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2017年8月

一流の本質 ~20人の星を獲ったシェフたちの仕事論~
クックビズ株式会社Foodion (編著)

本書は、ミシュランの星を獲得したシェフ20名の半生がぐっと詰まった良書です。日本の飲食店の数が60万店を超えるなか、2年存続できるのはその約半数。10年続くとなると約1割にまで減ると言われています。

この荒波を乗り越え、店を星付きの一流店にまで導いたシェフ達は、料理の実力・センスはもちろんですが、何より経営力、リーダーシップ、マネジメントスキルを併せ持つ“一流のプロフェッショナル”と言えます。そんな経営者としての才能を持つ一流シェフの語る言葉だからこそ、読み手の私たちは、年齢、立場を問わず心に響くフレーズに出会うことができます。

私のなかに響いてきた言葉を幾つかご紹介します。

●カンテサンス 岸田 周三氏 (フレンチ)
答えが見つかるまでには時間がかかることもあるし、すぐ思いつくこともありますが、課題を自分の中に持っておくことこそが大切。すると、誰かの話を聞いた時に、「それってヒントになるかも」とつながることがあるんです。常に課題を持ち、その答えを探し続ける。そういう日々の積み重ねでしか僕たちは成長できません。日々の努力がものをいう世界です。

●日本料理 柏屋 松尾 英明氏 (和食)
仕事は、目標が見えないまま闇雲に試すのはありえない、ということです。たとえば、若い子に簡単な親子丼をつくりなさいと言うと、手順通りに、タマネギを剥いて、切って、出汁を合わせて、卵を溶いて、と進める。すると、卵はぼそぼそ、鶏も固い。当然です。行き当たりばったりで、ゴールが見えない仕事をしているから。ほわぁっと湯気が立って、鶏もぷりっとして、卵も半熟のところがあって……その完成形をイメージできていたら、そこに至るまでの、鶏の包丁の入れ方や卵を入れるタイミングを綿密に計画できる。料理に限らずどんな物事もそうです。

●麻布かどわき 門脇 俊哉氏 (和食)
スタッフには、自分の考えを理解してもらうことがなにより大切です。調理場が3、4人ならひとりひとりと話すことが必要でしょうし、10人を超える規模なら、いかに二番手、三番手に自分の考えを理解してもらい、共鳴してもらうか。それさえできれば、大きなホテルのような30人、40人規模の調理場であっても問題なくまわしていけると思います。

●KEISUKE MATSUSHIMA 松嶋 啓介氏 (フレンチ)
僕が目指すのは、常にイノベーター(革新者)であること。他の店と同じことをするのではなく、誰もやらなかったようなことを追求する。前述の通り、僕は競争が嫌いで、唯一であり、モノポリー(独占)な存在でいたい。そして、その活動の先に、社会が良くなっていくようなことが実現できれば、なおいい。

●老松喜多川 喜多川 達 (和食)
僕は色々なご縁に恵まれていたと思います。ですが、縁に恵まれなかったら成功できないというのは、言い訳やと思います。出会いを求めれば出会えますし、既に出会えていたことに気づくと思う。まずは、自分が周りの人たちに感謝しているかどうか。そこから、運や縁は生まれてくる。“運がない”と言う人は、人のせいにしているところも大きいんじゃないでしょうか。

上記の他にも、お店を経営しながら60代でMBAを取得後、新ビジネスに取り組む日本料理家や、脱サラからのキャリアチェンジで飲食経営者へ転身した方、終身雇用を取り入れていきたいと語るシェフなど、興味深い内容で溢れています。

そして何より普通のビジネス書とは違い、お店の予約を取ることができれば、ご自身の目でシェフの言葉の真意を確認いただくことができるのです。その過程を想像するだけで、ワクワクしてきませんか?

少しでも興味をお持ちいただけたようであれば、本書を手に取っていただければ幸いです。

一流の本質 ~20人の星を獲ったシェフたちの仕事論~ 出版社:大和書房
クックビズ株式会社Foodion (編著)
白木 晶子
株式会社アクシアム
 アソシエイト

東証一部上場IT企業、美術関連企業にて社長秘書業務を経験した後、キャリアの可能性を広げるキャリアコンサルタントに興味を持ち、2015年アクシアムに参画。キャンディデイトの"展職"実現に向けた各種サポート支援、リサーチを行っている。

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