転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第100回
2011.04.14

第二新卒として大手商社に挑戦しようと思うのですが

地方の国立大学卒業後、社員数500名程度の食品製造会社に営業担当として入社しました。入社して、今ちょうど1年が経ったところです。卒業当時は就職難であったこともあり出身地に戻り現職企業を選択しましたが、景気が良くなってきた今なら、第二新卒として大手上場企業にも転職できるのではないかと考えています。

キャリアとして何を目指せば良いのかまだ見えていませんが、現職では得意な英語を生かせない不満もあるので、今度は英語を生かせるだろう大手商社に挑戦したいと思っています。可能性はあるでしょうか?

Answer

可能性はあると思いますので、大手商社が求人をしているなら、ぜひ応募されてみると良いと思います。ただ、大事なことは、見事商社に採用されて転職を果たした場合にその後のご自分のキャリアがどのようになってゆくのかということまで、今のうちにしっかり考えておくことです。

例えば、大手商社に就職したとしても、すぐに英語を使う仕事に就けない可能性があります。大手商社で英語を使う仕事に就くことを目的として転職をして、それが叶わなかった場合、どうなるでしょう?「英語が使えると思って商社に転職したのに、使えないなら、また転職する!」ということになりかねません。あるいは、英語を使える仕事に就けたとしても、仕事の内容が好きになれなければ、長続きせず、「職種が合わないから、転職したい!」となる恐れがあります。

そうならないよう、もう少し情報を収集し、ある程度でもその後のご自身のキャリアの行方についてシミュレーションしておくことをお勧めします。大手商社に入社できるかということや語学を活かせるかということよりも、キャリアとしてご自身が何を目指すのかをしっかりと考えることが重要ということです。

さてここで、本題の「キャリアとして何を目指すのか」や「キャリアのプランの立て方」を考える前にそのベースとなる「就職観」や「キャリア観」について見直しをしておきたいと思います。実はこれがキャリアを考える上で重要な意味を持ちます。

<日本人の「就職観」や「キャリア観」>

日本の産業社会は、少子化が進んでいるにもかかわらず、“新卒の就職難”という言葉が無くなりません。既に多くの方が指摘していますが、大きな理由の一つは求人側と求職側のミスマッチにあります。上場企業など著名企業の人気が高く応募が集中し、知名度のない企業は人気がなく応募が不足しているという状況です。

では、なぜミスマッチが発生しているのか?ひとつには、日本人の「就職観」が挙げられます。一言で言うと、「大手上場企業に入ること」=「安定した良いキャリア」であり、「中小企業や地方の無名企業に入ること」=「不安定な望ましくないキャリア」という固定的な考えです。

親族や学校の先生、諸先輩から長期に渡り指導・助言されてきた影響なのか、単純な「大手企業は安定していて給与水準も高い」という考えだけではなく、「大手企業でないと、しっかりとした教育や研修が受けられないので、最初はとりあえず大手企業に就職しておこう」だとか、「中小企業での経験は次のキャリアで評価してもらえないだろうからやめておこう」といった考え方まで、この「就職観」は新卒や第二新卒に根強く存在し、更には30代40代など比較的の上の年齢層にも深く根付いているように思います。

ところが、いまやそうした「とりあえず大企業に入ったほうがよい」という考え方では、良いキャリアは築きづらくなっています。

誤解を恐れずに申し上げますが、良いキャリアを築くには、企業規模や上場しているか否かで就職先を選ぶのではなく、事業の成長性や継続性などといったよりキャリアに影響する側面で就職先を見るべきです。例えば、成長中の外資系企業の日本支社を考えてみてください。本社/グループ企業としては巨大な世界的企業であっても、日本では中小企業のサイズでしかない場合が多いです。また、小さな未上場企業でも、皆が知らないだけで世界市場においてトップシェアを誇る業界のリーディングカンパニーもありますし、最近では創業時から海外市場を狙い、実際に急速な成長が期待され注目を浴びている優良ベンチャー企業が数多く出てきています。また、事業会社以外にも、専門性の高いコンサルティングファームや投資銀行、PEファンドなど、サイズが小さくても、世界的に見て人材の水準が高いといわれる企業はいくらでもあります。そうした企業で密度の濃い経験を積んだほうが、大企業でのんびり何年も過ごすよりキャリアとしての価値が高まるだろうことは、容易に理解いただけるものと思います。

