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CAREER DESIGN SEMINAR in US Autumn 20142014.10.31
米国トップスクール訪問は2011年の秋訪問以来、3年ぶりとなりましたが、様々な変化が起こっていましたので、速報としてご報告します。これからMBA留学を考えている方、今MBA留学中で就職活動中の方、MBA採用を担当されている人事の方など、広く参考にしていただければ幸いです。
表1 今回訪問した米国トップスクール7校の学生数推移
1999卒 | 2011卒 | 2012卒 | 2013卒 | 2014卒 | 2015卒 (2年生) | 2016卒 (1年生) | ||||||||
全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | 全 体 | 私 費 | |
Kellogg | 8 | 4 | 12 | 6 | 8 | 4 | 11 | 3 | 17 | 9 | 13 | 7 | 9 | 6 |
Chicago | 12 | 2 | 8 | 5 | 7 | 6 | 2 | 0 | 2 | 1 | 2 | 1 | 3 | 1 |
MIT | 12 | 5 | 9 | 3 | 10 | 1 | 12 | 3 | 13 | 5 | 10 | 2 | 5 | 0 |
Harvard | 10 | 2 | 10 | 7 | 12 | 4 | 7 | 1 | 12 | 7 | 5 | 3 | 7 | 1 |
Wharton | 28 | 8 | 20 | 9 | 7 | 2 | 4 | 1 | 11 | 7 | 15 | 11 | 7 | 1 |
NYU | 12 | 3 | 4 | 1 | 3 | 0 | 3 | 1 | 4 | 3 | 3 | 1 | 5 | 2 |
Columbia | 10 | 4 | 6 | 5 | 5 | 4 | 2 | 1 | 7 | 3 | 8 | 3 | 6 | 2 |
Total | 92 | 28 | 69 | 36 | 52 | 21 | 41 | 10 | 66 | 35 | 56 | 28 | 42 | 13 |
1)日本人数の減少
まずアメリカへの留学生数をIIE調査データから参照してみると、2002年あたりから日本人は海外留学希望者が減少しており(図1参照)、逆に中国、インドからの留学生が急激に増加しています。これはMBA留学でも当てはまることですが、2011年の震災年次に激減していた日本人留学生が、その翌年から増加に転じていたにもかかわらず、また減少してしまいました。年末のMBA留学生数調査結果を待つ必要がありますが、トップスクールは、2013年41名、から2014年66名に増加したにもかかわらず、2015年には56名、2016年にはさらに42名に減少してしまいました。特に2016年は私費留学生が42名中13名と非常に少なくなってしまいました。
企業派遣生数は比較的に安定しているものの、数年単位でみると私費の学生数が上下していることがわかります。
図1:アメリカへの国別留学生数推移(アジア主要国)
出典:Institute of International Education / 2013 IIE Open Doors
筆者は、海外ビジネススクール全体が増えてくれる事を願っていますが、同時に今回訪問した7校以外のトップスクールにも日本人が多く留学してほしいと思います。海外ビジネススクールへの留学ならどこでも良いという訳ではありません。その点については機会を改めて述べたいと思いますが、まずは、このトップスクール7校の日本人数が象徴している事象を分析し皆さんと共有しておきたいと思います。
その上で、今後、「企業派遣生を上位校に合格させるにはどうすればいいか?」「どうすれば私費留学生が上位校に多数合格させることができるか?」といった課題を考えて行くことができると思います。
ここ近年、企業派遣生数は変化していないように思えますが、トップスクールの企業派遣生が増えない原因は、企業がMBAの退職を恐れて、35歳前後の社員を選抜しているからだと筆者はみています。トップスクールを社員に目指させたければ、転職されるリスクを恐れないで、社歴5年から8年程度の社員でないとトップスクールでは歓迎されていない状況を認識しておくべきでしょう。
私費留学生が減少した理由までは特定できませんが、トップスクールを回って強く感じたことは、語学力について、ほとんどすべての人がバイリンガルレベルで、海外の大学を卒業している人や、海外で育った方や勤務経験者が圧倒的に多かったということです。外国人で日本の大学を卒業後、企業派遣で留学する人や、3カ国語に堪能な人等、英語力の高さは圧倒的でした。
