転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第46回(最終回) 
2006.08.31

企業は人なり

毎週お届けしてきました本コラムですが、9月からのメールマガジンリニューアルに伴い、今回を持って一旦終了させていただくことになりました。

今までお読みいただき、ありがとうございました。来週より、また新しいコンテンツをお届けしてまいりますので引き続きお楽しみ下さい。

さて、最後は『企業は人なり』というお話です。言い古された言葉であり、いまさらと思われるかもしれませんが、やはり『企業は人なり』です。

ある、経営者の抱える課題についてのレポートでは、人材や組織強化(採用・育成など)が2005年には3位に挙げられていて、3年後には2位になるだろうと予測されています。新規事業開発や売り上げ・シェア拡大よりも上位に位置しているのだそうです。

さらに、優先順位の高い投資対象としても、生産設備投資や研究開発投資を抑え、人材投資が1位になっています。

また、2005年の中途採用実績は120万人を越え、同年期初における計画の2倍以上の実績になったそうですが、求人マーケットにおける需給バランスはたいへん逼迫していて、完全な売り手市場になっています。

特に、即戦力やマネージャークラス以上を対象とするスカウト型の求人マーケットでは、有効求人倍率や完全失業率などのマクロ調査に見られる傾向以上に人手不足感が強いのが現状です。

アクシアムでも、実に前年対比で2倍近い求人を受託しています。

  • 「新規ビジネスを立ち上げる責任者が欲しいが、社内には適任がいない」
  • 「急激な拡大をしているが、人数の拡大にマネージャークラスの育成が追いつかない」
  • 「抜群の技術力を持つベンチャーなのだが、経営をできる人材がいない」
  • 「再生をするための、経営者を外から迎え入れたい」
  • 「投資事業を強化したいが、ファイナンスの分かる人材が不足している」
  • 「10年後のリーダー/経営層となる若手人材が不足している」
  • 「社内でリーダーが育っていない。すぐに採用をしないと競争に勝てない」
  • 「理系離れが進み、優秀な技術者が確保できていない」
  • 「日本進出に伴い、日本の営業TOPを探している」

など、投資家(投資側)やCEOからの求人、外資系企業の求人、大手企業の人事からの求人、経営者層の求人、スタッフ層の求人いずれも増えています。

一方で、キャリアコンサルティングの現場では、「自社での仕事や将来のキャリアに不満や不安を持ちながらもどうしたらよいか分からず、漠然と仕事を続けている」という優秀な方がまだまだ多いように感じます。いわゆる「埋もれている」という状況です。

この人材に関する需要と供給のギャップやアンバランスを埋めるのが我々の仕事であるのですが、まだまだ、「転職」に対してのネガティブなイメージを感じます。これには社会全体における「キャリア開発」と「転職」についてのさらなるパラダイム・シフトが必要なのでしょう。

本コラムでも何度かふれてきましたが、従来の日本的雇用システムは崩れはじめ、なくならないまでも確実に形が変わってきています。長期雇用を前提としたキャリアプランは現実味をなくしつつあるのです。

10年後、社会がどのように変わっているのか具体的なイメージは持ちづらいものですが、少なくとも雇用や採用が大きく変わっているのは確実であるように思います。

しかし『企業は人なり』は不変です。「人」に深く携わる会社として、皆様が望ましいキャリアを形成できるよう、そして企業や社会の発展に貢献できるよう、さらなる支援をしていきたいと思います。

願わくば、アクシアムでキャリアコンサルティングを受けられた皆様全員が、日本を担うビジネスリーダーとして活躍されますように。