転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第256回
2026.05.07

最終選考まで進むも、急に面接が追加されリファレンスも必要に。選考プロセスの途中変更はよくあること?

現在46歳、エンタメ関連企業で事業開発の仕事をしています。自社の業績があまり良くないこともあり、転職活動を開始しました。そうしたところ、エージェント経由で面接を受けたある1社で、最終選考まで進むことができました。これまで転職は何回か経験していますが書類で見送りとなることも多かったため、ありがたく思っています。

その反面、選考プロセスが増えたり、当初聞かされていなかったリファレンスチェックの依頼が出てきたりして戸惑っています。求人企業が本当に採用する気があるのか、またエージェントはなぜ事前に詳細を把握していないのかなど、不信感を持ってしまいました。このようなことはよくあるのでしょうか?

Answer

ご相談ありがとうございます。同じキャリア支援の仕事をしている者として耳が痛いご相談です。結論として、同業者をかばうわけではありませんが、急に選考プロセスが増える(もしくは減る)、急にリファレンスチェックの依頼が企業から来る、といったことはあります。

もちろん、事前に選考プロセスが増減する可能性があることや、リファレンスチェックを実施することが決まっていればお伝えすべきですし、急に変更になったとしてもその時点で即時お伝えすべきですので、そのエージェントが確認・連絡を怠った可能性は否定できません。

求人企業は納得のいくオファーを出すため、必要に応じて審査プロセスを増やすことはありますし、職位や年収の高い方の場合には、これまで実施していなかったリファレンスチェックを行うこともあります。過去には「昨年度までは必要ありませんでしたが、今年度から実施することになりました」と、期が変わったタイミングで急に連絡をいただいた例もあります。

決して企業側の採用意欲が低いわけではなく、むしろ前向きだからこそ、また、ご相談者のことを真摯に検討しているからこそ、プロセスに追加・変更が生じているとお考えいただければと思います。特にCxOなどのハイクラス求人では、選考プロセスは増減するものと初めから想定いただいた方がいいかもしれません。職責や条件のすり合わせなどで、面談回数が多くなることがほとんどです。

基本的に、私たちキャリアコンサルタントの役割は、個人のキャリアの資質や経験と価値観、採用側のニーズと価値観をマッチングさせることだけでなく、それぞれが気付いていない可能性や未来の展望をつなぐ仕事ともいえます。現時点での価値の最大化を図ることはもちろんですが、中長期的にもお互いの価値を上げるマッチングを目指しています。そのためにはリターン・利益の説明だけでなく、リスク・不安要素についても適切にお伝えすることが不可欠です。

今回のご相談の本質は、選考プロセスが変わったことで求人企業とエージェントへの「2つの不信」が生じてしまった点です。上記で申し上げたとおり、求人企業がプロセスを追加・変更することはよくありますので、エージェントが変更理由の説明責任を果たしていないために生じた不信といえると思います。しかも、変更前の説明と変更後の説明の、どちらも不十分だったことが主な原因だと思われます。

私たちアクシアムでは、このようなご懸念が生じることのないよう、選考プロセスの確認は都度行いますし、適切に候補者の方に開示するよう努めています。ぜひ、細やかなコミュニケーションが取れる、信頼できるエージェントを選択いただければ幸いです。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)