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キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第181回 
Published:2018-03-01

希望どおりのオファーを手にして、上司に退職意思を表明。けれど家族の反対にあい…

ある日系大手メーカーに勤める29歳です。現職に不満はないものの、もともと興味をもっていた異業種でのキャリアがあきらめきれず、転職を決意。幸い、転職活動を始めるとトントン拍子に話が進み、希望どおりの業界のベンチャー企業からすぐに口頭にてオファーをいただくことができました。そこで、その企業へ入社の意思を伝え、現職の上司にも退職の意向を伝えてオファーレターにサインしようとした矢先…家族からの反対にあってしまいました。

以前から家族には「チャンスがあれば○○業界へ移りたい」と話しており、「やりたい仕事をしてほしい」「夢は実現すべき」などの言葉が返ってきていたため、てっきり応援してくれるものと思っていました。家族の反対の理由としては、ベンチャー企業であることと、月収が下がってしまうことが主なものでした。

転職先企業が将来有望な事業を行っていることを繰り返し説明しましたが、結局気持ちを変えることができず、泣く泣く辞退することに。現職の上司には事情を伝えて退職を撤回することを理解してもらいましたが、気まずい中で働き続けることにもなってしまいました。いまさらですが、今回の転職活動では、何がまずかったのでしょうか? 何か打つべき手があったのでしょうか?


Answer

オファーレターを手にされながら、転職を断念されたとのこと。さぞ辛いお気持ちであるとお察しします。本当に残念でしたが、つぎのチャンスを逃さぬためにも、今回の失敗(きつい言葉になってしまいますが、あえて“失敗”と書かせていただきます)の原因を一緒に探ってまいりましょう。

あくまでご相談内容から読み取れる範囲で、にはなりますが、大きく2つの原因があったと思われます。

(1)思い込み

転職活動を行う際に重要なことのひとつは、ご家族の理解・了承です。たとえ普段の会話の中で転職について肯定的なお話が出ていたとしても、「家族は自分の夢を応援してくれている」「そのために転職することになっても、きっと賛成してくれるだろう」などと都合良く解釈して“思い込む”のは禁物です。

実際に現在の会社を辞めて新たな会社へ移ることが現実味を帯びたとき、どんなに好条件の転職であっても不安は生じるもの。転職されるご本人はもとより、それはご家族も同じです。ましてや今回のように大手からベンチャーへ移る、年収が下がる、といったケースでは特に注意が必要です。早い段階から丁寧に、転職を決意されたお気持ちはもちろん、応募先企業の組織や事業の魅力、将来性などについて話しつづけることは大事です。言葉だけではなくできる範囲で資料をつくり、義理のご両親、ご自身のご両親含めご家族に対しプレゼンテーションをしてご自分の考えをしっかりと伝えること。最終段階で必ず理解を得られるよう、働きかけることが必要です。それでも心(心情的に)が納得できず、理屈ではない感情で抵抗を示されることもしばしばあります。

報酬(月収あるいは年収)については、直近の金額が下がったとしても、会社の成長とともに賃金の大きな上昇カーブが狙える場合にはその点を伝えたり、生涯年収としてトータルでアップサイドを狙えることを伝えたりすることも有効かもしれません。

(2)順序の誤り

転職活動を成功させるためには、守るべき順序があります。まずは、転職することに対してご家族に理解してもらえるよう、コミュニケーションをとりつつ活動を進めておくこと。面接が進み、求人企業からの口頭オファーを手にできたら、ご自身の決意を固めるとともに、ご家族の了承を必ず取り付けること。この点が何よりも優先になります。

求人企業側へは、ご家族の了承が得られてから、入社の意向を伝えるべき。今回は残念ながら、ここで“順序の誤り”がありました。そして、入社の意向を受けて求人企業からの正式なオファーレターが届き、最終的な意思決定(サインをするなど)が済んでから、在籍企業へ退職したい旨を通知するのが基本となります。この点においても、アクションの順番が違ってしまいました。(もちろん、入社期日・退職期日の調整が必要なために、前もって退職の意向を通知するようなケースもありますが。)

お忙しいお仕事の傍らで、業界や企業の研究を行い、ご自身の展望に合致するキャリア機会を見つけ、書類を整え、面接を受ける転職活動。とても多くの時間と労力が必要です。上記のような“思い込み”と“順序の誤り”は、それらを一瞬でふいにしてしまいかねません。何より、「これは!」とご自身が心惹かれたキャリアチャンスを、最後の最後に逃してしまうことにもつながります。これらを軽い問題ととらえず、ぜひ留意して注意深く進めていただければと思います。

最後に、もう一つお伝えします。

ベンチャー企業へ転職した際のリスクを想定して、ぜひ中長期的に計画を立てておくことです。例えば年収。直近の金額では現職より下がる場合が多いことや、仮に事業がうまくいかず離職することになっても、ご家族が安心できる額を貯金しておくということも「展望を実現する」ためには必要な計画かもしれませんね。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。
大石 順子
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント
大石 順子

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。

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