転職コラム注目企業インタビュー

TISビジネスコンサルタンツ株式会社2015.04.17

TISビジネスコンサルタンツは、システムインテグレータ大手、TISの直接子会社として2013年に設立された戦略コンサルティング事業をおこなうコンサルティング会社です。TISという強力な後ろ盾を持ちつつ、戦略系コンサルティングを掲げて独立したTISビジネスコンサルタンツとは、どのようなコンサルタント集団なのでしょうか。そして、今後のビジネス展開をどのように考えているのでしょうか。同社のマネイジングディレクター、吉田博人氏にお話をうかがいました。
(インタビュアー アクシアム 伊藤 嘉浩) [掲載日:2015/7/9]

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

あらゆる経営課題に取り組み、IT以外においてもTISグループの価値を最大化する

伊藤

TISビジネスコンサルタンツは、どんな会社ですか?

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

吉田氏

2013年に戦略コンサルティング事業を専門にやっていくことを目的に、大手システムインテグレータTISの直接子会社として設立されたコンサルティングファームです。社員数はまだ15名ほどで、ほとんどベンチャー企業のような会社ですが、まずは3年以内に30名規模への成長を目指しています。顧客の価値を最大化するために、TISでは対応できていなかったIT以外の全ての経営課題にコミットし、経営者の問いに答えられるコンサルタント集団でありたいと考えています。

伊藤

TISのグループ企業ということで、IT関連の案件を中心に扱っている、というわけではないのですか?

吉田氏

違います。ITコンサルそのものは、TIS本体の方で行います。弊社の「創業の主旨」は、「TISで対応できないIT以外の課題について、私どもがコンサルティングすることによって、グループとしてお客様のビジネスパートナーとなること」となっていますので、IT分野以外でお客様への価値創造を行うことを念頭に活動しています。

伊藤

貴社の強みはどんなところにありますか?

吉田氏

最大の強みは、大手システムインテグレータTISのグループ企業ということで、長年蓄積された顧客基盤と信頼、そして資金力があるため、比較的中長期に渡って、お客様とじっくりとお付き合いすることができるという点です。そのため、短期的なプロジェクト型のコンサルティングだけではなく、継続的なお付き合いの中で、折々に生じる経営上の様々な困りごとについて対応していく顧問契約型や、将来的な展開を見すえた成功報酬型のコンサルティングなども行っていくことができるのです。

顧客となる企業の規模も、一般的な大手コンサルティングファームがターゲットとしている大企業のみならず、売上高1000億程度の中堅企業から、ベンチャー企業まで様々。M&AのコーディネーションやIPO前の上場支援なども含め、様々な案件を手がけています。今後日本を元気にしてくれそうな企業の経営者の方々と、長期に渡ってじっくりと関わっていくことができるというのは、コンサルタントとして仕事の醍醐味が味わえるところでもあります。また、最近ではITで長くお付き合いをさせていただいているTISのお客様から経営に関するご相談をいただくことも増えてきており、TISの顧客ネットワークを活用できる、というところもグループ企業である強みだと感じています。

伊藤

TISのグループ会社ということで、ITを絡めなくてはならないということはないのでしょうか?

吉田氏

全くありません。我々はビジネスコンサルタントに徹し、あくまでもお客様にとっての「価値創造」「付加価値を作る」、ということにフォーカスしています。とはいえ、今の時代、企業の付加価値向上において、即ち、マーケティングや業務効率化、オペレーション強化、意思決定支援…どんな場面においても、ITが絡まないことはありえません。そういう意味ではTISと連携できるというのは、大きなアドバンテージになると考えています。

ミッドティアの日本企業を応援したい

伊藤

吉田様は外資系大手コンサルティング会社に長くいらしたという経歴をお持ちですが、なぜTISビジネスコンサルタンツを選ばれたのでしょうか?

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

吉田氏

私は、今の日本において、数百億~数千億規模のミッドティアの企業が非常に元気だと思っています。しかしながら、大手コンサルティングファームはどうしても大手企業をターゲットとしているので、なかなかそちらへ踏み込むことができず、大きなポテンシャルを秘めているミッドティアの企業は、大企業が受けているような質の高いコンサルティングを受けることができません。そこで、大企業が受けているオーダーメードのコンサルティングを提供するのは難しくとも、ミッドティアの企業に、セミオーダーのような形で、良心的なプライスでしっかりとした戦略コンサルティングが提供できたら、日本はもっと元気になりますし、まだまだ成長していけるのに…と思っていたのが、弊社を選んだ理由の1つです。そして今、様々な企業からお声がけいただくようになり、そうした需要の高まりをひしひしと感じているところです。

