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MBAのためのキャリア支援キャリアデザイン講座
アクシアムでは、これまで25以上年にわたり海外MBA約6,100人、国内MBA約1,800人の方々を対象としたキャリアコンサルティングをさせていただいております。その中から数多くの方が、各方面のプロフェッショナル、マネジメントリーダー、そして経営者となっていきました。そのような方々へのキャリア開発支援、キャリア紹介を通じて得られたエッセンスを、MBAキャリアデザインの基礎知識としてお伝えいたします。
この内容は、現在海外MBA留学中の方を対象にしたものになっておりますが、将来MBA取得を考えている方や、既に国内外のビジネススクールを卒業したMBA保有者の皆さんにも参考にしていただけます。
最新求人市場動向
日本の産業社会における組織の課題はいくつかありますが、成長戦略を実現するために必要なものは、以前から指摘されている点から変わりありません。
- マネジメントリーダーの不足
- グローバル人材の不足
- 若手人材育成の重要性の拡大
上記の3点です。グローバルに活躍できる若手MBAの必要性や重要性が高まっているにもかかわらず、企業派遣生も私費留学生も減少傾向にあるのが現状です。
MBA留学を短期的な求人市場ニーズだけでとらえず、長期のキャリアプランを考えることがより重要になってきました。長期のプランを考えるためにも、今のニーズ・現実的な機会がどのようなものなのかをしっかり理解しておく必要があります。以下より2018年から2019年卒のMBAの方を対象とした最新の市場動向をお伝えしますが、卒業時の就職活動のためだけではなく、人生をthriveさせたい人、人生でoverachieveしたい人に、このコンテンツが参考なれば幸いです。
求人市場の変化
アクシアムに寄せられるMBAを対象とする求人は、25年の歴史の中で過去最多。日本の雇用全体でも、完全失業率・就業者数ともに回復し、1990年前後のバブル期と変わらない状況といわれています。また平均有効求人倍率も順調に上昇。1973年度以来の高水準に戻っています。
MBAを対象とする求人は増加するだけではなく、過去の諸先輩とは異なるキャリアの多様性がみられるようになりました。ですから逆にキャリアを設計する際には、過去の常識が通じなくなっていることを肝に銘じなければなりません
2018年度の卒業生は空前の売り手市場で、キャリアチェンジに成功した私費留学生が多く、同時に起業した人も例年以上に多い印象です。また企業派遣生が大量に卒業前に転職した年ともなりました。多くのMBA新卒者が、展望に向かって見事な機会を見い出しました。
ただ一部の人は、多数のオファーからキャリアを選択する難しさから、選択を躊躇し、また誤った直観から選択ミスを起こしています。MBAの求人市場が絶好調から急激に反転し、壊滅的な状況になったこともこの20年間に3度ばかりあり、そのような可能性も無視できません。
MBAのキャリア形成で大切なことは、需要の拡大に甘んじることなく、世界経済の潮流や枠組みの中で、Post MBA市場の動向を大局的にとらえ、同時に己心(こしん)に従ったビジョンを見つけ出し創造していくことです。留学の目的は単なる『就職』や会社を移る『転職』ではなく『キャリア・デベロップメント』。すなわち『展望を備えたキャリアの開発』です。
アクシアムでは創業以来、すでに7,500名を超えるMBAの方々の一人一人の展望について相談を行ってきました。相談者の多くは現在、経営者あるいはプロフェッショナルとしてご活躍されています。これこそが、アクシアムが提唱する『展職』であり、私たちが皆さんにご支援できることです。
では、これから卒業にむけ本格的な活動を始める皆さんに、MBA求人のハイライトをご説明します。
- キャリアパラダイムの大転換。マネジメントからリーダーシップへ、会社から社会(ソーシャル)へ、先進国から途上国を含む地球規模へ、キャリアが多様化する時代。
- 金融業界の求人は、静かなリストラ、トランスフォーム。VC、PEは求人活況。ファンドライズから投資にシフト。「VC、PEのディレクタークラスが事業会社のCFOへ」という転職ブーム。
- コンサルティング業界では、経営戦略、IT(IoT)、財務、海外展開支援、イノベーションにかかわる機会などをテーマとした業務の稼働率が高く、MBA求人需要は増加の一途。
- 日系ベンチャーの動きでは世界を目指すグロースベンチャーが多くなった。VC、PE、コンサル業界からの人材の転入が目立つ。
- 日系大手・中堅では、MBA人材への注目が高まっている。中堅企業経営者求人の増加=PEが採用主体。
- 大手外資企業では、IT業界、Eコマース、消費財ブランド、エネルギー商社、ヘルスケア、リテール、エンタテインメントなどの領域で増化。リーダーシッププログラムや、FP&Aのニーズの増大。
- 一般募集(公開)求人の激減とは対称的に、機密性の高い(非公開)求人の増加。具体的にはマネジャー。事業再生、事業継承、創業家と経営者、ガバナンスの変化。
- 30~50歳までの求人が増大する一方で、50代以上の求人の激減。
「サービスに関わる産業:財にかかわる産業」の求人対比は「9:1」。 - 好調な求人増加はいつまで続くのか?反転減少の時期はいつか?