大企業を否定するつもりはありません。大企業でしっかりと知識・スキルを身につけ、中身のある経験を積むことができていれば、無論、転職市場で評価されます。同じように、中小企業であってもしっかりと知識・スキルや経験・実績を持っていれば転職市場で評価されますし、大企業の中途採用の対象にもなるのです。

何を申し上げたいかというと、企業規模や上場か未上場かで会社の良し悪しが決まるものではないように、個人のキャリアの良し悪しも、所属する/していた企業が大手か、上場しているかどうかで決まるものではないということです。「どこで」ではなく、そこで「何を」するか/したかが大事なのです。本質を見ずして、会社名や企業規模、上場か未上場かなどの表面的なファクターで就職/転職先を決めるのは、“会社選び”をしているだけです。“会社選び”という、あみだくじのような就職・転職では、本気でキャリアを根本から考えて決めていないために、就職・転職を果たせたとしても、後にキャリアに不満が生じることが多く、結果、転々とする転職を繰り返す可能性が高くなります。

「大企業に入れば、自動的にキャリアとして評価されるので、とりあえず、大企業に入ったほうが有利」や「中小企業の経験は評価されないので、キャリアが壊れる」などということはありません。そのような妄信や誤った就職観がキャリア開発の妨げになっているのです。「偏差値の高い大学に入学する」、「大手上場企業に就職する」、「有名企業や一流と言われる企業に転職する」など、「いいところに入る」ことばかり考えていては、大事な人生を無駄にしてしまうということに早く気づいてください。 もしご自身も心当たりがおありなら、ぜひとも早期にこの悪しき考え方と決別していただきたく思います。

また、これからは採用側企業も、しっかりとした自分なりの「キャリア観」を持たない人材や会社に対して依存度が高い人材を採用しなくなるでしょう。入社できたとしても、会社に依存してぶら下がっていればパフォーマンスの低い不要なリソースとしてみなされ、結局出て行かざるを得なくなるでしょう。しっかりとした「キャリア観」を持たない人材は求められていないのです。

会社の規模で選んだり、会社から与えられるキャリアトラックを妄信的に期待したり依存したりしないで、自身の力でキャリアを作ることを考えましょう。そのためにも、しっかりとしたキャリアプランを立てて、それを実現できる会社を選ぶようにしていただきたいと思います。

 

ここから本題である、「どのようにキャリアプランを立てれば良いのか」について考えていきましょう。


【キャリアプランの作り方】

1)「やりたいこと」、「やれること」、そして「やってくれといわれること」
2)25歳までと28歳まで、そして35歳
3)英語で仕事をすること 社会に貢献すること

 

1)「やりたいこと」、「やれること」、そして「やってくれといわれること」

やりたいと思う気持ちはとても大事です。ただ、やりたいという気持ちだけで能力が伴わなければその仕事はできません。「やりたいこと」が見つかったら、日々精進し研鑽して「やれること」にしていき、そして周囲の人から認められ、「やってくれといわれること」に変えて行くことが重要です。

求人マーケットでは、いくら自分がやりたくても、やれる能力がなければ、あるいは能力があっても誰かが「やってくれ」と言ってくれなければ、仕事(キャリア)には繋がらないのです。