伊藤

戦略系コンサルティングファームとして、特に力を入れていきたい分野というのはありますか。

吉田氏

最近大きなニーズを感じているのが組織・人事分野です。というのも、日本では、人事面のスペシャリストであるCHO人材が圧倒的に不足しているからです。

ベンチャー企業の成長プロセスを例にお話しましょう。多くのベンチャー企業では、核となる技術を開発したCTOやユニークなビジネスモデルを持つCMOといった人が経営者となり起業するケースがほとんどです。ここに財務面の業務執行を行う優秀なCFOが加われば、企業として成長することができます。しかし、次の規模を拡大させていく段階に入ると、今度は組織体制や人事制度を整えていくスペシャリストであるCHOが必要になります。日本では、起業時に財務面のサポートをするCFO人材は金融機関などの人材も含め、比較的多くいますが、企業規模を拡大させ、持続的成長の後押しをするための戦略的人事が行えるCHO人材はほとんどいません。そのため、いい人材を採用し、長く活躍してもらえるようリテンションを計っていくような人事分野のコンサルティング需要は、業種を問わず、非常に多いと感じています。

実際、我々のところにも、特に人材が流動的なベンチャー企業を中心に、戦略的人事の支援をしてほしい、といった依頼がいくつも来ています。

伊藤

CHOという言葉も徐々に浸透してきていはいますが、まだ一般的ではありませんね。

吉田氏

日本企業では、「人事」という言葉が、給与計算や労務管理など、どこか「守り」のイメージで捉えられがちなのですが、人材の流動性が高まる中、企業の経営戦略を理解した上で、組織・人事の戦略に翻訳し、それに基づき、「攻めて」いくための組織づくりや制度設計、パフォーマンス向上施策などが求められているように思います。

経営を俯瞰して、最適解を出せる経営コンサルタントが理想

伊藤

吉田さんは今後、TISビジネスコンサルタンツをどのようなコンサルティングファームにしていきたい、とお考えですか?

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

吉田氏

私はTISビジネスコンサルタンツを「“経営コンサルタント”が集まっているコンサルティング会社にしていきたい」と考えています。というのも、今、コンサルティング業界ではあらゆる分野が細分化され、「アナリティクス専門」「M&A専門」など、分野別のスペシャリストは多くいますが、経営全般についてバランスよく語れる「経営コンサルタント」は少なくなっていると感じているからです。コンサルタント業務の複雑化、専門化が進む中、全般的に経営を見ることができる「経営のスペシャリスト」たる「経営コンサルタント」が集まっているコンサルティング会社というのは、当たり前のようで、なかなかないのが現状です。

伊藤

具体的に、どのようなスタイルのコンサルティングを理想としていますか?

吉田氏

私は熟練者が経営者に経営指南する、いわゆる“グレイヘア”のコンサルタントというのも素晴らしいと思っているのですが、そこにMBAで学んだようなアカデミックな背景を持ったコンサルタントがいてもいいのではないか、と考えています。成長過程にいる企業に、本格的な戦略コンサルティングを提供することで、その成長をぐっと押し上げていくような仕事をしていきたいです。

実際、ミッドティアの企業やベンチャー企業の経営者の方々とお話しすると、様々な経営課題について何でも相談ができる経営コンサルタントに対するニーズは高いと感じます。週に1度訪問し、様々な経営上のアドバイスをする顧問契約といったスタイルが成り立っているのもそのためです。

伊藤

では、貴社が求めるのはどんな人材ですか?

吉田氏

好奇心旺盛な人がいいですね。経営全般のわかる経営コンサルタントを目指すためには、様々な業界の様々な領域の仕事経験を積む必要があります。その点、弊社では、ある時は大手企業の業務改革など一分野を深掘りする経験をし、またある時はベンチャー企業の経営者と一緒に意思決定をしていく経験をするなど、多様なコンサルティング業務を経験することができます。ですので、好奇心旺盛に新しいことにどんどん挑戦していく中で、強みを探っていこう、というような成長意欲の高い人に来ていただきたいです。

私自身、コンサルティング業界に13年いて、製造、小売、化学といった分野をやってきましたが、この会社に入って初めて金融業界にチャレンジしています。いざ飛び込んでみると、金融業界の人にはないマーケティング視点を持っているなど、他業界でやってきた経験がむしろ強みになっていると感じています。

伊藤

多くの業界、領域の仕事経験を重ねられるという点は魅力的ですが、未経験の仕事に次々と挑戦するのはなかなかハードルが高いのではないでしょうか?

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

吉田氏

確かにその通りです。でも、軸を変えずに経験の幅を広げていけば、難しいことではありません。業務領域を変えずに別の業界を見てみる、次は同じ業界で営業、生産、開発、事業戦略…など他の領域を見てみる、など、業界または領域どちらかを軸にして少しずつずらしていくのです。すると、それぞれの違いが分かるようになり、そうした経験を重ねていくことで、やがて企業の全体像が捉えられるようになり、経営全般を理解することができるようになります。

もちろん、ある程度の年齢になれば、専門分野を絞り込むことも必要です。しかし、若手、中堅のうちはいろいろな経験を積み、オールラウンダーとして広い視野を身に着けた後で専門分野を見つけていく、ということがコンサルタントとして成長する上で大切なのではないでしょうか。そうした意味でも、弊社にはいい経験を重ねていける環境があると思います。

コンサルタントに欠かせない2つのスキルとは

伊藤

吉田さんが考える、コンサルタントとして必要なスキルとはなんでしょうか?

