転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第219回
2021.12.09

経営者を支えるコンサル職へ転職したいが、家族へ負担をかけないか心配で…

学生時代に親族の事業倒産を目のあたりにし、「経営者を支えたい」という思いから自分で事業を回す経験をしたく現在の会社に入社しました。以来、事業開発職にて事業を創り、回す経験を積み、PMIに携わるなどの経験も得られ、事業運営の厳しさと楽しさを感じています。ただ、もっと様々な企業の経営全般を見渡したく、戦略コンサルタントとしてやってみたいと思うようになりました。

家族はコンサルタントへのチャレンジに反対ではないのですが、もし転職が叶った場合、家族との時間を確保できるか心配しています。現在育児中であり、ハードワークのコンサルタントは現職以上に家族へ負担をかけてしまうことも想像できるので、躊躇があります。35歳という年齢から、コンサルティング業界に行くならラストチャンスという思いもあり、なかなか決心がつきません。ご助言をいただけると幸いです。

Answer

ご相談の内容から、あなたは恐らくこれまで強い意志を持って判断し、選択をしてキャリアを作ってこられたと感じます。ライフステージに変化があった中でも、事業運営やPMIに関わるなど、ご家族とのかかわりと仕事とのバランスを取りながら乗り越えてこられたようで、戦略思考、判断力、実行力がある方のようにお見受けします。

そのあなたがコンサルティングファームへキャリアを展開することに躊躇されていますので、これまでのご家族の協力は、きっと多大なものであったのでしょう。

結論から申し上げますと、私はまずは戦略コンサルティングファームにチャレンジしてみることをお薦めします。将来後悔することなく納得のいく決断をしていただくためにも、実際にアプライし、進めるところまで進めてみることをご提案したいです。

●コンサルティングファームで得られるメリット
様々な企業の経営課題に直面し、その解決に向けて課題を分析し解決施策を考え、実行に向けて支援していく経験を積めるコンサルティングファームへの展開は、ご年齢的にも良いタイミングだと思います。

コンサルティングファームで得られる知識・経験・スキルは計り知れなく、「事業会社での経験」+「コンサルとしての経験」を武器に、その後、展望の実現に大きく近づきます。さらに、事業会社やベンチャー企業の事業責任者、ファンドの投資先企業のバリューアップなどに関われる可能性もあり、キャリアを展開できる領域が広がります。

現職で事業開発や事業責任者となり、成長に向けて取り組むのもプラスではありますが、その企業での成功は他社での成功に直結するとは限りません。幅広い企業の経営支援に関われるコンサルタントは、その意味でも有効です。

●ワークライフバランスについて
昨今、コンサルティングファーム各社は「働き方改革」に力を入れており、以前に比べると随分働きやすい環境になってきました。コンサルタントのライフステージや個別事情に合わせた、自由度の高い働き方を実現している企業も増えてきています。

例えば、リモートワーク中心の働き方や時短勤務、役職・性別にかかわらず育児休業の取得を推奨するなどです。出産・育休後、コンサルタントとして復職する方も少なくありません。各コンサルティングファームの特徴を研究する時に、どのような働き方の制度があるのか、実際にどのように活用されているのか、ファームにより異なりますので調べてみてください。

とはいえ、プロジェクトの状況や突発的なミーティングなどでワークロードが高くなることはもちろんあります。ご家族のご事情と照らし合わせて考えてみると、参考になるのではないでしょうか。

話が少し先走り過ぎましたが、ラストチャンスと思われているなら尚のこと、まずはチャレンジしてみることです。仮にオファーを手にした時に、躊躇している要因がご家族への負担・時間の確保だとしたら、育児と仕事の両立についてご家庭の体制などを具体的に話し合い、考えたうえで結論を出してもよいのではないでしょうか。

チャレンジする前に悩むより、チャレンジしてオファーを得てから現実をみつつ決断すること。また、リスク回避を考えるより、リスクを乗り越える方法を探ってみることのほうが、後悔がないのではないでしょうか。あなたならできると、私は思います。そしてオファーを手にされた時、改めてご相談できましたら嬉しく思います。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

大石 順子

株式会社アクシアム 
エグゼクティブ・コンサルタント

大石 順子

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。