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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第251回2025.11.06
戦略コンサル志望だが、AIの台頭が不安。今後も活躍できるコンサルタントとは?
学生の頃から戦略コンサルタントに憧れを持っています。しかし、最近のAIの進歩を見ると、AIが担える領域とコンサルタントの業務内容に重なる部分が多いと感じ、自分がコンサルタントとしてバリューを提供できるのか自信がありません。どのような能力を身に着ければ、これからの時代にコンサルタントとして活躍できるでしょうか?
Answer
近年、ChatGPTやGeminiをはじめとする生成AIが急速な進化を遂げており、ユーザーからの質問を正しく理解し、意図に添った回答を(100%正確ではないにせよ)瞬時に返すようになりました。そして、私たち個人がそれを日常的に活用できる時代になりました。企業活動においてもAIの有効活用は不可欠となり、自社の社員にAIに関するスキルアップ研修を施す企業や、AI活用に関する情報発信を積極的に行う企業が増え、各企業のAI活用スキルは格段に高まっています。
AIは、蓄積された過去のデータの調査・統計・分析、情報の要約・作成、過去事例に基づく推量などを得意としており、人間をはるかに凌駕する精度やスピードでそれらを行うことができます。そのため、以前であればコンサルティング会社に依頼していたことが、今では企業が自ら解決できるようになっており、戦略コンサルタントがクライアント企業に対して対価に見合う価値を提供する難易度は非常に上がっています。
しかし、AIといえども万能ではありません。前例のない新しい事業構想を作る、様々な属人的要素が絡む現場の経営改革を推進する、人を動かすための納得感あるストーリーを作るといったことは、現在のAIでは高い次元で遂行することはまだ難しいと思います。
そこから私が考える、これからの時代にコンサルタントとして活躍していくために重要なことを挙げてみます。
まず、世の中の技術やトレンドがどこまで進んでいて、それをどのように活用できるのかを見極める好奇心や探求心。それから、過去のデータや事例がなくとも未来を想像し考え抜く創造(想像)力などが必要でしょう。もちろんAIをさらに高度に使いこなすスキルや、今まで以上の速度で移り変わるビジネスに対応するスピード感なども持ち合わせていることが、活躍できる条件であると考えます。
特に私は、人の感情や行動が関わる定性的・属人的な業務の改革は、これまでもこれからも、人が直接的に関わる必要性が高い分野だと思っています。もしあなたがこうした領域が得意であり、今後手がけてみたいとお考えであれば、コンサルタントという職業にチャレンジしてみてはいかがしょうか? きっとこの分野に強い方は、人や組織のマネジメントが得意であり、うまく動かすスキルを持ち合わせている可能性が高く、将来的にもAIに取って代わられることのない、貴重な能力を有していると思います。
ちなみに、実際の求人市場では、AI活用をメインとしたコンサルティング会社の求人が増えています。メジャーなコンサルティングファームでも「AIに強いコンサルタント」の需要が高まっています。
参考までに、AIに「AIが戦略コンサルタントの仕事を奪うことは可能ですか?」と尋ねると、「一部は可能だが、完全に代替することは当面難しい。分析やリサーチ、仮説検証は高い精度で代替できるが、意思決定支援や組織変革の実行支援については難しく、『そもそも何が問題か』を定義する上流工程では依然として人間(戦略コンサルタント)の洞察が不可欠」と回答してくれました。さらに「AIに取って代わられないように、コンサルタントが身につけるべき能力は?」と問うと、「Thinking Skill(思考力)、Human Skill(人間力)、Tech Literacy(テクノロジー素養)」と明快に言語化した答えが返ってきました。
とはいえ冒頭に申した通り、AIの進歩のスピードには凄まじいものがあり、短期間でAIが不得意とするポイントを克服し、十分に対応できるようになる可能性も否定できません。したがって、コンサルタントとして活躍し続けるためには、常に世の中の変化を敏感に感じとり、変化に柔軟に順応し、しっかりとAIを活用していく姿勢が重要であることも申し添えさせていただきます。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
若張 正道
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント/人材紹介事業推進マネジャー

大学卒業後、大手食品商社の営業部門からキャリアをスタート。人材サービスに関心があったことから、2001年、アクシアム入社。新規事業であるMBAをメインとしたネットリクルーティングサービスの立ち上げに参画。無事にローンチを果たし、その後は人材紹介事業推進マネジャー 兼 エグゼクティブ・コンサルタントとして、ハイエンド人材の展望ある転職=「展職」を支援している。
