転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第15回 
2005.12.22

変化を続けるジョブ・マーケット

早いもので、これが今年最後のコラムとなりました。

最後を締めくくるにあたっては、今年一年を振り返ってみて、いくつか感じたことをまとめて見たいと思います。

【求人サイドの変化について】

  • 公募型求人、スカウト型求人ともに数は前年比約2倍に激増。
  • 企業にとって優秀な人材の獲得競争が熾烈になる。特に28~35歳くらいのリーダー層の不足が深刻化している。
  • スカウト型求人では、投資サイド(PEやVC)からの経営者の求人、経営者からのパートナーを探したいという求人、外資系コングロマリットの戦略新規事業開発ディレクターの求人など、マネジメント(経営者)クラスの求人が多く出始めている。
  • それに伴い、より早く人材を確保するために、採用企業の選考プロセスがスピードアップした。
  • 優秀な方への複数オファーの集中がさらに進んだ。
  • テクノロジー等の優位性を持った優良ベンチャー企業が増加。
  • 数年前から始まった、日系大手企業等の「経営幹部候補生採用」にかげりが見え始めた印象。(外資系大手以外はあまりうまくいっていない模様)

 

【個人の皆さまの変化について】

  • 起業をする方が、また増えつつある。
  • 戦略コンサルタントの人気が下火になっている。
  • 35~45歳の年齢層の人材がスカウト型求人に応じて、転職市場に多く出始めている。
  • 30代~40代前半の人材の二極化が明確になり始めている。「マネジメント(経営)能力のある方、意思決定能力のある方」と「リスクが取れない方」が別れ、前者にスカウトが集中し始めている。
  • ベンチャーでの経験を買われ、大企業のマネージャークラスにスカウトされて動く方が出てきた。

 

以上、全体としては日本の景気の回復傾向に下支えされた求人の増加と、個人の方々のキャリアに対する意識の変化とが合わさり、優秀な人材・マネジメントクラスの人材の流動化が、確実な流れとしてでき始めているという印象です。

とはいえ、ジョブ・マーケット全体としては、まだまだ優秀な方が足りずに困っているという「人材の枯渇感」が高い状況にあります。その点「展望をかなえるための転職」は今がチャンスかもしれません。

私見ですが、もっと多くの優秀な方が、大企業で埋もれずにこれらの優良企業、成長ベンチャー企業に展職し活躍されれば、日本の経済もまだまだ活性化するだろうと心から思います。

では、来年も皆さまにとって良い年となりますように!