転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第28回 
2006.04.13

M&A関連の求人ニーズ

先日、M&A(企業の合併・買収)をする側とされる側の、両方の経験をされた方にお会いしました。インターネット関連の比較的メジャーなベンチャー企業に勤務されている方で、とても貴重な経験をされていらっしゃるようでした。

某企業の買収後、取締役としてその会社の経営に携わられていましたが、振り返ると、買収をするまでよりもむしろ、買収後の組織統合やシナジーを起こすための具体的なオペレーションにご苦労されたようで、それは買収を企画し、まとめるまでのご経験と同等以上に貴重なものになっているようでした。

その後、本体に戻られているのですが、今度は他の企業に買収(売却)をされることとなり、現在はまったく逆の立場で相乗効果の発揮を目指し、業務に取り組んでいらっしゃいます。

監査法人トーマツ系のトーマツコンサルティングが昨年9~11月に『M&Aを経験した企業104社の役員や担当部長』などを対象として実施したアンケート調査によると、自ら経験したM&Aを成功と考える日本企業は一割どまりであるとのこと。背景には「シナジー(相乗)効果の把握が難しい」ということがあるそうです。

また、M&A仲介のレコフの調べによると、2005年度の日本企業によるM&Aは件数、金額(発表ベース)とも2年連続で(件数は3年連続で)過去最高を更新したそうです。件数は前年度比24%増の2841件、金額は同2%増の13兆4782億円。企業の成長戦略においてM&Aが重要且つ一般的な選択肢となりつつあることが浮き彫りになってきています。

M&Aに関連する求人案件は、現在、確実に増加をしています。投資銀行、プライベート・エクイティ、ファイナンシャル・アドバイザリー、M&A仲介などの各企業にて、関連業務の経験者を中心とした採用が活発化しています。また、事業会社の経営企画や財務部門での求人でも、M&A企画担当者や責任者を求めるものが増え始めています。

しかしながら、これらの求人はいずれもM&Aを実施する(話をまとめる)までに関わるものであり、M&A実施後の統合マネジメントに関わるものではありません。(もちろん企画の段階でシナジーを生み出すプランは作られていますが…)

M&Aが一般的なものとなり件数も増加してはいますが、そのすべてが成功しているわけではない現状を考えると、今後は真にM&Aを成功に導くための統合のマネジメントがもう一つの大きな課題となってくると予測されます。

M&Aに関連する求人も、統合後のマネジメントに関連するものが増えるのではないでしょうか?

すでに人事コンサルティングの分野では、統合後の組織文化の融合・創造支援やチェンジ・マネジメントのコンサルタントの求人が出てきています。

今後のキャリア展開のご参考に。