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転職コラムコンサルティングの現場から
メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。
コンサルティングの現場から 第41回 2006.07.27
直感 心の声 vol.1
オークション&ショッピングサイトの『ビッターズ』を運営する株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場社長が、手数料の値下げを決断されたときの話をどこかの記事で読んだことがあります。
その内容がとても印象的だったので覚えているのですが、ライバルであるヤフー・オークションが手数料の有料化を打ち出した際に、ビッターズは手数料を下げるのか、下げずに会社の財務体質を良くするのかという選択肢で悩まれ、かなりの時間をかけ分析を行ったのだとか。
最終的に値下げの選択肢を取られたのですが、それは論理的な判断というよりも「そちらの方がうまくいきそう」というある種の直感に従った結果だ、という内容でした。なんでも、「そのほうが社内が活気づき、よい結果となる」と感じたそうです。
『ロジカルな思考』の代表格でもある戦略コンサルティング、マッキンゼー出身の経営者でも、時として「論理的な判断」ではなく、「直感」を重視するということに強い興味を持ちます。
ジャック・ウェルチ氏も同じく、「直感」はビジネスにおいておおむねよい役割を果たすというようなことを言っています。「直感」は、実はただのパターン認識であり、無意識レベルから来る「経験に基づく悟りのようなもの」であると。
「すぐやるべき」「絶対にやるな」などの示唆、あるいは「どこか腑に落ちない」という感覚など、心の声とも言うべきその「直感」に耳を傾けることはとても大切であり、特に「どこか腑に落ちない」と感じたときは、その正体を突き止めるべきだと説いています。
ただ、ジャック・ウェルチ氏は、採用(人を選ぶ際)においては「直感」はさほど助けにならないとも言っています。人を採用する際に直感に頼りすぎると早すぎる段階で候補者に惚れ込んでしまい、判断が狂ってしまうことがあるのだそうです。
素晴らしいレジュメ(経歴書)に目を奪われ、面接での素晴らしい話をする候補者に心を奪われすぎて目が曇り、判断を誤ることのないよう、直感を疑ってダブルチェックを怠らないこと。そして自分の部下にもチェックさせたり、リファレンスを取ることなどを推奨しています。
われわれコンサルタントも、優秀な採用責任者(人事責任者のみならず、社長や当該部門責任者など、その採用の最終意思決定者)は、この原則を守っていると感じます。
翻って、転職をする側の立場で考えてみると、この話は二つの点で大きな示唆を与えていると思います。
ちょっと長くなりそうなので、続きは次回。「直感」について、転職をする側の立場で考えてみたいと思います。