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キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第171回 
Published:2017-05-11

まもなく海外MBAを卒業。就職か起業か、進路選択のポイントは?

現在、米国のビジネススクールに留学中の34歳です。グローバルに活躍できるビジネスリーダーを目指しており、これまで努力を重ねてきました。まもなく卒業を控えている身なのですが、卒業後の進路について迷っています。ひとつは、あるグローバルメーカーへの就職。元々の出身業界と近い業種でありこれまでの経験を活かせそうなこと、また新規事業立ち上げのポジションでMBAの知識も活かせそうな点に魅力を感じています。一方、もうひとつの選択肢は起業です。じつは留学前から自分で事業を興したいという思いがあり、その構想をあたためていました。また、構想を練るだけでなく、自分なりにマーケット研究・情報収集も行い、実際の起業にあたっては協力くださる方も見つけています。ここから数年は、MBAで学んだことを活かし、リーダーとなれるスキルと経験をできるだけ磨きたいと思うのですが、どちらの道が有効でしょうか?


Answer

結論から申し上げると、起業と就職、どちらもMBAで学んだことを活かしていただけます。ですが、いずれは経営者を目指すということなら、その近道として「起業」をお勧めします。

「起業」はMBAで獲得した知識を活用し、事業企画・実行力に加え、戦略思考、判断力、リーダーシップなどを実践できるまたとない機会です。さらに友人・知人や留学中のネットワークを使って、ビジネスへの助言を得られることがあるかもしれません。また、様々な修羅場を乗り越えて行くことで、経営者してのスキルや経験だけでなく、胆力・人格も磨いていくことができるでしょう。

ただし、「起業」をするなら“寝食を忘れて打ち込める強い思い”をそのビジネスに持っていることが大前提になります。留学前から起業の構想をお持ちであり、構想だけでなく情報収集と分析、さらに起業の協力者も見つけておられるので、そのビジネスへ強い思い入れをお持ちであるようにお見受けします。それなのに、起業を躊躇されているのは何故でしょう?

大きくは、2つの理由があるように推察します。1つ目は、「本当にそのビジネスをやりたいのか、リスクをとってもやり抜きたいと心底思うか」という点です。心の中に迷いがあるのではないですか? まずこの点を自問自答してください。この熱意がなければ、起業は到底お勧めできません。「やりたい」という強い熱意と、「やり始めたらやり切る、諦めずにやり通す」という意思の強さがないと事業は続きません。あなたは寝食を忘れて打ち込める強い思いを、そのビジネスに持っていますか?

2つ目は、「やれるだろうか?」という不安と「やり切る自信」がないのではありませんか? これまでに事業やサービスなどを立ち上げたご経験がないということでしたら、起業に不安を感じるのもわかります。当たり前ですが、起業でも事業の立ち上げでも、実際にやらなければ経験は積めません。しかしあなたは2年間、MBAで経営全般について学んできました。起業の経験はなくても、少なくとも知識はお持ちです。知識も経験もなくいきなり起業するのではないので、知識を持っていることにもっと自信を持っていただきたいです。

それでもいきなりの起業はハードルが高い…ということでしたら、もう一つの選択肢であるグローバル企業での「新規事業立ち上げ」のポジションで、経験・実績を得てから起業するという方法もあります。事業企画力・運営力・戦略思考・リーダーシップ・アントレプレナーシップなどを磨くことができ、実績を創ればそれが「自信」となります。ゼロから事業を立ち上げて運営することで、ヒト・モノ・カネの流れを体系立てて経験できますので、その後の起業には非常に有効です。ただ一方で、起業に向けていま得られている協力者が、数年後も協力者であるかはわかりませんし、今お考えのビジネスが数年後も市場にマッチするとは限りません。既に参入者が多く存在している可能性もあります。起業にはタイミングも重要な要素です。

ご質問は起業か就職か、リーダーになるにはどちらが有効かということですが、どちらか1つを選ぶ以外の道もじつはあります。それは、副業ではなく、「起業と本業を両立させてマネジメント力を磨く」という方法です。変化球かもしれませんが、実際にそのような道を選択された方の事例をご紹介しましょう。

AさんはMBA在学中に友人と起業しました。ビジネスアイデアや事業計画はAさんが担当、セールス&マーケティング、オペレーションはご友人が担当し、MBA プログラムの合間を活用して資金を調達。ビジネスの立ち上げの準備を着々と進めていきました。MBA卒業のタイミングではまだ事業が海とも山ともつかない状況でしたが、事業を継続することを決断。資金面を考えAさんは事業会社に就職し、共同パートナーとしてではありますが、土日や本業終了後に時間を作り、立ち上げた会社のアドバイザーとして「手弁当」で事業計画の策定や戦略策定と実行、修正などに試行錯誤をしながら携わりました。本業との並行は時間・体力ともに厳しく、時には壁に突き当たりましたが、始めた以上はやり切るという強い意志を持ち、既に5年以上が経ち現在も順調に事業を継続しておられます。

Aさんは起業した事業と本業(グローバル企業の事業責任者)について、MBAで得た知識・経験を活かしながら見事にこなしておられます。いかなる困難も乗り切る強い意志、諦めない気持ちを持ち続け、「二足のわらじ」をはいてしっかりと進めています。どちらか1つを選ぶ方法以外にも、第三の選択肢もある、ということです。

あなたには既に協力者がいらっしゃるのですから、いまお考えのビジネスについて、どのように種を蒔き育てていくのか協力者ともしっかり話し合い、いったんやろうと決めたらならやり切る方法を考えてみてください。Aさんのように経営者のポジションではなくても、事業に拘わり育てていくことは可能です。

リーダーとなるスキルを磨くには、「起業」「就職」「第三の道」、どれを選択したとしてもその環境で自分の役割を全うしやり切ること、修羅場に打ち勝ち成果に繋げることが必要不可欠。そのためには、諦めない強い意志を持つことが何より大切です。ぜひ悔いのない選択をされて、ご自身の展望を実現していただくことを心から願っています。


※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。
大石 順子
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント
大石 順子

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。

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