳です、夢と希望を持って転職したのでまさかこんなに厳しくてしんどいものかなと今思うとあの当時が実は一番しんどくて、今もしんどいんですけどやっぱその当時かなって、やっぱ自分の認識の甘さが非常に大きいかったんですけど、まぁそこをなんとか頑張ってふんばっていろんな人に出会ってささえられてなんとかここまで来たんで、今は会社のスタッフが僕と同じ様な経験をして欲しいなと思っています。そういう次なる充実感と言うかハッピーを味わってもらいたいと思っています。
実はうちには部長とよばれる26歳になる女性社員が二人いるんです。その二人も実は22歳のアルバイトの時から東京の事業部の立ち上げに参加してくれていたメンバーでなぜ彼女たちがそこまで大して給料も高くない時から夜遅くまで働いたかというと、結局そこの充実感です。今までにないものを作っている、自分たちが作った会社組織が大きくなっていくっていう実感を持って仕事しているから非常に成長してですね、30人も40人も部下をかかえてやっている、と。
こういったメンバーをもっともっと増やしていきたいな、ということをやらなくちゃいけないな、というのが考えている事です。

徳生:僕はインクスに来て何をやっているかと言うと、はじめにやった大きな仕事と言うのはプロジェクトマネージメントで研究開発の分野で働いてました。その後、会社のコンサルティング部門が非常に大きくなり、色々とやり方を変える必要がでてきたので、今はその改善の仕事をしています。 仕事は非常に面白いしやりがいもあるし、この若さでこのような仕事をやらせてもらってるのも非常にありがたいなと思っています。 あと人の部分でベンチャーにもいい人が、多分渡邊さんなんかにも力を入れていただいてるんだと思うんですけど、超大手メーカーで担当商品の売上を1000億増やした営業の人とか、僕の研究所時代の上司が某グローバルメーカーの研究所の元所長さんだったりとかそういう優秀な中途の人が次々に来ていて、やっぱり色んな経験をした色んな人と仕事をすることが勉強になるので、今インクスが持っている勢いというか、それにより実現している環境は、非常に幸せだと思っています。
一番大きいと思ったのが、会社のビジョンに対し、自分がどれだけ貢献できるかという話ですね。前職でも今でも組織のビジョンに共感していたことには違いはありません。ただ、そのビジョンの実現に向けて、自分がどんな仕事をしてどれだけ貢献できるかが、大きく違いました。コピーとるとか議事録とるとか、そういう仕事だって必要だし学ぶこともあるし構わないんですが、他省庁との戦いとか人の足を引っ張る仕事とか(笑)そういう仕事は僕は無駄だと思います。社内戦争はどこにでもあると思うんですが、何かをやりたい、って思った時に、それができる環境に自分をおけるかどうか。僕は成果は誰にでも出せると思っています。真剣に考えて計画を立てれば誰にでも成果は出せる。ただ、それを出しやすい会社と出しにくい会社があるので、その点では今の会社では楽しく仕事ができていると思います。

長岡:やりたいことができているかという質問ですがスタートしたばかりの段階で全く、できてないと申した方が良いでしょう。日々課題と向き合っているという状態です。 社員もおりますが、これがことごとく働かない社員でして(笑)、私が基本的にプレゼンを企画、立案、製本したり、営業ももちろんやっています。

お金

渡邊:次のテーマは、お金です。 お金って言うのは大事なテーマだと思うんですね。その、当然報酬を上げれば機会が下がって、機会が上がれば報酬が下がるっていうこういう単純な事が意外に理解できずに、自分のプライス(価値)が下がってしまう、と思ってしまう人がいます。
関田さんなんかは前回のセミナーでもお話したんですけど650万の年収の人だったんですね。 セールスマンとしてもトップセールスで名古屋から東京に勉強にこられてマーケティングのコースに出たりですね、勉強努力もして、非常に僕感動して、「で、なりやりたいの?」って聞いたら感動ビジネスやりたいって。人が作ったものじゃなくて自分が作ったものでお客さんが喜んでお金ができる。そのためだったら今の自分の年収っていうのは工場で作ってくれる人がいるからこのくらいやれるんで、自分の価値っていうのは別に650万って固定的じゃないっておっしゃってそれで次の会社(モック)では、年収半分くらいになりましたよね?