また語学力のみならず、MBA前の職業経験の豊富さやレベルの高さは際立っていました。例えば、MBA後に就くことが多い経営企画、M&A、海外事業開発、新規事業など、いわゆる花形ポジションをすでにMBA留学前に20代で経験している人が多く、キャリアチェンジどころか、すでにMBA留学前から市場価値がかなり高い人が多くなっています。例外的にはエンジニアやサイエンティストの経験者もいますが、そのような人もエンジニア、サイエンティストとしても一流で、理系職種経験者はMBAを通じてキャリアチェンジしてゆくだろうと思えます。社費でも私費でも、昔と異なり、かなり経験豊かでなければトップスクール合格は厳しいと感じました。
2)私費留学生の健闘と今後の懸念
トップスクールは企業派遣生が合格には有利と言われた時代がありましたが、2014年、2015年とも私費留学生が企業ならびに官庁派遣生の数を上回っています。訪問先7校の学生数だけで全体の傾向を議論することはできませんが、少なくても80年代などはMBA留学全体の1割であったことからすれば、バブル崩壊の時期、そして1998年の金融危機等を機会に、企業派遣が大幅に減少し、私費が増加してきた傾向があり、ついに私費生数が社費生数を上回ったようにみえました。しかし、原因は不明ですが、2016年卒の私費留学生数は28名から12名と急激に減少してしまいました。これはかなり深刻な事態と言えます。来年度の受験生でトップスクールを考えている私費の人達は十分に対策が必要だと思います。欧州、アジアに私費留学生数が増加してくれているのであればいいのですが、アメリカのトップスクールへの私費留学生数がこのまま減少して良いとも思えません。
3)社費のマインドチェンジ
2014年卒業生は、過去になかったほど、企業派遣生の中から卒業時の転職者が多く見られた年です。2年生の年末までは復職を決めていたにもかかわらず、年始になってから活動を行い、帰任せず転職しています。これまで帰国後、2~5年程度経過してから転職する人が多かったのですが、やっと日本でも、自分の年齢からキャリアを設計することができる世代がでてきたのだと思います。ロイヤリティーが低下したのではないと思います。復職してMBAらしい仕事をさせてもらえないわけでもありません。戻れば、それなりのキャリアが用意されていますし、報酬も、商社、銀行、証券など、過去と異なりかなり高額の報酬を得ることができます。外資企業と年収での差はそれほど生じないほどです。
80年代なら年収だけ考えても、元の会社に戻れば600万円~800万円、投資銀行やコンサルなら1000万円と倍ほどの差が開く感覚でしたが、今はそれほどの差はありません。派遣元企業に戻っても1000万円から1500万円の年収を得ることができます。それでもなぜ転職することにしたか。それは年収など経済的な要素よりも、若い時に決まりきったキャリアよりも敢えて会社に決めらない、いわば未来の絵が描かれていない自分の人生を自分で描いて選んでゆく道を選んだからのように思います。今までも少数派がMBA後転職しましたが、今年はその数がかなりの数になりますし、それが後輩の世代に影響を及ぼし始めています。人生1回だからしっかり考えなければという事を強く意識し始めているのです。実際に、私費の留学生が予想以上に様々な機会を得ていることを知れば、チャレンジしたくなっても当然だと思います。
4)スピードアップ
例年、2年制のMBAの人達は、夏のインターンシップから一部の人がオファーをもらっていますが、あくまでもそれは口頭であり10月からインタビューが本格化し、年内に進路が決まる人が第一陣となります。ところが、今年は過去になかったほどMBAは売り手市場であることから、企業からみた採用活動、すなわちMBA Candidateからみたら就職活動の時期が早くなっています。
夏のインターンシップのオファーを10月末までに回答するという人達も見受けられました。今までは学校のガイドラインで「早期に学生に意思決定を促すことは禁じられていて、10月末以降にしか意思決定しないこと」と定めている学校もあり、過去にはここまでの早期化はなかったのですが、それが逆転している点には驚きました。いずれにしても、2015年卒生の皆さんを対象にして企業採用は過熱せざるを得ないと思います。これはスクールのランキングに関わらずいえることだと思います。年収アップは個別相談できるものではないので、早期意思決定へのインセンティブとして100万円~300万円程度が提示されるケースも出てきています。
総括として、MBA新卒ならびMBA保有者を対象として求人が過去にないほど増加しているものの、日本人が少なく、採用戦線はヒートアップしてくると思いますが、MBAの皆さんは冷静に人生設計を描き、その中で、今の自分がやりたいことができるかどうかではなく、将来自分がなりたいもの、将来自分がやり遂げたいことをしっかりと見据えて、市場に流されず、ご自身の未来を決めて欲しいと思います。
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