少し厳しい言い方になってしまいますが、「英語を使う仕事をしたいので商社に就職したい」というのは安易すぎるように思いますし、また、英語ができるというだけで商社に採用されるとも思えません。 就職難が去ったとしても、採用の人数を増やしたというだけであり、採用基準や求める人材のレベルが下がったということではありませんので、その点を肝に銘じる必要があります。 商社が第二新卒等の若手のポテンシャル採用で重視するのは、おそらく「英語ができるかどうか」ではなく、「仕事ができそうかどうか、それも英語で」のはずです。当たり前の話ですね。 「仕事ができそうかどうか」についてはいろいろな観点でみられると思いますが、特に「しっかりとした考え方を持っているか」とか「与えられたことだけではなく、自ら主体的に考え行動できるか」という点は必ず見られるでしょう。 おのずと、「どんなキャリアを(自らの力で)作って行きたいか」ということが問われることになります。 よく、「うちの会社で何をやりたいですか?」という質問がされると思いますが、聞き手はそんな点を見たいわけです。

ただ、大学を出たばかりで経験が少ない方にとって、自分自身のことや将来のキャリアビジョンを明解に語るというのはなかなか難しい課題だと思います。命や生涯を賭けるというほど大それたことでなくても、せめて5~10年程度の年月を賭けて目指すものは何かということについては、ぜひ自分の言葉で答えられるようにしておいてください。

あるいは、「顧客や会社の仲間の声に十分に答えられていたのか?」を問われることもあるでしょう。 ストレートに「仕事ができるか」や「成果を上げてきたか」を確認されているわけですが、それに自信を持ってこらえられないなら、焦って転職せず現職で実績を作れるまで踏ん張り、節目を作ってから転職に動くほうが良いかもしれません。現職で営業・マーケティングなどの知識やスキルを更に習得し高めることができるなら、まず、そのことに専念し、同時に職場以外のところで英語力を磨いて、3~5年後にその両方の力を合体させて、海外展開を考えている食品会社や外資系企業に転職するという作戦もあり得ると思います。

ちなみに、今では地方の企業も海外を相手に積極的にビジネスを展開していますので、現職の会社においても今後も英語を使う機会がないとも言い切れないと思います。実際のケースとして、過去50年間英語を必要としなかった小売業や食品関連の会社が、海外市場に出る経営戦略をとったことで、社内で英語が出来る人材を必要とするようになり、社内では英語ができる人材を見つけられないため、外部から人材を獲得すべく求人を展開するということが起こっています。

いずれにしても、数多くの同質の候補者の中から選ばれるためには、単に英語ができるとか英語を使いたいというのでは不十分で、企業に貢献できる知識、スキル、強みを備え持っていることが不可欠ということです。 求められている人材像についてしっかりと、そして具体的に理解しておきましょう。

 

余談になりますが、就職/転職先として大手企業の人気が高いのは、ある意味、この”自分探し”のための猶予期間が得られるからだとも考えられます。ただ、猶予が得られて安心してしまい、自分探しの答えが先送りになっている方、「大手企業に入る」という目的だけのために入社を果たし、35歳になっても、まだなお、自分自身の現状、希望、展望、将来ありたいと思う自分を見つけることが出来ていない方が多くいらっしゃることは、残念なことです。

1990年代前半、大手銀行の人事部長とお話した際、次のようなことをおっしゃっていたのを思い出します。

「人生のプランなど新卒でわかる訳がない。入行して10年、20年経ってから、やっと自分がどんな銀行マンになりたいのかがわかってくるものだ。キャリアプランなど当行の行員には不要だ。渡邊君の主張するようなキャリアプランについて20代から考えるなど不要なことだ。私自身、銀行を辞める気はないし、そもそも銀行がなくなることがないかぎり、社外のキャリアプランなど考える必要もない。社内のキャリアプランについては、先輩のキャリアの見本が沢山あるので、社内の可能性だけ考えていれば十分だと考えている。」

皆さんはどう思いますか?私はその時、この銀行の行員の方は本当に不幸だなと思いました。そして数年後、その銀行は破綻しました。

一つのことを長くやり、経験を積むことで初めて見えてくることがあるというのも確かですが、社内にだけ目を向けていては井の中の蛙になってしまいます。広く外にもアンテナを張り、「やれること」や「やりたいこと」、「やってくれといわれること」を探していくのは、とても大事なことだと思います。 就職/転職活動においては、「やりたいこと」から探すのに加え、「やれること」を見つける、「やってくれといわれること」から探すという3つのパターンのいずれの方法で探してもかまわないのです。