関田:そうですね。

渡邊:本当に僕は紹介しながらびっくりしちゃって、「大丈夫か関田さん!?」って思っちゃったんですけど。 その後、さっき御本人がおっしゃったように2年間ものすごいです。モックの山田社長からいつも聞いてました。本当に悩んでましたからね。 「新規事業やれ!」それしか山田社長言ってないんですよ。それだけですよ!資金もアイディアもくれない。 「何かやれ!」って。「やれ」っていわれてずっとやってましたよね?あーでもない、こーでもないっていって。 それで3年目くらいから事業が当たって急激に大きくなりましたよね。あの3年間の努力ですね。

関田:そうですね。

渡邊:その努力っていうのとお金っていうテーマで話を聞いていきたいんですけども、佐藤さんにとってお金ってどうですか?お金の価値観っていう自分の価値観をお聞かせください。

佐藤:お金は、そうですねぇ、うーん。儲けたいか儲けたくないかで言うと、実はそもそも自分で作った時に、ジョブウェブみたいなのやりたい、って思った時にこういうのやりたい、っていろんな人にお伝えしていたらプロバイダの社長と仲良くなって「佐藤君このサーバーただで使っていいからやっていいよ!」って言われて、多分月換算20~30万円くらい相当のサービスをただで、サーバーを丸ごと貸してもらいましたね。 あとうちの実家が電気屋をやっていて、社長室をほとんど使ってなかったんです。でその社長室を将来佐藤電気もインターネットを取り込むべきだからといって、その先行投資で、社長室を貸してくれと。ついでに電話とコピーも使わせてくれとお願いして、おそらく20~30万円相当のものを無料で借りて、それで活動拠点を作った、という所がありました。
まぁお金を掛けずに、やりたい環境を作ってしまって、しかもみんなボランタリーで。そういう状態でやってたんです。 やってるうちにまず最初にお金がなくちゃ困るなー、って思ったのはボランタリースタッフが、3ヶ月くらいジョブウェブのお手伝いをしていると、「これ以上お手伝いできません」と。「え?どうしたの、どうしたの?」って言うと「生活費なくなっちゃったんでこれ以上できない、バイトしなくちゃいけません、すみません」っていうんです。待てよ、と。優秀なスタッフがいてもらうにはバイトしなくても働ける状況を作んないとならないって言うことに気付いて、どうしたらいいかなぁ、って思ったらやっぱりお金が必要だなぁって気が付いた、ってわけなんです。
あともう一つ思うのはお金については、創業直後に、ベンチャーキャピタルから数千万円の出資を頂いて、出資という事に対しての勉強不足で、何となくイメージは湧いていたんですけど実際通帳に数千万円ボン!と入ると何かずっとなくならないような感覚で、売上をあげる、って事をしなくてもやってけそうな錯覚に陥ったんです。サイトの運営とかコンテンツを作るとかコストがかかることばっかりやってたんです。で当時会員が増えたらサイトはOKみたいなネット業界の雰囲気があって、そのままやっていたら、通帳のお金がなくなりそうになってしまって、その時にまずいと思ってやっと営業開始!みたいな。 でそれから本当に僕はごめん!ちょっとコンテンツの仕事はしないから、とにかく売ってくるからっていってですね、朝から晩まで駆けずり回って色んなお客さんのとこに行って「僕はこういう者なんですがどうしたらお金くれますか?」って聞いて回って、その年に1億近い売上を上げているんです。で稼がなきゃいけないな、と思ったのが2000年~2001年位ですね。 で最後、自分結婚して、子供ができて、生活する上で稼がなきゃ、って思ったのが結婚っていうのと、新卒採用をするようになって、なんていうのかな、実質今年が初の新卒採用でして、本当に彼らにとってジョブウェブという会社で成長していける環境なんだとか、あと給料水準もジョブウェブっていいよねって、給料水準もいいし、なんかやってる事もいいし、っていう状況を作る責任感みたいなものが芽生えて、頑張っているという状況です。

