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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第246回2025.05.08
将来の起業が目標。コンサルタントのキャリアをもう少し続けるべきか?早く動くべきか?
新卒でBtoB企業へ入社し、営業と事業開発を経験した後、MBAを取得して念願のコンサルティングファームへ転職しました。転職後は、事業の成長戦略に関わるプロジェクトを中心に取り組んでいます。事業の方向性や具体的な戦略策定など提案内容へ評価はいただくものの、クライアント(企業)の判断で実現できないことも多く、もどかしさを感じています。
いずれは起業も考えており、30代前半はコンサルティングファームで力をつけ、スキルを磨くつもりです。現時点でコンサルタントとして2年弱ですから、あと1年は頑張ってみようと思っています。ただ、早く自身で事業の判断や企画の実現ができる環境へ動いたほうがいいのではとの思いもあり、気持ちが揺らいでいます。ぜひアドバイスをお願いします。
Answer
MBAで経営全般を体系立てて学び、戦略策定力を実務で強化するためコンサルティングファームへ入社されたのでしょう。「いずれは起業」というゴールに向かって、考えて歩んでこられたことがよくわかります。
コンサルタント職が面白くやりがいがあるのであれば、もう少しコンサルタントとして経験を積むことで、あなたの経験値やネットワークも積み重なり広がりますし、実力が認められればプロモートも早いかもしれません。
他方、提案の実現まで関われないことへのもどかしさを感じているとのこと、最終的な実行はクライアントの判断次第…というジレンマは、他のコンサルタントの方々からも多くご相談をお受けします。提案内容の意思決定に関われないことは、コンサルタント職の悩ましいところですよね。
ご自身で手を動かして実現したいという想いが強く、それがフラストレーションとなっているようでしたら、実務(実践)で経験を積む機会にチャレンジしてみてはいかがでしょう。転職するかどうかは、実際にオファーを得てから深く考えればよいのです。
30代後半以降で起業を目指していらっしゃるのでしょうか。いつ頃、どのようなビジネスで起業をするのか、ビジネスアイデアがあるようでしたら、それに近い業界/ビジネスで必要なスキームや実務経験を積むこともよいでしょう。
さて、これまでキャリア構築のご支援をした方のなかから、あなたのヒントになるかもしれない、ある事例をまずはお伝えしたいと思います。
Aさんは、新卒時から「いずれは起業したい」と考えていらっしゃる方でした。その思いを実現するため、3年間はコンサルティングファームで経験を積むことを目指しました。その目標どおり3年間務めた後、ファームを退職すると同時に、ある黎明期のスタートアップに飛び込みました。そこではコアメンバーとして事業戦略策定から顧客開拓まで手がけ、創業者と二人三脚で事業を立ち上げました。
新規ビジネスかつスタートアップという状況もあり、顧客開拓の壁に突き当たり、さらに資金調達ができず事業継続の危機に直面したのですが、Aさんはその事業(技術)の可能性を信じていたので、どうしたら顧客の信用を得て受注につなげられるか考え抜き、独自の工夫で外部の協力者を巻き込み、一所懸命、ひたすら前進していきました。その結果、危機を乗り越え、数年後には数十名規模の組織へと拡大を果たしました。その事業がしっかりと軌道に乗った後、現在ではご自身で別の事業で起業され、活躍されています。
あなたが社外へ出た場合、つぎの方向性としては大きく3つが考えられます。
1.事業会社やベンチャー企業の「事業開発責任者」としてチャレンジしてみる
事業会社の事業開発ポジションは、前職でもご経験があるようですね。
【前職経験+MBAで得たスキル・能力+コンサルタント経験】を活かして、事業責任者候補=数字責任を持って事業を動かすポジションを目指しては、いかがでしょうか。
2.スタートアップで事業の確立と運営に携わる
いずれは起業も考えているのでしたら、スタートアップ、特にアーリーステージのスタートアップで創業者の傍で事業運営に携わり、ヒト・モノ・カネを実際に自身で動かしてみる道も有効です。経営視点だけではなく、経営者の想い、心構え、苦労、修羅場への対応なども一緒に経験できるので、起業に役立つ様々なことを体得できる機会になります。
3.事業創出やイノベーションに特化したプロフェッショナル企業で、スタートアップ・ベンチャー企業の育成にかかわる
新規事業開発やイノベーション創出などに特化して支援しているプロフェッショナル集団、例えばアクセラレータープログラムに取り組むベンチャーキャピタル(VC)もお薦めです。スタートアップやベンチャー企業の発掘・投資・育成には、ビジネスの内容だけではなく経営者の資質・パッションも重視されます。たくさんのスタートアップ・ベンチャー企業の経営者に触れることで、気づきとネットワークの両方を得られるキャリア機会といえます。
これら3つの方向ですが、いま、それぞれのキャリア市場(転職市場)でその動きが活発です。
動きがあるときを逃さずチャレンジして、手ごたえを肌で感じてみて、現職のコンサルタント職も含めて、ご自身が一番納得できるキャリアの方向を選択してください。どの方向も、あなたが目指すキャリゴールに必ずや活かせると思いますが、個人的には(2)のスタートアップで経営者や株主や仲間とリスクテイクする経験を一番に推します。起業後、その事業を成功させる企業家としてのキャリア形成のために、もっともプラスが大きいと考えるからです。
もう少し詳しいお話をお伺いできれば、さらに具体的にご助言もさせていただけますので、ぜひ一度個別相談へいらしてください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
大石 順子
株式会社アクシアム
エグゼクティブ・コンサルタント

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。