 

2)25歳までと28歳まで、そして35歳

今回いただいたご質問からは、食品業界が嫌なのか、地域産業が嫌なのか、営業の仕事が嫌なのかわかりかねますが、経験と実績が問われる求人市場では、業界と職種を同時に変えるような転職が可能な年齢は、概ね25歳あたりまでといえます。また、商社の求人の年齢的上限は、ポテンシャル採用(未経験・第二新卒)で25歳くらい(職歴3年程度)まで、即戦力採用(キャリア採用)であれば32-33歳くらい(職歴10年程度)まででしょう。

仮に商社に入った際のキャリアプランが明確に持てたとしても、商社が第二新卒で営業を採用することは少ないため、今採用されるのは難しいかもしれません。でも、あきらめることはありません。現時点で無理でも、商社が求人対象とする人材になれるよう、商社の求人ニーズと求める人物像をしっかりと掴んで、時間をかけてご自分を変えていけば良いのです。例えば、商社では、企業財務、M&A、企業投資、法務などの専門性を持つ方の採用が多く見受けられます。中には、エネルギー関連の事業開発で理工系出身の海外MBAホルダーをターゲットとするような求人もあります。

そうした専門性を身につけるべくご自分を変えていくべく、自身に投資をすればよいのです。具体的には、お金や時間を投下し、MBAなどの学歴、関連する職歴、あるいは必要な資格を得ることです。そして何よりもそのために心を投下すること、没頭することが大事です。 仕事、キャリアプラン、展望など対象を見つけて没頭すれば、自ずと成果は出てくるものです。あっという間に3年が経つでしょう。万が一、成果が出なければ、25歳あたりで対象を変えて、もう一度チャレンジしましょう。

上記のとおり、25歳あたりであれば資格を取得したり、独学でも自身の知識やスキルを身につけたりすることで、業界や職種を変えることができます。あるいは28歳位までであれば、さすがに業界と職種の両方を一度に変えることは難しくなってきますが、職業能力を証明する医師、弁護士、会計士などの資格や著名校でMBAを取得すれば、それを可能にできる場合があります。 ただ、32歳位になると、資格や学歴以上にその分野での実務経験と実績が求められますので、何らかの実績を持ってやれることを証明する必要になってきます。

よって、今から知っておいていただきたいのは、学校を卒業して社会人となった方にとって、35歳までの12~13年は、選択肢が多いからこそ様々なチャレンジが出来る期間であり、その35歳までに積んだ経験と実績が、以降60歳までの25年を左右することになるということです。

28歳は、22歳から35歳までのハーフライン。それまでは、様々なやりたいことに没頭して、学力や体力、気力を養い、成果を出すことを目指し挑戦することで力を磨き、そして28歳から35歳までの間は、35歳以降に備えて、様々な成果・実績を生み出すことです。別の言い方をすると、28歳までは、スタッフとして能力・強みをつける・伸ばす。28歳から35歳では、能力・強みを活かして、部下を指導・育成など、マネジャーとしてリーダーシップを発揮し、より大きな成果・実績を獲得しておくということです。

今日、ご自分が何を目指すのか、何をやり遂げたいのか、答えがなくても構いません。しかし、35歳になった時に同じ悩みを抱え同じ質問をするようでは、幸福なキャリアとはいえませんので、今ここからしっかり考えていくようにしましょう。

 

3)英語で仕事をすること、社会に貢献すること

これからは、英語でビジネスができることがますます重要かつ必須となってくるでしょう。そのため、できるかぎり実際に仕事で使うか、それがかなわないなら自分自身の努力で英語力を磨いていきましょう。現職には将来も英語を使う機会がなく、35歳までに能力を高めることも不可能ということであれば、転職してしかるべきです。