吉田氏

「本質を見抜く力」と「喩える力」ですね。英語でいうと「インプリケーション」と「メタファ」ですが、私はこの2つがとても大切だと考えているのです。世の中で、全く同じことが2回起こることはありません。しかしながら、ものごとの本質を突き詰めていくと「この事象は、実はあの事象に近いかもしれない」といったことが多々あります。コンサルタントは、考えに考え抜いた上で見極めた「ものごとの本質」を、経営者に対して、比喩を使って分かりやすく説明する必要があります。

伊藤

なぜ、経営者に対して比喩を使って説明する必要があるのでしょうか?

吉田氏

コンサルタントは単に経営者を説得するだけでなく、経営者を動かす必要があるからです。パワーポイントを何十枚も用意して経営者に「分析結果によりこうなります」と説明しても、なかなか納得してもらうことはできません。それよりも、今起きている事の本質を、歴史上のできごとに重ね合わせたり、他の業界で過去に起きた事例になぞらえたりして分かりやすく伝える方が、経営者にとっては腑に落ちやすく、行動につながりやすいのです。さらに言うと、経営者は社員を言葉で動かす必要があります。そのためにも、コンサルタントが語る言葉は人を動かすものでなくてはならないのです。

伊藤

なるほど。ですが、「喩える力」はどのように養えば良いのでしょうか。

吉田氏

本質を、経営者の心に響く的確な喩えで語るために、コンサルタントは遊ばないとダメだと思っています。たとえば、野球好きなお客様だったら、「昨年のプロ野球の最終戦では、監督がこんな判断をしたせいで、理想的な結果になりましたよね」といった比喩が一番伝わりやすいかもしれません。しかし、こうした能力は会社にいて仕事をするだけでは、身につきません。お店に行ったり、本を読んだり、人と会ったりする中で、マーケット感覚を磨き、世の中の人はなにを考えているのかを知り、人間の幅を広げることもコンサルタントとして大切なことだと考えています。

好奇心旺盛な若手求む!

伊藤

貴社に採用された場合、具体的にはどのようなキャリアの可能性があるでしょうか?

TISビジネスコンサルタンツ株式会社

吉田氏

様々な業界、領域の仕事を経験できるので、短期間で大きく成長することができます。社員数がまだ少ないこともあり、グローバル戦略コンサルティングファームで多くの経験を積んだマネジャーや、ディレクターと直接ディスカッションをして業務に当たれる環境は、若手、中堅の方にとって非常に大きな自己成長の場であることは間違いありません。ベンチャー企業的な部分もあり、チャレンジ精神旺盛な若手の方にとって、会社の成長と自身の成長がシンクロするプロセスは、手ごたえが大きいのではないでしょうか。また、ミッドティア、あるいはベンチャー企業のトップと、長い時間をかけて戦略を考え、意思決定に関わり、一緒にビジネスを大きくしていくような経験を積むことができるのも、コンサルタントとして大きなやりがいを感じるところだと思います。

伊藤

多くの経験を重ねて成長していきたい、という意欲を持った若手にとっては、理想的な環境ですね。

吉田氏

そう思います。ただ勘違いしていただきたくないのは、戦略立案など、大きくて一見、やりがいのありそうな仕事ばかりではなく、現場の業務改革など、細かく地道で泥臭い仕事も多々あるということです。私は常々、「コンサルタントは、経営という視座の高さと現場の生々しさの両方を持たなければならない」と感じています。経営者の「鷹の目」と現場の「蟻の目」を持ち、それを瞬時に切り替えられる力を持って初めて経営者から信頼され、現場からも認められるコンサルタントになることができるのです。

弊社では、そうした現場の生々しさを知る経験も含めて、「経営修行」を積むことができます。「なんでもやってみたい」という好奇心旺盛な方、お待ちしています!

※当記事でご紹介している内容は、ご登場頂きました方の所属・役職を含め、掲載当時のものです。

Profile

吉田 博人(よしだ ひろひと) 氏

マネイジングディレクター

外資系戦略コンサルティングファームでの11年の経験に加え、国際ブランドのブランドマネジャー及び日本代表、国内ベンチャー企業の立ち上げなどの実業を経て、2013年より現職。

コンサルティングにおいては、主に消費財及び製造業における、経営戦略、マーケティング、営業、サプライチェーン等の幅広い領域で戦略策定から実行支援までを実施。