転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第170回
2017.04.06

グローバルリーダーを目指す27歳。MBA留学か、戦略コンサルへの転職か?

日系大手製造業の海外現地法人にて、M&Aを含めた事業開発に従事する27歳です。学生時代から興味のあったMBA、できればアメリカのトップスクールに行きたいと思っていますが、卒業後のキャリアとして志望している戦略コンサルティングファームに、現時点で転職するべきか悩んでいます。将来的にはありきたりかも知れませんが、グローバルに活躍できるリーダーを目指しており、MBA、戦略コンサルタントとしての経験のどちらも必要と考えています。なお、現職では海外留学生派遣制度が廃止されてしまっているので、MBAには私費で行こうと考えています。今、どちらを選ぶべきでしょうか?

Answer

27歳で海外現地法人にて事業開発を担当されているとのこと。現職からの評価の高さ、ならびに高い語学力をお持ちなのだと拝察します。結論からお伝えすると、現時点で自ら優先順位を付けられないのであれば、留学準備を進めつつ、転職活動もして実際のオファーをご覧になり、どちらがご自身を成長させることができるのか、しっかりとご検討することをお薦めします。

その理由は後述しますが、いったん「MBA留学が先か」「戦略コンサルへの転職が先か」、ふたつの選択のシミュレーションをしてみましょう。

もし、トップスクールのMBAを目指すことを優先するのであれば、現職を続けつつ出願・留学準備を進めましょう。なぜなら、そもそも転職してすぐは慣れるまでに時間が必要ですし、戦略コンサルタントなどのプロフェッショナル系キャリアであればワークロードも高いことが多く、準備に時間を割くことが難しいからです。また、私費で留学をされるとのことですので、できる限り早く卒業した方が卒業時にいろいろなキャリアの可能性を検討できます。現職を続けながらすぐに準備を進め、ぜひ志望校からのオファーを早期に獲得してください。

今からすぐに準備し2年制の学校に合格されたとして、MBA卒業時のご年齢は30-31歳。戦略コンサルティングファームからは、シニアアソシエイトもしくはコンサルタントレベルのオファーが予想されます。その後のキャリアとしては、35歳くらいでプロジェクトマネージャーに昇進しているイメージです。

では、MBA卒業後ではなく、現時点で戦略コンサルティングファームに転職するとした場合、どのようなことが考えられるでしょうか。ビジネスのフレームなどはご自身でしっかりと勉強をして、インタビュー対策も万全に行い、見事ご希望のファームからオファーが出てきたとしましょう。タイトルはアソシエイトもしくはシニアアソシエイトで、順調にいけば3年後にコンサルタント、5年後にプロジェクトマネージャーといったところでしょうか。32-33歳でプロジェクトマネージャーになっています。

では転職後にMBA留学をするとすれば、どのタイミングになるでしょうか。戦略ファームからMBA留学をする場合、入社して2-3年はキャリアを積み、その後に休職して留学するケースが多いようです。もちろん、高いワークロードのもとで留学準備をする苦労、必ず休職が叶って留学できる保証はないというリスクはありますが。無事に希望が叶ったと想定すると、29-30歳で留学、31-32歳くらいで卒業して復職、35歳くらいでプロジェクトマネージャーになっているというイメージが描けます。

すべて順調に進んだと想定すると、どちらの選択でも35歳時点で大きな違いはないように思います。強いて言えば後者の場合、レジュメ上、コンサルタントとしての経験年数が2年ほど多くなるため、プロフェッショナルとして「もまれた」経験を長く持っていると評価されることがあるかもしれません。あとは、後者の場合は休職制度を利用して留学できる可能性があり、卒業後に復職できる道が残る点が違ってきます。

いかがでしょうか。例えば、戦略ファームと言ってもTier1なのかどうかなど不確定要素も多いので、非常に悩ましいですね。ですから冒頭に申し上げたように、入り口としてどちらの方がご自身の希望するキャリアの実現可能性が高いのかを、実際に動きつつじっくり検討していただきたいのです。留学準備を進めつつ並行して転職活動をして、実際のオファーを見てみる。そこで、最終的にご決断いただければと思います。

今回はMBA留学か戦略コンサルへの転職か、というご質問がご相談の入り口になっていますが、これにはキャリア上の意思決定をするにあたっての優先順位をどのように考えるか、という問題もあるように感じます。そもそも、なぜMBAや戦略コンサルタントにご興味をお持ちになられたのでしょうか。本質的なところに立ち返り、現時点で一番ご自身を成長させることができる選択は何か、しっかりと考えてください。今後、キャリアにおいて、このようにどれかを選ばなければいけない、というタイミングは何度も来ると思います。こっちを選べば絶対に大丈夫という選択肢があればいいのですが、なかなかそうもいかないのが現実です。

コンサルタントとしてご縁があった以上、悔いのない意思決定をしていただきたいと、私は常々思っています。アクシアムでは単なる求人紹介ではなく、このような意思決定の際のご相談も承っておりますので、ぜひお悩みになられましたら、担当コンサルタントまでご連絡ください。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)