関田:えっと、私の場合っていうのはお金っていうのはあまり執着がほとんどなくて、まぁ「減ったなぁ」みたいな感じで。 まぁ実際どうやって自分を成長させて事業を作っていこうかなぁ、って必死だったんで結果として付いてきたという感じでしてこんだけお金欲しいからこんだけ仕事するっていうのはまったくないんです。 じゃあ結果が出たから給料が出るっていうのはサラリーマン的発想でして、僕はもうモックという大変な状況を見てきましたんで、そう簡単にお金はもらえるもんではないっていうのはわかっていましたんでそれでも構わなかったんです。
今、思うのはリスクを一番背負っている人が、一番給料もらえるんだなぁって僕は考えています。成果というよりはリスクです。会社のリスクを背負っている人間が一番給料を、まぁリスクの分だけもらえると。サラリーマンの方は安定をしているわけですから沢山の給料を安定的にもらえるという感じですね。僕も僕なりにリスクを背負ってチャレンジした結果今の給料っていうか色んなものが付いてきたんだなぁ、っていう位で考えています。

徳生:役所から来て、研究開発やってきたという事で、お金を稼ぐ、という仕事をやった事がないという事が自分の弱点だと思っています。今回やる仕事はそれに結構近いんで、まずはお金を稼いでいる状態を早く実感したいですね。
個人としての僕はお金にはあまり執着はなくて、これまで結構はげしく給料が上がったり下がったりしてますが、貯金も借金もしないんで、あればもう買っちゃうしいい家住んじゃうし無ければ使わないし。 結婚とかしたら守りに入っちゃうのかもしれないですけど、そういう意味じゃどれだけ自分の会社を通して社会に貢献できるかどれだけ自分が学べるかっていうのかが重要で、お金についてはあんまこだわってないです。 リスクをとるということになれば、お金がすごく大事だと思います。例えばアイディア出した人が偉いんじゃなくて、それを現実的なプランにおとすのが重要だけどそれでもまだえらくなくて、やっぱりそれに投資しようって決断する人が一番勇気がいるし一番大変なところだと思いますね。こういう事態になったら、多分給料くれよって思うと思います。

長岡:お金に関心がまずあるか無いかで言ったら無い訳ないですね、非常にあるんですけども。ただよく思うのは、様々な事業があるので、その労力と利益のバランスが事業によってばらばらということです。例えばM&Aのアドバイザリーを行うのと、html書くのでは全然違います。儲かれば良いというのでは、会社のミッションも何もなくなってしまうので、何を目指すのかは明確にして行きたいですね。

3年後の自分

渡邊:ありがとうございます。 4人の方の話を聞いてると自信があるなって感じました。
自信の中には努力をしたり意思決定をしたり、会社を変えるっていう決心をしたりなんらかの決断だけでなく決心をしてみなさんこういう風におありになると思うんですけど、そういう経験をする中でみなさん普通の人には無いexposureを得られているな、と。 それは新しい発見をしたことになるんだと思うんですけど、その中で皆さんに最後の質問をしたいと思うんですけども、希望とか願望だけでなく展望という、具体的には、2010年位には何をしているか、を皆さんといっしょに聞いてみたいと思います。

佐藤:今、その3年先までの何をどうしていこうか、っていうのを結構具体的に計画していて、売り上げだったり、サイトはどうなっているかとか、ラフなイメージですね。1年先とかまでは具体的に決まってるんですけども5年後という意味でいいますと今そこを描ききるのは難しいと考えています。

