転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第29回 
2006.04.20

社長の年収 サラリーマンの年収

先月、厚生労働省の定例調査である「賃金構造基本統計調査(平成17年)」の結果が発表されました。

これは、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性別、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別に明らかにすることを目的として実施されている調査です。

この調査結果および厚生労働省のその他の統計データ(賞与額等の調査データ)から算定すると、大企業(従業員1,000名以上)に勤務する大卒ビジネスマンの平均年収は約770万円になります。

弊社で受託している求人企業の例から推定すると、大手製造業では、30代前半の係長クラスで700-800万円程度(残業代や賞与を含む)、30代後半から40代前半の課長クラスで1,000-1,100万円前後、40代後半から50代の部長クラスで1,200-1,300万円前後というところでしょうか。

では、社長や取締役の報酬はどれくらいなのでしょう?

大手企業のサラリーマン社長とオーナー系社長、ITベンチャーなどの新興企業の社長では、その内容・金額に大きな差が見られます。

大手上場企業については、個別の役員報酬を開示していないところでも、有価証券報告書などの決算開示データから推定ができます。役員報酬や賞与総額を取締役の人数で割って試算が可能です。取締役の平均で見ると、商社などの多いところでは7,000万円以上、業績不振にあえぐ企業では2,000万円未満というところもあり、格差が存在します。

一方、ベンチャーなどの新興企業の取締役を見ると、意外なことに役員報酬としての金額は低く、皆さんがご存知の著名ITベンチャーでも1,000-1,200万円程度だったりします。役員の平均で2,000万円を上回るところは少ないようです。

しかしながらベンチャーの取締役は、ストックオプションや自社株の配当、保有株の売却による収入が大きく、結果としては大手上場企業の役員報酬を上回る収入を得ているケースがしばしばあります。

弊社が受託するベンチャーのCOOやCFOの求人でも、1200-1500万円の報酬にストックオプションという条件を想定することが多いです。

大手企業を飛び出してベンチャーに飛び込み、経営者を目指す方は、大企業の役員になって数年間高報酬を得ることより、ベンチャーを自らの力で成功に導き、より多くの収入を得るほうが実現可能性が高い、もしくは生涯収入という点で大きく上回ると考えるようです。

金銭的報酬のためだけに仕事をするのではないことは明らかですが、より多く収入を得たいと思うのも自然な欲求です。「平均的な収入で満足するか、より高い報酬を求めるか」「短期で考えるか、長期で考えるか」「リスクをとるか、取らないか」・・・。まさに投資ですね。

皆さんは報酬についてどのようにお考えでしょうか?

なお昨年の記事ですが、雑誌「プレジデント 2005.12.5号」(プレジデント社)の特別増大号「全公開!日本人の給料」には、たいへんよくまとまったデータが出ていましたので、ご興味のある方は参照してみてください。