転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第7回 
2005.10.27

年齢について vol.1…物差しのズレ

コップに半分入っている水を見て「まだ半分ある」と思うか、「もう半分しかない」と思うか、貴方はどちらですか?

何事においても気持ちの持ち方というのは重要ですが、キャリアや転職を考える際の『年齢』に関してはどうでしょうか。

多くの方のキャリア相談をしていると、『年齢』に関する考え方、スケールが人によってかなり違うと感じます。

「営業一筋で15年。交渉力やプレゼンテーション力には自信があるし、人脈もある。今からMBAでファイナンスを学び、M&Aなどの金融ビジネスに入っていきたいが可能か」とご相談にいらっしゃる方がいる一方で、26歳で「経理を3年間やってきたが本当は営業やマーケティングなど顧客と直接接する仕事がしたい。中途採用では経験がないと難しいと聞くが、今から経験のない営業職に転職するのは無理か?」とご相談に来られる方もいらっしゃいます。

前者Aさんのケースであれば、ご本人からすると「まだ30代。MBAを取得しキャリアチェンジをするのに遅くない」とお考えなのでしょうが、キャリアコンサルタントの目で見ると、Jリーガーが30歳になってプロ野球に行きたい、と言っているように聞こえます。

確かに運動能力の点では可能性がないとは言い切れないですし、目指すことが悪いのではないのですが、現実的にはかなり厳しいといえます。(中にはそれを承知でチャレンジし、成し遂げてしまうすごい方もいます。どの世界にもそのような方はいるものです。)

後者Bさんのケースでは、キャリアコンサルタントから見れば「まだ26歳。これからの取り組み次第でいくらでも可能」と感じます。だた、ご本人は「もう26歳。今からでは難しいのでは?」と不安をお持ちなのでしょう。

このような物差しのズレは何に起因するのでしょうか?多くの要因は「自身を取り巻く環境」と「入ってくる情報」にあると推察できます。

次週、このように人によって様々な『年齢』に関する認識のズレについて、さらに考えていきたいと思います。