渡邊:じゃあ、えーと5年後としなくても具体的なものが出ているということで3年後でも構わないですよ。

佐藤:3年というスパンでいうとジョブウェブは学生の時代にものすごくエキサイティングにコミニケーションしているサイトなんですけど、社会人同士が切磋琢磨できる場って言うのが他に結構あるんですね。ものすごい小ユニットで僕も出入りしてたりするんですけど、そういう場が世の中にあるんだよ、とかそういう場がもっとできてしまうようなのがあったほうがいいなと思ってます。
今って転職サイトって、あ、アクシアムさんはちょっとコンセプトが違うんですけど、概ねベルトコンベアに乗せられたみたいに転職にまっしぐらってとこが多いと思うんですけど、僕の想いとしては今ここで活躍しましょう、今あなたがここで圧倒的に活躍するために支援するサイトっていうかサービスを作っていきたいと思っていてて、アクシアムさんと一緒にやりたいな、って思って相談しに行ったのが経緯なんです。それが3年後にやりたいことで、まぁ新卒の分野と社会人の、まぁそういう意味で言うと社会人のキャリアを応援していくようなサービスをっていうのが3年先くらいです。
実は5年だとまだ早いかもしれないですけどその先って僕は起業家を応援するっていうのを僕は憧れていて、結構僕の色んな友達が「起業したいんだけど…」って相談しに来ると、「あぁ、やったほうがいいよ、そこら辺スペース空いてるから使ってよ」とかいいながら。
40代ではジョブウェブという会社はそういう感じで盛り上がっていって、僕は起業家支援という感じで、それは投資するかしないかは別としてなんかやりたいっていう人がいたらあぁやったほうがいんじゃない、っていってどうしたらできるか、とか一緒に考えて一緒にやってたりとか。それでやったらジョブウェブから新卒を送り込むみたいなのが生まれていったらいいなぁ、と思っています。
僕は実は大学生の時にこういう風になりたい人ってどんな人、っていうのを書いたことがありましてそれを見直すと、「お金を出して汗もかくエンジェルおじいちゃんになりたい」、って書いてあるんです。多分80歳になってもなんか新しい事をやっている予感がして、そうありたいと思っています。みなさんにおすすめなのがやりたいこととかなりたい自分をパワーポイントとかで大きな文字で巨大にして書いて配ったりとか、あと、いいのは新聞とかにインタビューして載るとやらざるを得なくなってしまってですね。やっぱり外部に対してそういうことを発表しておくといいな、と。割と私も新人研修の時とか、ある雑誌にも載ったんですけど、それでイメージして走ってこれたのかなぁ、と思ってます。 だからエンジェルおじいちゃんに、50年後はなっていたいなぁ、と思います。

関田:3年とか5年とかいう形でありますと事業的には色んな展開と戦略が日々動いていますので話すときりが無いものですから、私としては3年後、今関わっているメンバー、まぁ30代前半のメンバーを徹底的に鍛えて、30名の経営者を作りたいなと。
僕が経験してきたような、事業部を立ち上げるところからそういうところを、時間とお金をかけて…僕は今の社長に投資してもらったんでそういう立場で3年までに30人作ってうちの事業部でもう一回IPOをしたいな、と。これが当面の目標かな、と思ってます。

徳生:3年先はわからないですね。今いる会社はほんとに革命を起こせるかどうかというギリギリのところを攻めこんでいて、まぁ非常に面白い会社なんで、その中でお金を稼ぐって事をやりながら貢献していく、ということまでしか今は決まっていません。自分では、修行して学ばせてもらってる部分も大きく、まだまだ十分な成果は出していないと思っていて、大きな成果を出したり社会にインパクトを与えるような何か機会を捉えるていう、多分100%完璧な機会はないとおもうんですけども、そういうものを捕らえていきたいっていう気持ちをもって、漠然とした世界図の中で1年くらい先だけ見て、行き当たりばったりここまで来たのが実情です。
世界がこれだけ広いと全部理解するってのはたぶん無理で、これまで留学してあっちの世界を見たり、変わった仕事をしたり、点と点をつないでなんとか流れを見てきた。訳わかんないことも幅広く色々と経験しながら、全体像を掴みたいという気持ちで、今日も刺激が得られればと思ってこういうイベントに来ました。これが訳わかんないって言ってるわけじゃないんですよ。(笑)
いずれにせよ世界図は見たいなと思っています。それでそういうのが掴めたころになにか行動を起こせればいいなと思っているんですがまぁGWなんかを使って3年後くらい先までは見れるようにならなきゃな、と思っている状態ですね。

長岡:3年後ですと、大幅に変わっているということはなく、事業の一層の具体化とか会社を急成長させている、というのが理想です。今考えているITと金融を絡めた事業が上手くいけばいいな、と思っています。 40代・50代になると事業をある程度完成して、社会貢献ですとか社会に事業とは違う意味でインパクトを与えるようなことを考え始めていると思います。 将来の夢的なもので、面白いと思う企画で、熱海プロジェクトというものがあります。熱海の地形がですね、昔からモナコに似ていると思っているのですが。。(笑)この思い込みから発想しているんですね。昔は一世風靡した観光地だったのですが今勢いがなく、非常に私はもったいないと思っています。 都心からも非常にアクセスしやすい、この好条件の地に、カジノや金融特区を作ってみようかと。これは50~60代でですね、自分が政治家になってもおかしくないような社会的な地位になっていたら、ファンドと協力して全部土地を買い上げたりして町を再開発して、といったことを描いています。

