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キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第172回 
Published:2017-06-01

家族との生活、経営者への夢…海外赴任から赴任元へ戻るべきか、転職するべきか?

現在、30代前半です。大学を卒業後、日本の大手企業(X社)に入社。バイリンガルではないものの英語を多少できたことから、20代半ばで海外事業所への赴任メンバーとして選抜され、数年が経過しました。現地ではそれなりに責任ある立場でメンバーを統括し、営業・事業開発を行っています。仕事は面白くやりがいもあるのですが、家族を日本に残しているため、そろそろ一緒に生活したいと考え、会社に帰任を申し出ようかと思っています。

ただ、関係者に色々と話を聞いてみたところ、日本へ戻っても面白いポジションに就くことは難しそうです。また海外赴任手当がなくなる分、年収も今より下がる見込みで、それならば帰任しても仕方がないのではと、転職も検討しています。

将来的には「経営者になりたい」という目標を持っているのですが、私のような経験を持つ者に、どのような企業が興味を持ってくれるのか、あるいはどのような転職の機会があるものでしょうか? それとも転職をするより、現職に残るべきでしょうか?


Answer

日本の大手企業で20代半ばから海外事業の担当者に選抜されるということは、日本でも良い成果を出され、将来を見込まれているのだとお見受けします。若くして海外駐在し、さらにピープルマネジメントのご経験を積めたことは、同年代の人にはなかなかないことでとても貴重です。

特にピープルマネジメントのご経験については、ご自身がそれを望んだからといって早々に叶うことは多くありません。弊社のご相談者の中には「今の会社は上が詰まっていて、このままいてもマネジメント経験を積むことができない」という理由で転職活動を始める方もいらっしゃるほどです。

「転職をしたほうがいいか、現職に残ったほうがいいか」の問いへの回答ですが、例えば“30代のうちに経営人材になりたい”とお考えであれば、私は迷わず転職をお勧めします。日本の大手企業であるX社に帰任された場合、経営の疑似体験をできる機会は今のご年齢(30代前半)ですと、そう多くはないと推察できるからです。

帰任後、X社内の年齢バランス的には課長というタイトルすら難しい可能性があります。現実的には、課長代理や係長として数名の部下を持ち、事業全体のPL責任は2レイヤー以上うえの部長や事業部長クラスが持っている…という状況が容易に想像できます。こうなると、「事業戦略を練り、コスト感覚をシビアに持って人の配置や時間軸を考え、売り上げを作る」ということを、責任者という立ち位置や責任者の意識をもって主体的に取り組むのはなかなか難しく、経営人材となるための能力をスピーディーに磨いていく機会は乏しいと思うからです。

では具体的には、どのような転職先が良いのでしょうか。

1つ目は、今よりももっと社長に近い位置で仕事をできるサイズの会社に転職する、というものです。この選択の利点はとてもシンプルで、自社の社長の経営手法を見て、盗み、真似する機会に恵まれることです。社長が立てた戦略を実行した結果、どうなるかまでも間近で見られますので、その反省を踏まえてどうするかというところまで切り込んで経営感覚を磨くことができます。

2つ目は、経営者を相手にしている会社に転職するというものです。例えば、CXOクラスを相手に仕事をするプロフェッショナルファームがありますし、世の中にはベンチャー企業の経営者をメイン顧客とするサービス系会社などもあります。取引先の経営者と懇意になれば、経営者が抱えている課題などの話も出てくるでしょう。これは貴重なケーススタディとなり、経営感覚を養う良い機会となりえます。

職種についての可能性にも触れておきますと、これまでのご経験からすると、営業・事業開発といったフロントの職種がやはり一番チャンスが多いと思います。まだお若いですから、同職種であれば業界を大きく変えての転職も可能でしょう。転職した先での実績次第では、その先のCXOまでが見えると思います。(補足ですが、経営を目指すのであれば、職種に限らず「財務諸表」を読めるようになっておくことは必須です。)

必ず“30代のうちに経営人材に”と考えているわけではないということであれば、現在の会社に残るのもいいでしょう。(ただ帰任後の年収ダウンについては避けられないことなので、この点はほぼ諦めていただくしかありませんが。)今いらっしゃるX社は高い技術力を持ち、今後も革新的な製品生み出す可能性がある優良企業だとお見受けします。あなたが30代後半になればさらに昇進をされて、ベンチャーにはない大きなスケールの事業の中枢で活躍するチャンスも。そうしてもう少し社内でスキルと実績を積み上げてから、その先の道を考える方法もあると思います。

以上のように、経営者になりたいにしても、「いつまでになりたいのか」という時間軸が、このタイミングでの行動を決める一番の判断材料になるといえます。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。
若張 正道
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント/人材紹介事業推進マネジャー
若張 正道

大学卒業後、大手食品商社の営業部門からキャリアをスタート。人材サービスに関心があったことから、2001年、アクシアム入社。新規事業であるMBAをメインとしたネットリクルーティングサービスの立ち上げに参画。無事にローンチを果たし、その後は人材紹介事業推進マネジャー 兼 エグゼクティブ・コンサルタントとして、ハイエンド人材の展望ある転職=「展職」を支援している。

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