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2017年12月

マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力
山梨広一(著)

筆者はマッキンゼーで25年間、うち、20年間をパートナーとして、様々な企業の経営者のアドバイザーを務めた人物です。その後、イオン株式会社執行役を経て特別顧問に就任。2016年からは株式会社LIXILグループの取締役として活躍しておられます。本書の冒頭で筆者は、下記のように私たちに問いかけます。

“その努力は「いい努力」か「悪い努力」か?”

もちろん、努力はすべきでしょう。ただ、その努力は「いい努力」なのか「そうでない努力」なのか。本書ではまず「いい努力」を洗い出すため、7つのポイントを挙げて整理しています。

(1)「成果」につながるもの
(2)「目的」が明確なもの
(3)「時間軸」を的確に意識しているもの
(4)「生産性」が高いもの
(5)「充実感」を伴うもの
(6)「成功パターン」が得られるもの
(7)「成長」を伴うもの

それぞれの説明は本書を読んでいただければと思いますが、例えば成果を出すことが目的であれば、成果につながらない資料を作ったり会議をしたりするのは「いい努力」とは言えません。本書ではこの7つのポイントに従って、まずいい努力の例と悪い努力の例が示され、その説明が本文という構成になっているため、非常に読みやすいと感じました。

その中から、私がこれから意識していこうと思えるいくつかの例を挙げます。
以下に「いい努力:悪い努力」の形で列記し、その説明を付記します。

●「アウトカム志向」を持つ:アウトプットに満足する
……「この時間、この行動でどんな成果が出るか?」を常に意識するということ。
●「考える時間」をつくる:すべてを「効率」でこなす
……大きな成果を手にするには豊かな思考力、発想力が求められるが、効率主義に走るとその部分が痩せてしまう。
●「リスク」を取る:誰からもよく思われようとする
……戦略とは選択であり、選択とは捨てること。絶対にこうすべきだということについては、自らリスクを取るべき。つまり、何を捨てるかの最終判断は、自分でしなければならない。
●「目的」の真意を正確につかむ:「指示=目的」と表面的に捉えて動く
……生産性が高い思考に必要なのは、「1.目的 2.境界条件 3.課題」の3点を押さえること。目的を誤認しない、どこまでの範囲で動いていいのかという条件を確かめる、目的を達成するためにどのような課題があるかを考える。課題の誤認は目指す成果にはつながらない。
●「情報」は7割集める:できる限り情報を集める
……情報収集には際限がない一方、そのアウトプットがわかりやすいために情報収集ばかり積み重ねて、仕事をしている気になってしまいがち。それを材料として考えを進めることではじめて価値が生まれる。
●早さと速さの「スピード」を上げる:ルーティンに時間をかける
……誰より早くスタートを切る先進性という意味の早さと、時間を限って仕事をしてスピーディに仕事をする速さの両方が大事。
●「権威以外」のもので人を導く:肩書で人をしたがわせる
……リーダーになったときは「新しいことを目指し、自分から率先して動き出し、人を巻き込む」ことを意識すること。また、「lead X with Y」、「YをもってXをリードする」という式を意識し、自分がリーダーになった、あるいはなりたいと思ったら、自分のYは何か考える。このYは一つから始め、徐々に増やしていけたら望ましい。
●「どんな変化が起こるのか」まで突き詰める:具体的な行動が見えない提案にとどまる
……一般論や現状分析で終わったり、目的を詰めていない提案で終わったりするのではなく、「アクショナブル」、「状況スペシフィック」、「ビフォー&アフターの変化が見える」提案をすること。
●「結論」をはっきりさせる:結論を確認、共有しない
……目的が明確で、オープンで活発な議論が行われても、結論がはっきりしなくてはいい会議とはならない。結論が曖昧だと、会議はいつまでも繰り返され、意思決定のスピードが遅くなるし、実行までの時間も長くなる。直線的で生産性の高いことをしようと思ってもあいまいな結論はそれを許さない。
●「変える」を重ねていく:何の変化も起こさない
……ビジネスにおける議論の結論は「次の行動」につながらなくてはいけない。つまり、「具体的に何をするのか」「何を変えるか」など、何らかの「変化」をもたらす結論を出す。このステップを一つひとつ踏んでいくことで、個人も組織も着実に目的に近づいていくことができる。

いかがでしょうか。以上はあくまで私が意識しようと思った項目を挙げたのみですが、本書ではじつに75項目にわたって筆者が25年間マッキンゼーで膨大な仕事をして気付いた「いい努力」につながるトピックを説明しています。

意識することはできても実際に行動に移すことは難しいと思いますが、私もこれからキャリアコンサルタントして、様々な方のご相談をお受けする上で、また、会社組織の一員として「いい努力」を続けていこうと思います。

マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力 出版社:ダイヤモンド社
山梨広一(著)
伊藤 嘉浩
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント
伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)

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