渡邊:熱海ですね?伊丹じゃないですね?熱海にその王国を作った長岡さんにはプリンセスをそこに招いて欲しいですね。
今日ここにいる皆さんはもう雇用を生み出す側になっているんですね。まさに日本では12年前の1993年、労働人口・給与所得者だが6900万人、にいたんです。去年調べたら5200万人に減っているんですよ。1700万人どこいったんだぁ!?って感じです、この12~13年で。
色んな人の雇用を生み出す経営者が必要な時代になってきたと思います。 3年後の話をするとアクシアムも本当に正念場に来ています。雇用で労働市場ってまだ減ります。団塊の世代が3年間で700万人マーケットから出ていきます。新卒の人も一応マーケットに入ってきますが本当に4000万人で1億3000万人食わさないといけないんですねぇ。もっともっとインテリジェンスなサービスとか付加価値を生み出すことをしないと日本のお金が日本の若い人たちのために使われない、というような気がしてなりません。
うちのスタッフや求人・企業のお客さんに本当に価値創造、そういった目でキャリアを作っていきたいな、と思っています。今から5~10倍くらい、努力すれば5倍~10倍くらいの雇用マーケティングをうちの会社はできる、と思っています。
リスクをとってやってますから、会社がなくなるかもしれません。5倍10倍と無理なこといってますからそういう意味ではうまくいかないかもしれません。うちのスタッフ3年後売上げ5倍って聞いたことないと思うんです。社内でも言ってませんから。渡邊さんどうするんですか?戦略は?役員会でも榊原先生にいつも言われています。そのくらいのこと言ってなければ中途半端には残ってないと思ってます。リスクをとってやってますから。皆さんと一緒に頑張りたいと思います。
パネラーの方々に個性あふれるお話、これからのキャリアで一番大事なのは個性だと思います。金太郎飴のように安心だとかとりあえず大企業はいれば安心だよねとかそれが一番やばいです。大きな会社に入れば研修とかブランド名があるから大丈夫とかはダメです。他力本願では。とりあえず自分のことは自分で考える。非常に個性のあるキャリアを。 今日ここに来てくださった皆さんはまだまだ他の人が投資をします。皆さんがもし興味があればこの方々の会社で投資をしてみるのもいいと思います。就職という概念はやめたほうがいいと思います。ケアしてくれません。投資をお互いするというそういう概念だと思います。改めてパネラーの皆さま、ありがとうございました。

