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「AXIOM 20s Career Talk Live」第4回開催レポート(清川 忠康 氏)2012.06.28
1982年大阪生まれの清川さんのお話は、飾るところがなく、30名近く参加していただいた皆さんのハートにもきっと届いたと思います。今までの日本のベンチャー起業家に多く見られた、悪く言えば、あつかましさ、押し付けがましさ、虚勢、気負いといった、どこか熱血漢のような暑苦しさがあったのですが、清川さんにはそれらがまったく感じられませんでした。
しかし、気合は入っています。清川さんの頭脳の中には、常に考え抜いた選択枝が用意されています。そして考え抜いた選択だからこそ、腹を据えて、行動するのみ。と言い切れるのだと思いました。
私も大阪出身なので良くわかりますが、大阪の高校生と言えば、今でも、まず地元の大学に進学することが多いのですが、清川さんは大阪を離れ慶応義塾大学法学部に進学しました。そのあたりは、他の人と異なる選択を取る起業家の片鱗を垣間見ることができます。しかしその後は、大学時代に1年休学しての米国留学、インディアナ大学大学院への留学、その後の投資銀行への就職、経営コンサルティングへの転職というあたりまでは、選択枝の多い優秀な20代であれば、誰もが考えるキャリアパスだと言えます。
清川さんのお話を伺っていて、スタンフォード大学MBAへの留学は、間違いなく人生の基盤となる価値観を育み、清川さんをさらに大きくしたと思いました。清川さんは、同大学院がベンチャー経営に必要な実践的な理論武装や知識、スキルを与えてくれただけではなく、多くの著名起業家と直接話ができる機会を提供してくれたり、起業家やベンチャーキャピタリストとも人脈を広げることができるなど、起業家を生み出す環境であることを雄弁かつ具体的にお話いただけました。きっと参加者の人達も、なぜスタンフォードなのか、あるいはなぜアメリカのビジネススクールなのか、そこで学べること、得られる機会、受ける影響について理解を深めて頂けたと思います。
清川さんは、スタンフォード大学のサマーインターンシップの期間中でさえ、ヘッジファンド、北京でのSNSビジネス関連のベンチャー企業、スタンフォードの先輩のベンチャー起業経営者のエクゼクティブアシスタントという、3つの経験をされています。その時期においても、まだ起業を目的としていた訳ではなかったそうです。常に自分のキャリアの選択枝を広げながらも、最後まで考え抜く清川さんらしいお話でした。
それが、クラスの一環としていくつかの事業計画書をつくる中で、徐々に、自分の気持ちに向き合う機会が増え、ついには、3.11東日本大震災があり、起業する決心と気持ちが固まったそうです。逆にその後、事業プランはさらに練りこまれ、共同経営者との合宿や福井鯖江への現地生産者との打ち合わせを通じて、現実的な選択肢、解となっていったそうです。心が決まってからも、行動しながらも、盲目的にならず、願望を追いかけず、現実的な人生の目論見と、自ら起業家として事業の目論見としていったことになります。そんな清川さんは「起業したが、大きなリスクをとっているわけではない。」と言い切ります。「32歳までは、いろいろな選択肢があり、もっと年配になってからの起業のほうがリスクが高い。」と仰っていましたが、その点は、私も賛同します。
起業の過程や、Oh My Glassesのビジネスプランについても、オフレコ情報満載の講演でした。
今日、参加してもらった方々は、まさに清川さんと年齢は前後5年とは離れていない同世代の人達ばかりでした。ポストバブル世代は、今の30代後半以上の世代とは、明らかに違うと改めて思いました。世界と戦える人は、清川さんのように取捨選択することができる世代なのだとの思いを強く持ちました。
清川さんのお話を聞いていて、同じく、震災を機に起業した楽天の三木谷さんが、起業した当時の話にも通じるところがあると思いました。当時、Eコマースを始めた楽天に勝算があると見なした人は、本当に少なかったのです。MBA、戦略コンサルの先輩達は、どちらかといえば否定的で、MBA保有者ですら、常識的な判断しかできませんでした。
今回、清川さんがメガネをネットで販売するというだけでは、うまくいかないと思う人も沢山いるはずです。しかしながら、清川さんが本気で思っておられることは、「日本経済を冷静かつ合理的に見れば、再生ではなく、やはりイノベーションが必要だ。」ということでした。これをきき、創業当時、まだ社員数数名のころの三木谷さんが、「日本では、大企業の改革、再生ではなく、新規価値の創造、大きなベンチャーを生み出す必要がある。自分が成功すれば、きっと次の世代の若い人たちがもっと起業してくれる。」と仰っていた事を思い出しました。
参加者の中には将来起業したいという方が10名以上おられた事からも、日本の未来は明るいと感じました。
QUICK Question
人生最後の食事は何を食べたいですか?
(答)家族と一緒に食べられれば、何であれ、良いと思っている。 家族は一番大事なコミュニティーだと思う。
未来を明るくするにはどうすれば良いと思いますか?
(答)やりたい理由があること、夢があれば、未来は明るくなると思う。人それぞれ好きなことは違うだろうが、大事なことは、夢をもってやろうとすることだ。
もし今、20代なら、MBAに留学しますか?
(答)今年30歳になったばかりですが、これから先でも、また留学したいと思う。大学時代の1年間の留学、インディアナ大学大学院への留学、スタンフォードビジネススクールへの留学と3度も留学しているがその度に学びがある。
尊敬する経営者は?
(答)大学時代は、楽天の三木谷さんはベンチャー起業家として凄いと思ったし、ソフトバンクの孫さんも日本では際立っていると思う。前職、経営共創基盤の冨山さんも経営者として尊敬している。
推薦図書を教えてください。(※下記URLは外部サイトに移動します)
(答)デール・カーネギー著 『人を動かす』『道は開ける』
開催概要
- 日時: 2012年6月23日(土)14:00~16:30 (13:45開場)
- 会場: 東京ミッドタウンタワー 7階 d-labo by SURUGA Bank
- 定員: 30名※応募多数の場合は抽選の可能性有
- 対象: 18歳以上35歳未満の方なら、どなたでも。
- 参加費:無料
- 主催: 株式会社アクシアム
- 協力: d-labo
講演者/パネリスト 略歴
UBS証券投資銀行本部を経て、経営共創基盤に参画。経営共創基盤においては、流通・小売、広告・メディア、ヘルスケア等、幅広い業種に対して、事業再生や成長支援などをはじめとする様々なテーマのプロジェクトに従事。
スタンフォード大学在学中は、米中のスタートアップ企業の経営にも関わり、2年次在学中にミスタータディを創業し、代表取締役に就任。ミスタータディは、福井県鯖江市のメガネを武器に日本最大級のメガネ通販サイトOh My Glassesを運営。
ファイナンシャルアドバイザリー、戦略コンサルティングなどの経験から、29歳で起業に至った経緯は鮮烈です。
株式会社アクシアム 代表取締役社長
コーネル大学 Human Resource Executive Development Program修了。
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事。1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長。
お問い合わせ
本イベントについてのお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。
株式会社アクシアム イベント事務局
Email:event@axiom.co.jp