反転減少した場合の対処、代替え案。不況に強いキャリアとは何か?
新規にMBA採用を開始する企業もあります。最新の市場動向については、ぜひ、アクシアムのキャリアコンサルタントに随時お尋ねください。
対象別アドバイス
全体的な助言
海外MBAを採用対象としている企業は、以下の4つを期待しています。
- 知識、スキル、ビジネスフレーム
- コミュニケーション能力や見識
- 共通概念・価値観・キャリアに対する考え方
- ネットワーク
この中で、もっとも重要な採否を決定する要件は、3.の共通概念・価値観・キャリアに対する考え方です。なぜMBA留学し、なぜその会社に応募し、なぜその仕事がしたいのか。また、将来何をしたいのか。こうした質問に、説得力をもった回答をできる人が採用されます。
その際、願望や希望の大きさをいくら熱心に説明しても、「報酬が高いから」「学べるから」「成長できるから」「社会に貢献したいから」などと言った自分の利益だけを述べるだけでは採用されません。もっと具体的に、「MBA留学を経て、自分は何をしたいと思いそのためどんな努力したのか。」「その結果、何ができるようになったか。」「何をするためにその会社のその仕事を希望するのか。」などについてしっかり語れることが望まれます。そのためには、深く考え、悩み抜いた上で自分なりの応えにたどり着いておくことが大事です。付け焼刃なインタビュー対策では、まったく刃が立ちません。薄学も見抜かれてしまいますので、しっかり学ぶことも大事です。また、冗談のような話ですが、海外MBAの方が英語でインタビューを受けて、英語力不足を理由に落ちるということが実際起こるので、英語でのビジネスコミュニケーションもしっかりできるようにしておいてください。
就職に苦労している方、苦労しそうな方への助言
以前に比べ、願望だけの留学生が減り、現実的なチャンスをつかもうとする人、大きな挑戦を目標にする人など留学の動機も多様化しています。その中で、i)市場の求人ニーズをつかんで有利にキャリア開発につなげている(=売り手市場の恩恵を受けることができる)人と、ii)ニーズをつかまず勘違いの方向ばかり身勝手に見ている(=売り手市場の恩恵を受けられない)人の二極化が進んでしまいました。
売り手市場でも就職が難しいのは、
- 職歴なし
- 35歳以上で留学
- キャリアに関連しない分野で留学
といったタイプの人です。就職先を見つけるにはかなり努力を強いられると思いますので、他の人とは違うアプローチが不可欠であると覚えておいてください。
まず、求人の傾向をしっかりと把握しておきましょう。 現在、外資系、日系を問わず事業会社での財務会計・事業開発・マーケティング・セールス・オペレーションの求人が増加しています。マネジメントを目指せるポジションの求人も数多く出てくるようになりました。特に外資では、ポテンシャル採用が積極的に行われています。また、コンサルティングや金融など、スキルや知識を高いレベルで要求する業界でも求人が活発です。
ただし、ベンチャーや新規事業開発、企業再生にからむ求人では、ポテンシャルではなく実践的なスキルがより求められるようになっています。さらに、大手企業とは異なり、学歴やスキル以上に「新しいことに挑戦したい」という志向性や価値観が求められます。言葉だけで「挑戦したい」というのでは不足で、実際にどんな挑戦をし、どんな苦労や失敗をしたか、それをどうやって乗り越えたかなどの質問に具体的に答えることができるかどうかがポイントとなります。夢ばかり語る人材よりも、実践派が望まれているのです。 こうしたいわゆるチャレンジ精神は、留学した人すべてに当てはまることではないと思われます。意外なことですが、日本から海外へ留学する人の中には、「異文化交流や挑戦をしたい」と言いつつ、本心では「安定優先で、挑戦やリスクなどは程々にしておきたい」という考えの人が多いのです。
安定を目指す人は、このような分野にはキャリアを方向付けないほうがよいといえますので、しっかり考えてみてください。採用側も、その点への理解が進んできていますので、軽い気持ちで応募してもあっさり見抜かれてしまいます。
留学経験だけで新たなキャリアが拓ける時代は遠い昔です。しっかりとした自分の展望、価値観を持ち、自身の経験と強みを理解し、そして就職をゴールでなくキャリア開発の一環とらえて活動を進めていきましょう。MBAや大学院留学後のキャリアを設計し、未来の展望、すなわちキャリアゴールの実現に向けて、人生の投資先を探すつもりで活動することが成功する秘訣です。