参加者の声

1.20代の挑戦「30代で成功するために」に参加されて、新しい発見や感じたことがございましたら、教えてください。

  • 講演で、「家族、子ども、パートナーの意義。自分のキャリアが身近な人々にどのようなプラスがあるか、ということも重要である」と聞き、キャリアを考えていく上で新しい視点でした。 (新しい場所で自分を発見するとか、自信が大事とか、人脈が大事というのも、もちろん納得ですが、しばしば耳にする内容ですので…。) 交流会は、転職を考えている人ばかりではなく、学生時代にいろいろな活動をしていた新入社員も、なんとなく来た方も、会社を宣伝しに来た方も、色々な人とお話ができ、おもしろかったと思います。
  • 自分に自信を持つことが大事なんだという事を改めて痛感しました。 特に感じたのは、交流会で積極的に交流できなかったことです。 自分に自信がないから消極的になってしまう。今後の課題です。
  • 私は、まだ会社に入社したばかりですが、パネラーの方の行動力や仕事への熱意を感じました。私も、仕事を通して実現したい思いがあるので、パネラーの方々のように、なりたい自分に向かって仕事に取り組んでいきたいと思いました。 これからの自分を考える、いいきっかけになったと感じています。
  • パネラーの皆様の転職目的が明確であり、自分の能力を知った上で最適な選択をされた事に感銘を受けました。客観的に「自分を捉える」ことの難しさを感じている今、この4名のお話しはとても参考になりました。
  • 特に印象に残っているのは3点です。
    1. 人脈 ジョブウェブの佐藤社長がおっしゃっていたのですが、20代での人脈作りが30代になってから生きてくると。そう考えると残り少ない20代をいかに有意義に過ごすかというのが勝負になりそうです。
    2. お金 モック社の関田さんがおっしゃっていたのですが、転職直後は年収が半分ぐらいになったと。それでもやりたいことができるのなら、特にお金に固執しないという姿勢は見習いたいと感じました。
    3. 若さ 最後の交流会に、意外と新入社員の方も参加されているのに感銘を受けました。20代の前半からキャリアについて考えているのか……!と。
  • 毎日ただ「頑張っている」だけでは自己満足に終わってしまい、気づいた時には、手遅れになってしまいそうだと焦りました。今からしっかりと長期的視野でものを考え、今何をすべきなのかを見据えて、日々の生活の中で実践しなければならないと実感しました。「まだ新入社員だから」と自分を甘やかしていたところに冷や水をかけれた気分です。
  • 4名のパネラーの方がそれぞれ確固たる目的をもって行動した結果が、起業もしくは転職であることがわかった。そして現在の仕事を大変であるなかでも楽しそうに、充実感を持っていらっしゃる様子を感じられた。 それぞれ、リスクをとりながらもその結果自分の望む仕事と環境を手に入れている。 私も自分のやりたいことを実現できるように行動してゆきたいと思う。
  • 榊原先生が、「EXPOSUREの高いところに身を置くと新しい自分が発見できる」とおっしゃっていたのが印象に残りました。 今自分のいる環境がまさしく’EXPOSUREの高いところ’だから納得したのだと思います。 自分の短所ばかりが見えてきて、本当の自分の力は小さいことを実感しました。 でも、新しい自分を発見できたからこそ前進できると思うので今の環境は実はいい機会なのだと捉えます。 パネリストの方々のお話を聞いていて感じたのは、最初は違うな~と思いながら仕事をしていても、その後自分の求めることを探して転職していらっしゃるということです。 みなさん大体3年で転職していらっしゃいましたが、3年というのは一つの大きな節目となるのでしょうか? 私の部署は一人前になるために最低3年かかると言われているので自分が今の部署で満足するまでは頑張りたいと思っています。
  • いかに、自分の夢、やりたいことを早い時点で決断することが大事かを改めて実感した。決断しないリスクの方が大きいことも改めて気付いた。

2.2010年(5年後の自分)に向けて、1.の内容をどのように活かしていきたいですか?

  • 動きながら、働きながら、生活しながら、考えていきたいと思います。 キャリアや自分の生き方は、自分だけのものではなく、身近な人と互いに影響し合いながらつくっていくものなのだと感じました。
  • まずは、今後、5年間のキャリアプランを自分なりにまとめました。 自分の業務への希望が通るか分かりませんが、1年毎に、どう成長していたいかを言葉として残しておき、常に自分で意識していきたいと考えています。
  • まずは自分を知ることから初め、なりたい自分の道筋を作って行こうと思います。このキャリアフォーラムで感じたことを紙に書き、目に付くところに貼って毎日肝に銘じて行きたいです。
  • パネラーの方々もおっしゃってましたが、現状の日本で5年後について確かなことをいえる人は居ないと思います。 ただ、上述の内容を生かすという点では、
    1. 人脈作りのために、セミナー等に積極的に参加する
    2. お金よりもやりたいことを見つける、あるいは選択肢を増やすために世界観を広げる
    3. 若さを取り戻す、、、?
    といったところを実践していきたいです。
  • 今はただ、一日一日を大切にし、一生懸命に目の前にある仕事をすることと、人脈をさらに深く広くしていくことに注力したいと考えています。 しかし、逆に目の前のことにとらわれすぎて、守りに入るようになる傾向があるので、気をつけていこうと思いました。
  • 自分も自己実現のできる新たなフィールドを模索しているので、具体的な行動に移してゆきたいと考えている。 そのためのマインドを4人のパネラーの方からの体験、お話の内容から感じることができた。 自分の目指す仕事のロールモデルにしたいと思う。
    1. 今まで気付かなかった自分の新たな面を受け入れる
    2. 苦手なことを克服するよう意識をし、周りにも発信していく
    3. 今の仕事に達成感を感じるまで頑張る
    4. 自分の得意なことを活かせる環境を作っていく
  • 前年から、本格的に準備を開始した海外MBA留学を実現させて、数社でマネジメントを学んだあと、2010年には、東証1部上場企業のCEOもしくは海外事業責任者となり、グローバル企業に育て上げるに携わりたいという夢を実現させるべく、ドライブをかけていく。

