TOPページ転職コラム”展”職相談室 > 育児中ながら、コンサルファームへの転職を希望。チャレンジは可能?
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第178回 
Published:2017-12-07

育児中ながら、コンサルファームへの転職を希望。チャレンジは可能?

新卒で、日系大手といわれる企業に入社し、経営企画部門に勤務しています。結婚・出産を経て現在、育児をしながらフルタイムで勤務しています。仕事は会社の事業戦略(海外戦略含めて)に関われるので面白くやりがいがありますが、自社だけではなく、もっといろいろな企業の事業戦略に関わりたいと思うようになり、コンサルティングファームへの転職を真剣に考え始めました。

そこでコンサルタント職の友人に相談したところ、コンサルティング業務が未経験であることや、労働時間が長くなることが多く、育児をしながら勤務している現状では、とても無理だと言われてしまいました。いわれてみればその通りなのですが、一方で、子育てをしながらコンサルタントとして活躍している方のインタビュー記事などを読むと、両立できる道もあるのかと、ますます自分もチャレンジしたい気持ちが強くなりました。

現在20代後半であり、自分なりには転職するなら今のタイミングではと思っています。夫は今も育児や家事に協力的ですが、コンサルティングファームへの転職にはまだ賛成していません。育児とコンサルタント業との両立は、やはり難しいのでしょうか? そもそもコンサルタント未経験である私の経歴で、コンサルティング業界へ転職できる可能性はあるのでしょうか? ちなみに、大学は国内の上位といわれる私立大学で、海外での生活経験があり英語力はあります。体力にも自信があります。できれば外資系のコンサルティングファームにチャレンジしたいと考えていますが、可能でしょうか?


Answer

ご主人が協力的とはいえ、育児と仕事の両立は、簡単なことではないと思います。そのようなご状況の中で、コンサルティングファームへのキャリアチェンジを考えられているあなたは、とても前向きでアグレッシブな方ですね。

おっしゃるとおり、実際にコンサルタントとして活躍されているワーキングマザーは多数いらっしゃいます。多いのは、もともとコンサルタントとしてキャリアをスタートされ、その後、ご結婚・ご出産を経てお仕事を続けている方々です。育児休暇を利用する、一旦離職して数年後に復職する、または自宅勤務や時短勤務で業務を継続する、等々。ファームの制度や社風、その方の状況により働き方は様々で、中にはご主人がコンサルタントの奥様を支えるため転職されたという方もいらっしゃいます。最近はコンサルティングファームもワークライフバランスを重視した働き方を目指したり、育児制度を充実させたりと様々取り組んでおられますので、個別にファームの研究を進めていただくことは大切でしょう。

今回ご相談をいただいたあなたは、事業会社からの転職を目指しておられるとのこと。上記のコンサルタント出身のワーキングマザーとは状況が異なりますね。では、転職して育児とコンサルタント業とを両立することは難しいかというと、もちろん実現の可能性はあります。ただし、その前提として、次の2点について真剣にしっかりと考えてみましょう。

●そもそもなぜ、コンサルタントになりたいのか?
●育児をしながら仕事にコミットできる環境を、本当に作ることができるか?


「もっといろいろな企業の事業戦略に関わりたい」「子育てをしながらコンサルタントとして活躍している方がいるから、自分もチャレンジしたい」とおっしゃっているところを見ると、大変失礼ですが、今は“コンサルタントへの憧れ”を抱いておられる段階ではないかという印象です。キャリアチェンジを伴う転職、さらには育児中というご状況下で、単なる憧れのために動かれるのは得策ではありません。様々なリスクや制約を乗り越えてなお、チャレンジしたいものであるのか…ぜひご自身に問うてみてください。

さて、ではお話をご相談内容に戻し、そのポイントを見ていきましょう。
今回のご相談内容には、「コンサルティングファームへのキャリアチェンジが可能か」「育児と転職の両立は可能か」という2つの要素が含まれています。

「コンサルティングファームへのキャリアチェンジについて」

業界/職種を変えるキャリアチェンジは、30歳くらいまでに行うのがベストです。現在20代後半とのことですので、ご指摘のとおりマーケットのニーズを勘案すると、今のタイミングは動きやすい年齢といえます。

つぎに、求められる能力ですが、コンサルタントとしての資質、つまり「論理的に考えることができるか(ロジカルシンキング)」「コミュニケーション力」「考え抜く力があるか/考え抜くことが好きか」「体力があるか」という点が主に採用判断の基準になります。(これら以外の細かな採用基準については、ファームにより異なりますので、ここでは割愛します。)

