転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第8回 
2005.11.04

年齢について vol.2…あなたの人生の時計は今、何時ですか?

よく“自分の年齢を3で割った数字が、人生を一日に例えたときの今の時間だ”などといわれます。これに当てはめると27歳は朝の9時、36歳は正午、45歳は午後の3時ということになりますね。一日に例えると、年齢はかなりリアルに感じることができます。

あなたの時計は今、何時でしょうか?

そして、これからどこに行きたいですか?

さて、ここからが本題です。

前回、新しい資格を取得しキャリアチェンジを目指す30代のAさん、未経験職種への転職が可能かどうか不安を持つ26歳のBさん…おふたりを例にとり、『年齢』に関する物差しのズレについてふれましたが、今回は、転職(特にキャリアチェンジ)を考えるときの『情報収集』と『時間(年齢)の感覚』の重要性ついて考えてみたいと思います。

例えば、プロ野球選手を例に取ると、「プロ野球選手になるには小さい頃から野球をやっていて、遅くとも高校の頃には明確にプロを目指さないと間に合わない」とたいていの方は理解しています。これは「プロ野球選手として活躍している人は、甲子園で活躍するか大学や社会人野球で活躍している」という情報を日常生活の中で得ているからであり、それをもとに現実的な『時間(年齢)の感覚』が持てているからでしょう。

では、一般的なキャリアではどうでしょうか。

実際には、業種や職種によって時間(年齢)の物差しは大きく変わるのですが、ひとくくりに「35歳までなら転職可能、それ以降は難しい」という認識しかない方が多いのではないかと感じます。

転職を希望する職種について、「活躍している方がどんな経験・知識を持ち、何歳ぐらいでどんな仕事をするのか。そしてどんなキャリアパスがありえるのか」を知っているという人は少ないようです。結果的に、野球の経験のない方が20歳を過ぎてプロ野球選手を目指すというようなことが起こってしまいます。

本稿でお伝えしたかったのは、「転職やキャリアチェンジは若くないと無理」という話ではなく、『正確な情報を得ること』『時間(年齢)の感覚を持つこと』が重要であり、これを踏まえた『現実的なプランを作ること』が大切であるという話です。

実際、35歳を過ぎてキャリアチェンジに成功する方は多くいらっしゃいます。ただ、その多くの場合、しっかりとした情報をもとにした実現可能な目論見を持った上でのことです。

富士山を登るなら、どんなルートがあり、そしてどれくらいの時間がかかるのかを調べますよね。この時間の感覚というのが大切です。

キャリアの設計、転職の検討においても、同じこと。『しっかりとした情報収集』と『妥当な年齢(時間)の感覚を持つ』ことが、成功のコツです。

『まだ、●●時。××に行くのに十分間に合う!』そんな、時間を意識した実現可能なキャリアプランを作っていただきたいと思います。