3. キャリア・職業人生に関する悩み・相談をご自由にお書きください。
アクシアムのキャリアコンサルタントが親身にお答えいたします。

ご相談にお答えいたします。 お役に立てれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

現在、証券会社に勤めリテール営業をしているが、自分のしたい仕事は、ベンチャー企業発展に寄与できる上場支援などをしたいと考えている。 そういった仕事を未経験でも携われるチャンスのある仕事を探したい。

アクシアム キャリアコンサルタント: ベンチャー企業の発展に寄与する仕事としては、ベンチャーキャピタルやインキュベーターがあります。その仕事においては、ベンチャー企業の経営者がなにを考えているか、なにを悩んでいるか、理解できることが必要になりますね。それは気持ちを読み取るだけでなくて、その背景にある戦略面や財務面などについてサポートしていくことが求められます。 証券会社にお勤めであれば、まったく畑違いということではないと思いますが、ご自身のなかで、すでに「やりたい仕事をするのにこんな面が不足している・・・」とわかっていらっしゃるのではないでしょうか? 未経験でもご希望の仕事のチャンスがまったくないわけではないので、足りない面をカバーできるくらいの努力をします、と言い切る気概は必要ですよね。

自分の得意なことを伸ばしていったほうがいいのか、苦手なことを克服し出来ることを増やしていったほうがいいのか、どっちがより魅力的に生きられるのだろうと最近思います。 好きな環境で好きな仕事ができたらどんなにいいかと思いますが、ハードルが高い今の状況から逃げているだけでしょうか?

アクシアム キャリアコンサルタント: 得意なことを伸ばすのであれ、苦手を克服するのであれ、大事なのは自分に自信をもつことだと思います。 自分に自信をもつことで、同じ仕事を目の前にしても「できるんだろうか・・・」という不安ではなく、「できるに違いない」と前向きにとらえることができるようになると思うからです。 『好きな環境で好きな仕事ができたらどんなにいいか』と書いていらっしゃいますが、「好きな仕事」はなにか、もう見つかっていますか? いまの仕事でもう少し頑張ってみることこそが自信をつける策であれば、それをやり遂げることでしょう。

4. 今後、アクシアムが開催するフォーラムで取り上げてほしいテーマがありましたら、ご自由にお書きください。皆さまのお役に立てるフォーラムを企画できればと思います。

  • 国際交流です。 外資で働く人々の声・考え方も聞いてみたいです。
  • 日系企業から外資系企業への転職を果たした方々とのパネルディスカッションと交流会があれば参加したいです。
  • マーケティング、営業、経営など、カテゴリー別のテーマで開催し参加者が情報交換できるような場にしていただきたいです。
  • ベンチャーキャピタルなどベンチャー企業の成長を支援する企業のフォーラムとセミナーがあったら是非参加したいです。
  • 家庭を持つ女性の生き方
  • 世界でも通用する40代、50代の人のキャリア形成に対する考えかたに触れる機会があると有り難いと思います。 また30歳ぐらいで、子会社の経営を任されたり、「経営としてのキャリア」を積むことができる会社を紹介していただく機会を設けていただけると有り難いと思います。

5. その他

前回の新展地Newsの「社員のひとこと」を読んで、「コーチング」というものに興味を持ちました。 今後の新展地News「社員のひとこと」の中で、その辺にも触れられていれば、と思います。

弊社メールマガジン「新展地News」担当です。 ご要望ありがとうございます。「社員のひとこと」はアクシアムの中で新展地を担当している社員が持ち回りで書いているコーナーです。 私が「社員のひとこと」を次に担当するときに、コーチングに絡めて「ひとこと」書きたいと思います。

基調講演(20代におけるキャリア転機の戦略論)