そして、これまでのご経験についてですが、現職で事業戦略策定に関わっておられるので、数字を読み込み考える力はお持ちだと推察します。とはいえコンサルタント職は未経験であり、ポテンシャルを見て採用されるとことになります。

仮にどこかのコンサルティングファームへ入社した場合、すぐに事業戦略策定のプロジェクトへアサインされるかはわかりません。恐らく2ー3年はビジネスアナリスト(ファームによりタイトルは異なりますが)として様々な経験を積むことになります。さらにご自身でプロジェクトを選べるようになるには数年がかかるでしょう。いわゆるスタッフとして経験を積み、結果を出して認められないとタイトルアップはありません。

このようにコンサルタントへの道は容易ではありませんので、ご自身で目指す目標を持ち、結果を出すということへの諦めない強い意思が必要です。コンサルタントとして成功するためには、「やりたいこと」「目指すもの」を持ちながら様々なプロジェクトで経験積み、同時にご自身の強みを活かせる専門性を磨くことが大切なのです。

すぐには事業戦略の策定に関われないかもしれない、関われるまでに時間がかかるかもしれない、ずっと関われない可能性もある…。憧れではなく、それでもなお、コンサルタントを志望する強い動機がないと続かないことがご理解いただけたと思います。

そもそもあなたは、「事業戦略の策定」に関わり、何を実現したいのでしょうか? それはコンサルタントもしくはコンサルティングファームでなければ実現できないことですか? やりたいと思うことを自社では本当に実現できないのでしょうか? 繰り返しになりますが「なぜ、コンサルタントになりたいのか?」というしっかりとした理由があること。これが最も重要なのです。

「キャリアの目標を持つ」ことが重要なのは、なにもコンサルティングファームへのキャリアチェンジに限ったことではありません。転職を考える時には、とても大事なことです。それをしっかりと把握できていれば、目標の実現のために必要なスキル・能力・経験が明確になり、どのような職務/環境を目指せばよいか見えてきます。それがない、あるいは曖昧なままでは会社を変わることが目標になり、会社を転々としてしまう「転職」を繰り返すことになってしまいます。あなたの場合もコンサルティングファームへ入社することそのものが目標になっていないか、危惧するところです。

「育児と転職の両立について」

現職では、これまでに培った仕事の相手先企業との信頼関係や、仕事の進め方が分かっている職場との信頼関係、育児制度など複数の状況が整っていることにより、育児とお仕事を両立されているのではないかと推察します。ご主人が育児・家事に協力的なのはとても助かりますが、お子様の急な体調不良など、どうしてもお仕事を持つご夫婦お二人だけでは対応しきれないことも出てきます。

新しい仕事・職場に移った際、現在と同様の状況からすぐに仕事をスタートできるとは限りません。特にコンサルティングファームであれば、急にクライアントとの打ち合わせなどが入ることもあるでしょう。そのようなことも想定して、あなたやご主人に代わり対応してくれる協力者はいるか、ぜひ事前に考えておいてください。実際に転職し、仕事と子育てを両立している方は、ご主人、保育園、託児所、ベビーシッター、ご本人とご主人のご両親、その他のご家族、ご友人など、いろいろな制度や施設、協力者のサポートを得てそれを実現されています。そして、勤務先の理解も大きな要素となっています。

ですから、育児と転職の両立を可能にするには、上記のような点を事前に考え、情報を集め、できること/できないことを洗い出し、協力者をいかに確保するかがポイントになります。第三者のヘルプや施設の利用には費用が発生する場合もありますので、経済的な算段も必要です。これらを一つ一つクリアし、環境を整えていきましょう。

20代後半で、育児をしながらコンサルティングファームへ転職することは不可能ではありません。しかし、転職活動には時間や労力がかかります。ご自分ひとりのキャリアや生活のことを考慮すればいい方に比べて、制約があるのも事実です。ですから尚更、なぜコンサルタントなのか?という「なぜなぜ」を繰り返し、ご自身で考えを深めてみてください。さらにお子様のこと、ご家族のことを考え、転職を実現するために何が課題(問題)なのか抽出し、できればご主人と一緒にひとつずつ解決していくことからスタートしてはいかがでしょう。リスクはありますが、それでもチャレンジしたいという強い動機、環境を整える戦略性、あきらめない強い意志があればきっとチャレンジは叶えられると思います。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。
大石 順子
株式会社アクシアム
 エグゼクティブ・コンサルタント
大石 順子

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。

転職/キャリア開発をご希望の方
無料登録フォーム

Facebook
Twitter
{literal} {/literal} {literal} {/literal}