サービス案内“展”職成功者インタビュー
小西 功二氏
サイコム・ブレインズ株式会社 ディレクター/シニアコンサルタント
カッコいい展望などなかった。
でもだからこそ、日々を大切に積み上げた
毎日多くの方にお目にかかり、キャリア支援をご提供しているアクシアムのコンサルタント。ご相談者が新しい一歩を踏み出される場面に日々立ち会わせていただくわけですが、その中でも特に印象深い “展職実現”のケースをそれぞれが体験しています。
「成功者インタビューの企画が始まったとき、ぜひこの方に出ていただきたいとお顔が浮かんだ」と、エグゼクティブ・コンサルタントの大石順子。その方というのは、管理職育成・営業部門強化・ナショナルスタッフの育成など、様々な分野においてクライアント企業の成長を支援し、高い評価を得ている教育・研修企業、サイコム・ブレインズ株式会社の小西功二氏です。
二度の転職を通じて自らを磨き続け、キャリアを発展させておられる小西氏。その成功のポイントを、担当キャリアコンサルタントの大石が、改めてインタビューを通じて探りました。
入社2年でチームマネージャー、3年でディレクターに昇進
大石
ご無沙汰しております。お会いするのは3年半ぶりでしょうか? 本日はお忙しいところ、無理なお願いを聞いていただき感謝しています。ぜひ小西さんのこれまでのキャリアの道のりについて、お話を伺えればと思っています、どうぞよろしくお願いします。まずは現在のお仕事やお立場についてお聞かせください。
小西氏
本当にお久しぶりです。こちらこそ、このようなインタビューにご指名いただいて恐縮しています。いま私は、サイコム・ブレインズという会社におり、コンサルタントを務めて4年目になりました。当社は企業の人材育成を支援する会社で、秋葉原にある本社のほか、上海、シンガポール、タイにも拠点をかまえています。また、ベトナム、インド、インドネシア、フィリピンでは現地大学などのパートナーと連携し、現地の言語で研修を提供できる体制を整えており、アジアに進出する日系企業の人材育成面での支援を強化していく方針です。
大石
小西さんご自身の、日々のお仕事はどのようなものなのですか?
小西氏
顧客企業様ごとに異なるご事情、ニーズ、課題等をヒアリングして理解したうえで、教育プログラムをカスタマイズしてご提供しています。また、問い合わせをいただいたり、顧客企業様からご紹介をいただいたりした先へ、様々なご提案をしています。決まったプロダクトを売っていく一般的な営業とは異なりますが、いわゆる営業活動も担っています。
大石
サイコム・ブレインズ様に入られ、3年半でディレクターにご就任されました。ご入社時のコンサルタント職からシニアコンサルタント、ディレクターへと順調にキャリアアップをされていますが、どのように短期間にキャリアを高めてこられたのでしょう?
小西氏
じつはディレクターになったのはこの10月からで、まだ僅かの期間なんです。これまでを思い起こすと、入社から半年間は売り上げの数値目標がないモラトリアム期間。半年後から数値目標を課せられました。その目標を初年度から何とか達成でき、加えて前職の経験を活かし、商品開発で成果を出すことができました。
そのあたりを評価してもらったのか、2年目にマネージャー/シニアコンサルタントに昇格。プレイングマネージャーになりました。この年もメンバーの頑張りがありチーム目標を達成。3年目は、コンサルタントの指導も任されました。個人の数値目標は入社当時の2倍になりましたが、それもなんとか達成することができました。そして4年目の現在、従来のミッションに加えてディレクターという役割を担うように。新たにコンサルタントを採用し、育成することも期待されています。
MBA取得後、公益法人からコンサル会社へ転身
大石
最初に小西さんにお目にかかったのは、たしか2011年の4月、名古屋商科大学大学院のMBAをご卒業される頃でしたね。
小西氏
はい。アクシアムさんのことは、「MBAホルダーの転職に強い紹介会社がある」とビジネススクールの友人に紹介してもらいました。そこで早速コンタクトさせていただき、大石さんと出会いました。
大石
ご卒業後の進路として、転職をしてコンサルタントとなられることを選択されました。その意思決定のポイントとは、どのようなものだったのでしょうか?