2年生の方への助言
インターンシップを終えた先の会社から、内密にオファーをもらった人もいるでしょうし、もらわなかった人もいるでしょう。しかし、本番はここからです。インターンシップなどからMBAを定期採用しているプロフェショナルファームや企業は、例年、10月~12月に採用活動の佳境を迎えます。能動的にできるだけ対象を広げ、候補者や競合他社との駆け引きをしつつ、選りすぐりのベストな候補者を採用しようとします。
売り手市場一色となった今年特有のトピックをご説明しておきます。
- 9月の段階で正式オファーを受託し、入社承諾を既に出している方が見受けられます。これは過去なかったほど最速の進路決定です。意外かもしれませんが、彼らは1年生からしっかり進路を熟考しインターンを経験した上で、インターン先からのオファーを承諾しています。これは非常に良い傾向です。キャリア構築が成功する可能性は高いと思われます。
- 採用企業やサーチ会社から大量の誘いがメールやSNS経由で届いているため、進路に迷いが生じ始めている方もおられます。選択肢が多いゆえ、応募先も広がりますが、その中からしっかりオファー獲得を目指すことが大事です。しかしながら、自分のやりたいこと、やり遂げたいことが何なのか、応募過程で見失わないようにしましょう。
オファーをもらった先からの回答期限や提示条件に関し、交渉や駆け引きをする必要はありません。真摯な気持ちで公正、公平に対応しましょう。無理に決断する必要はありません。後悔のない決心をしましょう。逆にいえば、しっかり見極めることができたら、早期に決心することも好ましいと思います。 - 他の方がどんどん決まっていくのに、自分だけは書類選考にパスできない、インタビューを通過しないというケースもあります。焦らず、企業のニーズと自分のスペック、あるいは自分の志望動機が合致しているのか再確認してみましょう。
- 一番やっかいなのが、客観的にみて候補者にとって大変好ましい選択であるのに、当人は決心できない場合です。オファーをもらったが「他にもまだ何かチャンスがあるのではないか」と期待してしまうケースです。買い手市場の時にはこのようなことは発生しませんが、売り手市場の局面では往々にして生じます。原因は自分にじつは自信がないことや、オファー内容が若干自分の希望と違うことなど様々ですが、大きなポイントは「決めきれない」こと。決定因子の特定が自分でもできていないか、自分でも誤認されているのでしょう。決めきれないまま、大きなチャンスを取り逃がすことも起こりますので、十分注意が必要です。
アクシアムでは、弊社経由の紹介先企業ではなくても、オファーを受けるべきかどうかやベストなキャリアとなるかどうかなど、無償で相談しています。スカイプによる相談、一時帰国中の相談も歓迎です。
定期採用している企業については、直接応募をお勧めすることもありますが、アクシアムにMBA新卒の紹介を依頼している企業のご紹介は可能ですし、他にもMBAを対象としている通常の求人案件もご紹介することができます。一度、ご希望や展望、キャリアデザインをしっかり相談いただければ、それに合致した案件を随時ご案内することができるようになります。担当コンサルタントまでご遠慮なくご質問・ご相談ください。
企業派遣生の方への助言
企業派遣の方は、私費留学の方と比べキャリアについて考え、悩む時間が少ない分、後々の転職で後悔することとなってしまうケースが多く見受けられます。
私費留学の方は、渡航前からキャリアについて考え、就職活動を開始し、インターンや採用インタビューを通じて、自分で悩むだけではなく人の話を聞きながら考えていきます。
結果的に視野が広がり、良い転職・就職ができる確率が高くなります。
一方、企業派遣は会社に内緒にしながら活動し、希望していた業界の中や誘われた企業で即決してしまいがちです。優秀な方ほど、絞った希望業種でオファーを得てしまうが故、広く視野を持つことができないまま決めてしまうケースが多いようです。そのためか、MBA卒業後に新しい仕事についてからほどなく、「広い視点で考えると間違っていた」と気付くということが生じてしまいます。
企業派遣の方、官庁派遣の方も、留学中からキャリアについて長期の視点でしっかり考えておくことをお勧めします。
まだコンサルタントと個別相談していない方は、ご相談内容を明記の上
[mail@axiom.co.jp]までメールでご連絡いただくか、キャリアコンサルティング申請ページよりお申し込みください。