英語がお得意のようですが、すでにTOEIC 850点以上で会話にもメールにも困らない程度の英語力があって、英語を使う仕事を希望されるのであれば、キャリアプランは簡単です。外資系の消費財メーカーのセールス・マーケティングの仕事や海外展開を積極的に考えているベンチャー企業などへの転職を検討してみると良いでしょう。どちらも可能性があります。海外展開の案件については、既に製品が世界に出ている産業を狙うのではなく、これから世界市場に出てゆく製品・産業をターゲットにすると良いと思います。既にできあがっている製品・産業で「どこか海外勤務できる求人をしている企業はないだろうか?」と探しても、なかなか見つからないと思います。海外市場でニーズがあるが、まだ海外では提供されていない、これから新しく市場を生み出す可能性があるだろう製品・産業を海外に売り込むような求人を狙ってみてください。

ただ、やみくもに転職するのではなく、35歳までにどんなキャリアになるのか、35歳以降はどんなキャリアになる可能性があるのか、いつまでに何を達成していないといけないのか、マネジャーや事業部長、さらには企業経営や海外勤務の可能性はあるのかなどについては、一つ一つ、現実的かつ具体的にキャリアを考えておく必要はあります。

 

そしてもう一つ、どんな形でも社会に貢献することです。

この原稿を起稿している最中に、3.11東日本大震災が起こりました。しばらく経ってみて、被災地の復旧・復興、そして原発の問題は、長期化することが見えてきました。このような国難に際してあらためて思うのは、「今、社会が求めているのは、人のためや社会のために働くことができる真のリーダーである」という歴然とした事実です。 そして、「社会が求めている人材」とは、つまるところ「多くの会社が採用したいと思う人材」でもあるのです。 逆に、自分のことしか頭になく自分のキャリアのことばかり言う人、「より良いキャリアを作るため、よりスキルを磨くため」と言って転職を繰り返すような人は、薄っぺらなつまらない人間だと思われやがて必要とされなくなるでしょう。

「真に社会に求められる人材」となるためにも、社会全体が今後どのようになってゆくか、自身がどのように社会と繋がり関わりあって、どのような役割や責任を担い何ができるのか、どのように生きていくのかを考え、自覚することが不可欠です。

これまで信じられてきた常識や前提のすべてが変わってしまうほどの時代の変化が訪れていることを肝に銘じて、キャリア、人生を考えてみてください。ぜひ、「社会に貢献すること」、「人のために働くこと」を意識して欲しいと思います。

 

最後に、今後の日本を担っていく若い皆さんに一言。

この苦難を乗り越え未来を創っていくのは、20代、30代の若い皆さんであり、今の子供たちです。 若い皆さんの中には、今の年配のリーダーや経営者を見て失望している方もいるかもしれません。たいへん残念なことながら無能なリーダーや中間管理職、偽者と言わざるを得ないビジネスリーダーが存在し、若い皆さんの機会を奪っているのも事実でしょう。

ただ、真のビジネスリーダーも多数存在し、彼らは本気で若者たちや子どもたちを応援したいと心から思っているということも知っておいてください。

小さな島国日本は、戦後の復興を成し遂げた底力とマジックが詰まった国です。世界中が日本の今後に注目し、復興に向けて世界中から支援が集まってくることでしょう。もしかすると、復興を機に地域経済のグローバル化が進行し、これまでの日本=東京という考え方も変わるかもしれません。そもそも、日本はアジアの東の端にあり、太平洋、日本海、東シナ海を挟んでいるだけで、アメリカ、ロシア、韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、ベトナム、カナダ、チリ、メキシコですら隣国といえ、これらのどの国とも英語で仕事ができる時代が来ていますし、隣国でないアジア諸国や欧州、中南米ともインターネットで繋がっています。

東北でも近畿でも、これほどまでに海外と近く在ることは過去にはなかったのではないでしょうか?英語が使える仕事が、商社にだけある訳でもなければ、東京にだけにある訳でもないことも改めて認識されると良いと思います。

私は、これを機に地方から更に多くの次世代のリーダーや国際的な人材が生まれてくると信じています。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)