小西氏
端的に申し上げると、「学んだことを試してみたくなった」からでしょうか。当時の私はある公益法人で働いており、そこにもっとビジネスの感覚を持ち込むことを目指していました。社会的に意義の高い事業を展開してはいましたが、どうしてもビジネス感覚が乏しく、事業としてうまく回っていかない、あるいは近い将来回らなくなるだろうとの問題意識を抱いていたのです。
そこでビジネススクールに通い、その学びを持って貢献したいと考えていました。つまり、転職を考えてMBAを取得した訳ではなかったんです。ただ、ビジネススクールで様々なバックグラウンドの志の高い仲間と交わり、またほぼ同時期に他社へ出向して異なる環境で研鑽をする機会に恵まれたことが重なり、外に出てMBAでの学びを活かしてみたくなったのです。
大石
外のキャリア機会として、コンサルタントを選ばれたのは何故ですか?
小西氏
公益法人の在籍時代に外部コンサルタントの方々とお仕事をする機会があり、事業との、このようなかかわり方もあるのだと知ったことがきっかけになりました。そしてMBAで学ぶ中で、顧客に価値あるものを提供して対価を得る、価値あるものを自分が生み出し、金銭的報酬を得ることに携わりたい、そこで自分を試したいという想いを強くしていきました。ただ今思い返せば、「ビジネススクールで身に着けた知識やスキルを活かせるコンサルタントになりたい」という程度の浅はかなキャリア展望しかなかったように思います。
予期せぬキャリア機会を、選び取れる強さ
大石
ご卒業後は希望されていたとおり、あるコンサルティング会社へ入られました。MBAで学ばれたことも活かして努力をされていたわけですが、そこからさらに転職を考え、次に進もうと考えられた理由は?
小西氏
2回目の転職を考え始めた際、再度大石さんにご連絡をして相談にのっていただいたのですが、転職1社目では正直苦戦をしていました。MBAホルダーとはいえ未経験者が修羅場に入り込んでいくのですから、肉体的にも精神的にもつらかったですね。いま思い返せば、コンサルタントとしてのマインドとスキルが不足していたように思います。ですから、ある一定期間踏ん張ったあとは、その経験を活かしつつ別の機会を探したいと考えるようになりました。ただ、その時に経験したハードな日々は、じつは現職でとても役立っています。
大石
そうでしたね。そんな苦しい中での努力を活かしていただくべく、次のキャリア機会を色々とご提案させていただきました。その中で、サイコム・ブレインズ様という「人材育成」の領域にご興味を持たれたのはどうしてですか?
