転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第121回
2013.03.07

入社前に聞いていなかった職務を追加的に依頼され困っています

私は現在28歳、外資系消費財メーカーにてアシスタントマネジャーとして勤務しています。転職して3か月が経過し、ブランドマネジメントのプロとなるべく、日々努力しています。先日、無事に試用期間も終えて、これからさらにがんばろうと思っていたところ、上司のディレクターから、まったく入社前に聞いていなかったような業務を追加的にやるように指示を受けました。

前職の会社で、上司から要請された仕事はマーケティングと言えない仕事ばかりやらされていたことで、自分の専門性が薄まってしまったと後悔していたので、外資系企業に転職してまで、自分がやりたくない仕事をすることはもう懲り懲りです。試用期間が終わったばかりで、騙されたのかもと思えてしまいます。どうしたらいいのか不安です。

Answer

入社前に説明されていなかった仕事をやらされたことを、どのようにとらえたら良いのか。やりたくない仕事をやらされるのは嫌。試用期間が終わったタイミングで言われたのはどうしてか。確かにこんな風に、いろいろ考えてしまいますよね。これは転職にまつわる質問ではなく、ごく普通におこる問題だと思います。タイミングの問題でもないし、日系や外資の違いでもない。複雑に考える必要がありません。実際にどのような仕事を頼まれたのか、ご自身の職責とどこまで違う仕事なのかがわかりませんが、次の3つの選択肢で考えてみれば、ご自分で対処していただけると思います。

  1. 重要ならやりたくなくてもやらざるを得ません。
    会社にとって絶対に大事な仕事なのであれば、やるしかありません。ただ度を越してうつになってはいけませんので、自分で期限を決めておきましょう。
  2. 普通なら、どちらも相談しながら開始。
    自分の本来の仕事と平行して、依頼された仕事ができるのであれば、上司にどちらの仕事が重要なのか優先度を確認しながら、いつまでやるべきか、入社前には聞いていなかったことを認識してもらいながら、コミュニケーションをとりながら、業務を引き受けましょう。
  3. さほど重要でなければ、かつ、他にやるべき優先度のある仕事があるのであれば、その事情を伝え、断る。
    追加業務を行うことで本来業務ができなくなってしまうような場合や、会社にとってもどのような意味があるのかわからないような場合であれば、率直に上司に申し出て、コミュニケーションをとりながら、業務を断るだけではなく他の人にお願いするなど、代替案を提案する。

1~3のいずれの場合も、期間を決めておくことが大切です。しばらくやってみて、状況が変わる場合もありますし、何よりも、新しい職場ですから、上司とのコミュニケーションを取ることが大切です。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)