転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第33回 
2006.05.25

スカウトか?応募か?

皆さん、『スカウト』という言葉にどのような印象を持っていますか?

いわゆるヘッドハンティング、例えば会う前から採用することを前提として『現年収の50%UPを約束するから是非うちに来てほしい』といった話をイメージされますか?

アクシアムでは、マネージャークラス・経営者クラスのスカウト案件も多く扱っていますが、『スカウト』といっても、実は会う前から採用が決まっているというケースは極めてまれで、「会ってみて、いろいろ話をした上で採用を決める」というのが通常です。

では、『スカウト』と『応募』は何が違うのでしょう?ひと言でいうと「その話がスタートするきっかけが、どこにあったか?」ということになります。

「是非その仕事をやってみたいので検討して欲しい」と、自分から職務経歴書などを提出するところから始まるのが『応募』であり、「あなたの経歴を是非うちで生かしてほしいので検討しませんか」といって始まるのが『スカウト』ということになります。

おおむね35歳以上の方を対象とするようなマネージャークラス・経営者クラス等の求人は、ほとんどの場合、Webや雑誌などの求人広告には出ていませんので、自分から『応募』することが不可能であり、おのずと『スカウト』で話が始まります。(もちろん、35歳未満の方を対象としている求人でも『スカウト』から始まることはあります。)

しかし、きっかけこそ違えど、最初から採用が決まっているわけではない点、『応募』と『スカウト』に、それほど違いはないのです。

例えば、某ベンチャーのCEOへ転職された方の話。きっかけはアクシアムのキャリアコンサルタントからの『スカウト』で、ご本人は特に転職をしたいというわけではないものの、興味をお持ちいただき、一度会って話をしてみたいということになりました。

求人の依頼者である投資家との初めての面談に、その方は「自分だったらこのようにする」というビジネスプランを立て、資料を作り持参されました。

特に依頼をしたわけではないのですが、その方いわく、「先方も私がどれくらい貢献できるか分からないと判断できないだろうし、有益なミーティングにするためにはあったほうが良いかと思い、準備しました」とのこと。投資家はその内容のみならず、その方のスタンスも含め絶賛されました。

スカウト求人でも「来て欲しい」といわれ、「行ってあげる」ということではないのをご理解いただけると思います。

皆様が、これから『スカウト』を受けられる際の、ご参考にしてください。