慶応義塾大学 総合政策学部 教授 榊原 清則

僕は今慶應義塾大学で大学の教師をしています。20代におけるキャリア戦略論の話ということなんですが今振り返ると僕自身充実した素晴らしい20代は送っていなかったかなぁと実感しているので反面教師にして欲しいと思っています。 僕は28歳くらいの時まで大学生で一方では結婚していたんです。収入はかみさんが働いた給料と僕のアルバイトと奨学金でなんとかやっていました。正直キャリアデザインっていうのは無かったと言わざるを得ないです。それから大学に職を持ってあまりローカルな人間は役立たないと思い比較的早いタイミングからアメリカの大学に留学しました。私が20代~50代での自分の経験に多少とも沿わせて1つ2つポイントらしきものをお話したいと思います。
1つ目のポイントは英語で”exposure”って単語があります。露出とか自分をさらけ出すっていう意味なんですけど大事なのはこれなんです。exposureの高いところに身をおくことでいい意味で自分自身にこんなところがあったんだって言う発見があるんです。
アメリカという国に行って気がついたことはとてもexposureの高い国だなぁ、ってこと。アメリカという国での体験が今の僕の糧になっているなぁと感じています。
もう一つのポイントは、アメリカでの体験で友人にこんな質問をされたんです。「makesakakibarasakakibara」つまり榊原を「榊原」にしているものは何かっていう事なんです。つまり自分の慣れ親しんだ所とは違ったかなり広がりのあるスケールの大きな新しい環境に身をおいて一体何者なんだろうってアイデンティティについて考えるようになったんです。
僕はちょっと理由があって何度も転職活動をしているんですがその時に何回も外国でジョブインタビューを受けました。1対1で1人当たり1時間位で続々面接を受けるんです、2泊3日で数十人。最初は「自分はこういう人間で、こういう研究をしていて…」ってやってたんですがすぐによくないな、って気づきました。話の内容を説明する、これは僕の興味関心のある事で相手と共有するんです。それで戦略を変えました。自分の話は4~5分で終わらせて相手の調査研究を聞こうとしたんです。しかもできるだけ遠慮せずにアグレッシブに。そうしていると1時間のジョブインタビューなんてすぐに終わっちゃうんです。
今言いたい事は必要なのはタクティックスじゃなくて自分のプライドとコンフィデンスを持って前に出る姿勢だという事です。ディフェンシブになってどういう質問をしたらどう答えようって頭の中で準備して考えてるとやっぱり外に出たときに自信なさ気に見えちゃうし弱いなぁ、って感じるんです。
それとexposureってことにも関係するんだけど新しい環境に身をおいて新しい自分を発見するってことです。自分の運命を楽しむというか新しい環境で自分の知らなかったポテンシャルを見つけて、発見とか驚きとかできる、どこかゆとりを持ったスタンスが重要なんじゃないかなぁ、って思います。
最後に、僕は「キャリア転機の戦略論」っていう本を書きました。「戦略論」とあるのに戦略が一つも載ってないじゃないかという書評を頂きましたがその通りなんです。この本はhowtoを列挙するのではなく、イギリスで会った人々のキャリアヒストリーやその人の人生の深い流れに触れて欲しいと思って書きました。20代の皆さんが参考にしてくれたら嬉しいです。私自身は非常に早いタイミングで結婚したんですが、キャリアを考える上で家族・子供・パートナーの意義は非常に大きいんです。彼ら・彼女らに人生の負担がかかってしまうと職業の面でもいろいろ発揮できないと思うし、そういう人たちを何人も見ています。自分の職業人生が家族やパートナーにどういうプラスの意味があるのかな、っていうことも決定的に重要なことだと思います。

講演者/パネリスト 略歴

慶応義塾大学 総合政策学部
教授 榊原 清則氏
榊原 清則 氏1949年生まれ、73年電気通信大学経営工学科卒業。
1978年、一橋大学商学研究科博士課程修了。
その後同大学で講師、助教授、教授を歴任。その間に、米国マサチューセッツ工科大学客員研究員、ハーバード大学国際問題研究所研究員、ミシガン大学研究センター客員教授なども歴任。1992年から4年間ロンドン大学大学院ビジネススクール準教授を務めた後、96年から現職。著書・論文多数、最近の著書としてちくま新書『キャリア転機の戦略論』(株式会社筑摩書房)(2004)

パネリスト
株式会社ジョブウェブ 佐藤 孝治氏
株式会社モック 関田 眞喜 氏
株式会社インクス 徳生 裕人 氏
アクセーラ株式会社 長岡 大輔 氏

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