小西氏
今まで培ったものが活かせる場という点に加えて、私自身が「学びの場」が好きだったことが理由です。そこに携われるのは、またとないチャンスだと思いました。人が良い方向に変わっていく様を間近に見るのは、私にとって大きな喜びです。現在の会社では、人や組織がどんどん良い方向に変わっていくのをコンサルタントとして間近で見ることができ、本当に楽しいと感じています。
大石
ご入社後、ハッピーでいらっしゃるのですね。
小西氏
はい。会社の雰囲気もとても良いですし、ストレスなどなく楽しく仕事をしています。こうお話していると、明快なゴールや展望もなく転職したようで反省することだらけですが…結果として、自分のキャリアや人生においてハッピーな方向へうまく回ったと思います。
大石
誰もが最初からきっちりとしたキャリアのゴールや展望を持ち、キャリアをデザインできるわけではありません。むしろそれができる方が少数派。弊社にご相談にいらっしゃる方の多くが、多かれ少なかれ、小西さんと同様の思いを抱いておられます。
当時の小西さんにとって、サイコム・ブレインズ様はきっとご存じない企業様だったでしょう。しかし弊社の大きな役割のひとつは、知られざるキャリアの機会をご紹介すること。ご相談者の皆さんからしっかりお話を伺ってその方の強みを把握し、「きっとこの企業様なら、ご入社後に強みを伸ばしていただける」「キャリアを創っていただける」という機会をご紹介することです。個人と企業、お互いがWIN-WINとなるような、お互いの展望を実現できるようなマッチングを生みだすことが弊社の役割であり、得意とするところだと思うのです。
ただ、予期せぬ機会についてリスクをとって選べるか、また予期せぬ企業様の中に飛び込んで切り開き、キャリアを創っていけるかは、その方次第。その強さを、小西さんはお持ちなのだと改めて感じました。
ひとつひとつの経験を丁寧に積み上げて
大石
サイコム・ブレインズ様に入られて数ヵ月の頃だったでしょうか。「最初は数値目標について大変だと思ったが、社内の仲間が助けてくれてなんとかいけそうです」という内容のメールをいただいたのを覚えています。営業のご経験が少ないなか、どのように乗り越えて現在のディレクター、新規事業の営業責任者のお立場にまでなられたのでしょうか?
小西氏
サイコム・ブレインズに入社して以降、ありがたいことに順調にキャリアを重ねてこられました。その要因の一つは、MBAの知識と前職の経験がうまく活かせたこと。当社の研修コンテンツは大きく分けると2種類あり、マーケティングやファイナンスなどのハードスキル系と、リーダーシップや商談コミュニケーションなどのソフトスキル系です。当時、その両方をクライアントに提案できるコンサルタントは社内に見あたりませんでした。
一方、私はこれまでの経験から両方に通じていたので、クライアント企業様にどちらのコンテンツもスムーズに勧めることができました。それゆえ1社に深く入り込むことができ、機会を逃すことなく数字が作りやすかったんです。私の入社以降、当社はプロダクト制からアカウントマネージャー制にシフトチェンジしたのですが、その原型を実践できたと自負しています。
大石
なるほど。ご経験のすべてを無駄にすることなく発揮され、成果を出されているのは素晴らしいですね。
小西氏
二つめには、営業活動を振り返る“内省の時間”をじっくりとったことも良かったと感じています。当社では当時、コンサルタントは週報提出を義務付けられていたのですが、私は毎週土曜日、午前中の1時間から1時間半程度をその週の振り返りにあてていました。「いつ」「誰に」「何のために」「どんなアプローチをしたのか」「その結果をどう判断するか」「その判断の根拠となる具体的事実は何か」という独自項目を立て、コツコツ2年間続けたのです。営業活動を戦略的に進めるコツは、当時のこの内省作業を通じて蓄積されたと思います。
大石
振り返りは非常に大事ですよね。まさに、御社のサイトのコラムに書かれていた「営業報告書の意義と書き方」ですね。
小西氏
はい。自分が行っていたことをもとにあのコラムを書いたのですが、詳細に振り返ることで、いまの仕事の勘所がわかるようになったと思います。
大石
転職活動の際にも、企業との面談を終えられると、私に毎回しっかりと振り返りのメールをくださっていました。この「振り返りの力」は、次に必ず活きるといつも感じていました。これって、やろうと思っていても、なかなかできることではないですよね。
小西氏
すべて大石さんのご指導のおかげかと(笑)。
大石
いえいえ、これも小西さんの大きな強みです。ひとつひとつのお仕事、経験、チャンスを丁寧に積み重ねて、領域を広げてこられたご様子がよくわかりました。
転職活動を通じて得られたもの
小西氏
いま自分の転職を振り返ると、大石さんに頼り切りの転職活動だったように思います。本当に適切な情報提供と活動指導をいただきました。きちんと私に向き合ってくださり、必要なタイミングで励ましてくれたり、褒めてくれたり。コンサルタントとしてのコーチングスキルが高いと言ってしまえばそれだけですが、当時の私からすれば随分心強かったです。
大石
ありがとうございます。そんなお言葉をいただけて、とても光栄です。
小西氏
転職活動がなかったら、自分自身をあんなにも深く内省する機会はなかったかもしれません。やみくもに転職活動をお勧めするつもりはありませんが、切迫した中で自分自身を深く内省する貴重な機会は、転職を経験しなければ得られなかったでしょう。
大石
こちらが発することを素直に受け止めてくださって、どんどん学習し、自分のものとされていくところが小西さんの凄さ。小西さんがおっしゃる「当たり前のこと」をきちんと実行される真面目さ、その取り組みの積み重ねによって、起こるべくして起こった成功ではないかと思います。
集大成として、マネジメントを目指して
大石
キャリアについて悩まれている方に、何か小西さんらしいアドバイスをいただけますか?
