転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第227回
2023.03.02

不本意な理由ながら、既に転職3回。転職回数は採用の合否に影響しますか?

現在28歳、新卒で入った日系大手企業で3年間勤めた後、コンサルティングファームで1年勤務しました。その後、元々興味のあったスタートアップに転職をしたのですが、半年で業務縮小となってしまったため、別のスタートアップに転職して1年が経過したところです。

いまの会社でも思ったように事業が伸びないことから、再度転職することも視野に入れています。不本意な理由ながら、既に3度の転職をして計4社の経験となっており、次が5社目になります。このような経歴・転職回数というのは、転職活動に影響があるのでしょうか?

Answer

結論から申し上げますと、影響がないとは言い切れません。企業によりますが、気にするところはやはりあります。

「定着性に懸念がある」として、転職回数や在籍期間の短さを理由に、最初の書類選考の段階で不合格とする企業は存在します。そもそも「転職回数は何回まで」「1-2年での転職を繰り返している人は対象としない」といったような社内での基準を設けているところもあります。少し冷たい言い方かもしれませんが、このような場合には、選考が進まなかったとしてもあまり気にしても仕方がないと思います。

書類選考を通過し、面接まで進んだとしても安心はできません。やはり採用側はそれぞれの「転職理由」や「今回なぜ転職を考えているのか」といった点については気にします。どれだけ納得感の高い回答ができるかによって、選考が進むかどうかが変わってきます。

例えば、「ヘッドハントされたので」という理由の場合、優秀であり、これまでのご経験や実績が評価されたということは間違いないのですが、では「なぜ転職するのか?」を考えた際には、うちに来てくれたとしてもヘッドハントされたらまた転職してしまうのではないか、という懸念を採用側に持たれてしまう可能性はあります。ご相談者の場合、前職ではなぜ業務縮小となってしまったのか、現職ではなぜ事業が思うように伸びないのかということに関して、立場にもよると思いますが、転職理由の伝え方によってはご自身の評価を下げることになりかねません。採用側が納得できる理由を、事前にしっかりと準備しておく必要があります。

ただ、本当に今から転職活動をされるのであれば、それよりも重要なのは『今後を見据えたキャリア』について、改めて考えることだと思います。

まず、本当にいま転職をするべきなのか、あるいは現職に留まるべきなのかを検討することです。前述したように、スタートアップの場合、立場によるのですが、1人1人の責任が大きくなる傾向にあるため、事業拡大ができないのはご相談者にも責任があるのではないかと思われる可能性があります。例えば「事業をグロースさせるのには資金がある程度必要であり、その資金調達がうまく行っておらず、どうしても自分一人の力では難しい」などの理由であれば、転職を考える必要もあると思います。しかし、まださまざまな打ち手があるのであれば、現職にとどまって事業をグロースさせることが、将来のマーケットからの評価につながることにもなります。

そもそもどうしてスタートアップにご興味を持たれたのか、何を求めていらっしゃったのか、今後はどうしたいのか、などについて整理をするという意味でも、キャリアコンサルタントとの対話・相談は役に立つと思います。ぜひ一度、個別のコンサルティングを受けてみてください。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)