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2017年5月

やり抜く力 GRIT(グリット)~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~
アンジェラ・ダックワース(著),神崎 朗子(訳)

物事を継続することを苦痛と感じる人は少なくないでしょう。私は大いに苦痛を感じる一人です。やっているうちに途中で飽きる、他に興味が移るといったことはよくあることですし、自己研鑽に努めても、途中から自身の成長が鈍化したり、さらには成長を感じなくなったりして放り出したくなることもままあります。皆さんも、そんな気持ちにとらわれることがおありでしょう。

ただ、もちろんそれではいけません。今月は、そんな状態に陥った時に助けとなる一冊をご紹介したいと思います。それは、『やり抜く力 GRIT(グリット)』です。本書では、成功するためにはひたすら地道に取り組むことが重要だと説かれています。著者であるアンジェラ・ダックワース氏は、じつに多くの研究者、学者、教授らに会って話を聞き、自ら数々の調査を実施して、成果をあげる人や成功する人の共通点・理由を探り、その解にたどり着いています。

本書には各章ごとに多くの小見出しがつけられた小文があり、豊富な事例やエピソードとともに著者の主張が展開されていくのですが、その中で特に印象に残ったもの、感銘を受けたものを抜粋し、そのエッセンスをご紹介したいと思います。

第1章より
「情熱」と「粘り強さ」を持つ人が結果を出す

彼らは満足しない自分に満足していた。(中略)どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、(中略)並外れて粘り強く、努力家だった。自分がなにを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性が定まっていた(中略)結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。

第2章より
ひたすら「同じこと」を考え続ける

難問にぶつかると、ふつうの人は「またあとで考えよう」などと言って、たいていはそのまま忘れてしまう。ところがダーウィンには、そういういい加減さを自分に許さないようなところがあった。彼は突き止めたいと思っている問題は、すべて頭の片隅にとめておき、少しでも関連のありそうなデータが表れたら、いつでもすぐにその問題と突き合わせることができた。

第3章より
一流の人は「当たり前のこと」ばかりしている

最高のパフォーマンスは、無数の小さなスキルや行動を積み重ねた結果として生み出される。それは本人が意識的に習得する数々のスキルや、試行錯誤するなかで見出した方法などが、周到な訓練によって叩き込まれ、習慣となり、やがて一体化したものなのだ。(中略)それらを継続的に正しく積み重ねていくことで生じる相乗効果によって、卓越したレベルに到達できる。

第3章より
「今日、必死にやる」より「明日、またトライする」

肝心な時にどれだけがんばれるかは、もちろん重要なことだが、進歩の妨げとなるのは途中でやめてしまうことだ。(中略)長い目で見れば「継続は力なり」の一語に尽きる。

第4章より
「究極の目標」は絶対に変わらない

重要度の低い目標をあきらめるのは悪いことではなく、むしろ必要な場合もある。ほかにもっとよい実行可能な目標があるなら、ひとつの目標だけにいつまでも固執するべきではない。また、同じ目標を目指すにしても、いまの方法よりもっと効率的な方法や、もっと面白い方法があるなら、新しい方法に切り替えるのは理にかなっている。

第5章
「やり抜く力」を強くする4ステップ

1. 興味 2.練習 3.目的 4.希望
この4つの特徴は、もともと「あるかないか」という性質のものではない。興味の対象は自分で見つけ、さらに興味を深めることができる。鍛錬の習慣も、自分で身につけることができる。目的意識を養い、深い意義を感じることができる。そして希望を持つことも、やはり学ぶことができる。

第6章より
メガ成功者たちは必ず「同じこと」を言う

「僕は本当にラッキーだよ。朝、目が覚めて、今日も仕事ができると思うとうれしいんだ。(中略)つぎのプロジェクトに着手するのが待ち遠しい」。彼らは、やらざるを得ないからとか、金銭面で魅力的だからとか、そんな理由で仕事をしているわけじゃないんです。

第7章より
毎日、同じ時間、同じ場所での「習慣」を作る

いったん決めたら、毎日、同じ時間に同じ場所で「意図的な練習」を行う。なぜなら大変なことをするには、「ルーティーン」にまさる手段はないからだ。(中略)毎日同じ時間に同じ場所で練習するのを習慣にすれば、重たい腰を上げなくても、しぜんと練習に取りかかることができる。

第8章より
「これは人の役に立っている」と考える

「やり抜く力」の鉄人が、自分の目指していることには「目的」があると言うとき、そこにはたんなる「意図」よりも、もっと深い意味が込められている。(中略)「目的」という言葉の中心的な概念は、「自分たちのすることは、ほかの人びとにとって重要な意味を持つ」ということになる。

第10章より
自尊心が「自分ならできる」という自信につながる

つらいときもあきらめずに続けられるかどうかは「私ならできる」と思えるかどうかにかかっています。その信念はどこから来るかといえば、自尊心から。自尊心があるのは、それまでの人生で、周りの人たちが自信を持たせてくれたおかげです。

いかがですか? 本書からは地道に物事に取り組み、それを継続することの大切さ、仕事のやりがいの持ち方など、多くのヒントを得られます。この解にたどり着くために地道な活動を続けた著者は、まさに『GRIT』を実践しているといえるのでしょう。

「嫌なことから逃げたいという理由で転職回数を重ねてしまった」「今の仕事にやりがいを見い出せない」など、コンサルティングの場でよくお聞きする言葉です。そのような状況に置かれ、苦しい思いを持つ方には、特に本書を手に取っていただきたいと思います。

やり抜く力 GRIT(グリット)~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~ 出版社:ダイヤモンド社
アンジェラ・ダックワース(著),神崎 朗子(訳)
若張 正道
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント/人材紹介事業推進マネジャー
若張 正道

大学卒業後、大手食品商社の営業部門からキャリアをスタート。人材サービスに関心があったことから、2001年、アクシアム入社。新規事業であるMBAをメインとしたネットリクルーティングサービスの立ち上げに参画。無事にローンチを果たし、その後は人材紹介事業推進マネジャー 兼 エグゼクティブ・コンサルタントとして、ハイエンド人材の展望ある転職=「展職」を支援している。

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