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キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第185回 
Published:2018-07-05

転職を決心しないまま「意見交換」の場へ行きNGに・・・まだ転職活動をすべきでなかった?

ある外資系投資銀行に勤務する、40歳のMBAホルダーです。一度転職の経験があります。最近、私のSNSのアカウントに、いわゆるスカウトの連絡が入るようになりました。企業から直接連絡がある場合もあれば、複数の転職エージェントから案内が来ることもあります。エージェントについては費用を請求されたり、あるいはレジュメを無断で企業に提出されてしまったりした友人もいて、あまり信用できない印象を持っていました。そのような事情もあり、某外資系企業からの直接のスカウトには応じることにしました。

じつはこの時、必ず転職したいという気持ちではなかったのですが、「意見交換からスタートしましょう」と先方から言われ、ほとんど準備をせずに誘われるまま訪問。会社やポジションの説明を受けました。私自身はお話を聞いて興味を持ったものの、その後の正式な面接には至らず、実質的には“NG”の判断を下されてしまいました。大きなチャンスを逃してしまったような気がして、悔しくてなりません。転職そのものを決心できない状況では、活動すべきではないのでしょうか?


Answer

一般公募、つまり募集を主体とする求人については「転職を決心していること」は基本です。しかしながら、ミドルマネージャー以上のポジションなど、企業の戦略上の理由から機密性が高く、一般公募できない求人の場合は必ずしもそうではありません。転職や応募を決心していない候補者にも、直接企業から、あるいは人材紹介等からアプローチ(いわゆるスカウト)がされ、正式な審査の前段階として「意見交換」や「情報交換」などの名目で面談が実施されることがあります。

「意見交換」と言いながら、その実は候補者の選考は始まっています。候補者にとってみれば抜き打ちの審査、準備が十分でない段階で審査を受けることになり、今回のご相談者のような残念な結果になることもあります。ですから、実質的には初回の面接だと思ってのぞむのが良いでしょう。「意見交換」と言われて何の企業研究・質疑応答の準備もなしに応じるのは、先方にやる気がないと印象づけるだけで(当たり前なのですが)先に進むことはできませんので十分に注意が必要です。

ちなみに私の経験上、一般公募求人への応募、スカウトに応じた意見交換、スカウトに応じた応募の3つは、それぞれその後のプロセスが異なる場合が多いようです。今回は企業からのスカウトにご自身で応じられたとのことですが、直接応募と転職エージェントを経由する場合のメリット・デメリットについて過去のコラムでお伝えしていますので、参考にしていただければ幸いです。

転職活動の開始時期については、必ずしも会社を辞める決心がついていなくとも大丈夫です。現在のキャリアに不満があってもなくても、ご自分のキャリアの可能性を社外で考えたいと思えたら、それが活動の始めどき。結果として応募をしなくても、企業とのスカウト面接(意見交換、情報交換)は可能です。現職に満足している方を、例えば機密性の特に高いCxOポジションでスカウトすることはよくあります。その場合は、最初のコンタクトでは社名や業務内容が特定できない形で潜在候補者に通知し、意見交換からのスタートの同意を得ることが普通です。

ご自分にとって戦略的に納得できるキャリア、その先の可能性が広がるようなキャリアとは何かを考えながら転職活動を進め、「長期的視点でやりとげたい!」「わくわくするような仕事・ビジネスだ!」と思える具体的なオファーをもらった段階で、しっかり「退職する/しない」「オファーを受ける/受けない」の意思決定を行えばいいのです。

ですから転職活動前に、つまりすべての情報・条件がわかっていない段階で、転職を決心しておく必要はないと私は考えます。実際のオファーが出た段階で、しっかり決心することが転職後に成功する秘訣です。

ただし、1点だけご忠告が。

ベストなキャリアを選ぶことに妥協は不要です。そのために私たちのようなコンサルタントは、全力で情報提供・ご支援を行います。ですから単なるシッピング、物見遊山の姿勢だけはぜひお控えください。物見遊山だと透けて見える方に、ミドルマネジメントやトップマネジメントなどの機密性の高い求人はお知らせできるものではありません。

ご自身のキャリアについて真摯に考え、取り組む方にこそ私たちも全身全霊のご支援をしたいですし、そのような方にこそ大きなチャンスや出会いが訪れるのではと思います。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。
渡邊 光章
株式会社アクシアム
 代表取締役社長・キャリアコンサルタント
渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)

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