小西氏
そうですね…とても難しい(笑)。他の方に何かアドバイスができるようなキャリア展望が、私にはありませんでしたから。しかしながら、自分が経験してきたことのすべてが今の自分を形作っており、遠回りも無駄な経験もなかったという実感があります。そういう意味では、私の場合は後付けになってしまいましたが、キャリア形成をフォワード・ルッキングに行っていくことが重要だと思います。
若くしてそれができればベストですが、なかなか難しいことなのでしょう。キャリアを考えるには、きっかけとタイミングが重要ですから。そのきっかけとタイミングを逃さない、シグナルを発する機会や人をスルーしない心構えが大切なのかもしれませんね。
大石
たしかに小西さんは、煌びやかな展望をもともとお持ちで、そこへまっすぐ進んで実現されたというご経歴ではないかもしれません。けれど、ひとつひとつの経験から得られたもの、使えるツールを引き出しに入れ、その引き出しを増やし、どこに何があるかをきちんと把握し、必要になったらそこから必要なものを取り出して組み合わせ…そうしてここまでキャリアを創り、マネジメントに近いところまで進んでいらっしゃった。だから私は、小西さんのように積み上げていくことの大切さを、このコラムを読んでくださる方にぜひお伝えしたいんです。
小西氏
大石さんにそう言っていただけると嬉しいです。元気が出ますね。
大石
最後に、小西さんが今後目指されていることを教えてください。
小西氏
対社内としては、マネジメントを目指したいと思っています。やはり経営を担う立場になることが、自分にとってのキャリアの集大成だと考えています。自分の業績よりも、会社の業績を拡大するための仕事を今後はしていきたいです。
対社外としては、せっかく人材育成とそれを通じた組織変革に関わる仕事をしているので、価値観を転換させる、その一石を投じるような仕事を成し遂げたいですね。クライアント企業にとっての真のビジネスパートナーになることを常に目指していきたいです。
大石
本日は、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。これからも小西さんは同じスタンスでご活躍され、新しいことにチャレンジしつつ、マネジメントになられることを確信しています。そうしたら、またぜひ今度はマネジメントとしてお話を伺わせてください。
小西氏
ありがとうございます。頑張ります!
Profile
小西 功二
サイコム・ブレインズ株式会社 ディレクター/シニアコンサルタント
前職では自動車メーカーのコンサルティングファームにて、系列ディーラーの経営改革を支援。改革プランの提示にとどまらず、現場に入り込んで顧客企業の社員とともに改革実行に汗を流す。取り組んだテーマは、販売台数の増加、利益拡大、赤字経営からの脱却のほか、後継者リーダーシップの育成など幅広い。多くの企業の問題の本質は、「当たり前のことが当たり前にできていない」ところにあったが、それを成し遂げるのがなかなかに難しい。サイコム・ブレインズではその信条を胸に、顧客企業のパフォーマンスが向上し、「社員が元気になる」様な研修プログラムの開発・提供に力を注ぐ。
神戸大学文学部卒、名古屋商科大学大学院 経営学修士(MBA)、中小企業診断士
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
大石 順子
株式会社アクシアム
エグゼクティブ・コンサルタント
大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。