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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第258回2026.07.02
40代の営業責任者。年収を下げずに転職し、市場価値をさらに高めるには?
これまで数回転職しましたが、一貫してBtoB企業でセールス・マーケティング、オペレーション改善に携わり、現在は現職で営業部門の責任者として勤めて4年目になります。PL責任を持ち、数十名の社員をマネジメントしながら、前年対比を上回る成長率を維持しています。
次のステップアップを目指したく転職活動を始め、いくつかスカウトをいただき、採用通知もいただきましたが、最終的なタイトル・年収が魅力的に思えず辞退しています。40代前半で、年収は日系企業としてはかなり高いほうであると思います。家族があり、年収を下げずに転職したいのですが、難しいでしょうか?
Answer
BtoB企業での一貫性、そして40代前半で営業責任者(PL責任・数十名のマネジメント・前年比プラス成長)として確固たる実績をお持ちなので、ご活躍されている様子がしっかり伝わります。社内でも次世代マネジメント候補として期待されているのではないでしょうか。
さて、スカウトをもらい選考を進めた結果、求人票どおりのオファー提示となるようでしたら、それはあくまでも空席募集、いわゆる「公募市場」の募集といえます。求人票どおりの期待役割・タイトル・年収となるようであれば、入社後のキャリアパスもあまり期待できません。辞退のご判断は正しかったといえます。
転職市場をみると、あなたのご経歴から「営業統括」や「事業責任者」へのキャリアアップは十分可能ですが、「高年収を下げずに」という点では難しいかもしれません。その理由として、「ご経歴は魅力的だが、自社の報酬体系には合わない」と判断されている可能性があります。
求人の「タイトル・年収が魅力的ではない」ということですが、失礼ながら、書類から採用側は「優秀な営業責任者」として評価できるものの、「自社でCxO候補として任せられるか」を読み取れないのかもしれません。採用企業は、タイトルアップになればなるほど、面談や面接を通して自社での再現性を深く確認し、最終的にタイトル・年収を判断していきます。書類を拝見していないのでご経歴の詳細はわかりませんが、例えば実績として、
・売上達成率/予算達成率
・部下のマネジメント人数
・営業施策
といった数字の記載があれば実力は伝わりますので、「営業統括」のポジションなどを想定した企業からみると「魅力的」に感じます。
一方で、例えば「CRO(Chief Revenue Officer)候補」などを想定してスカウトする場合、採用側は 「営業責任者として何を達成したか」ではなく、「会社の収益成長をどのような仕組みで再現性高く実現したか」を書類から読み取ろうとします。例えば、
・売上○億円→○億円
・年平均成長率○%
・営業利益率○pt改善
・新規売上比率○%
・LTV向上(顧客生涯価値)○%
など、成長させた数字と、そのためにどのようなレバレッジを効かせたかが読み取れる書類となっているかを重視します。このように書類の見せ方を工夫することで、採用企業からCxO候補人材として声がかかる可能性はあります。
採用企業は実績の再現性は重視しますが、それと同じくらい、あなたの「キャリアの目標(何を成し遂げたいのか)」、「どのような判断軸で節目の意思決定をしてきたのか(ブレない軸)」、「人間性」を重視しています。経営の一翼を担っていただく方を採用するのですから、自社へのコミットメントやフィット感を何より大事にします。あなたの「軸」と「成し遂げたいこと」が、企業が目指す方向やミッション・ビジョンと合致すれば、企業は「成長に向けてぜひ一緒にやりたい」と思い、タイトル・年収ともにアップしたオファーを勝ち取ることも可能です。
ステップアップして「何を実現したい」のか、この機会に、あなたが実現したいことを考えてみてください。
これまで人生の節目と言える転職に際して、意思決定される上で最重視されてきた軸は何でしょう? この軸は気づかないうちにあなたの意思決定・判断軸となっているはずで、「ブレない大事な軸」です。今まで意識していなかったかもしれませんが、一度落ち着いて振り返ってみてください。
「ブレない軸」の上に現在のキャリアがあり、その延長線上に「成し遂げたいこと」が見えてくるはずです。そして、「成し遂げたいこと」を起点に、視野を広げて業界や職務を見てみることです。その求人が「軸」に触れたら、まずは話を聞いてみる。カジュアル面談からのスタートも可能な企業は増えています。タイトル・年収で判断するのではなく、「ブレない軸」に触れた求人かどうかで判断するとよいと思います。
年収・タイトルが希望と異なっても、企業との面接を通していく中で、企業側から当初のタイトルより上のポジションを提案されることも起こります。もちろん年収もアップします。実際に、ご自身の「軸」をぶらさずに事業部マネージャーポジションで面談をスタートした方が、面接を経て最終的には事業部役員として(当然年収もアップ)オファーを受けたケースもあります。
また候補者の「軸」「覚悟」「志望度」を確かめるために、意図的に採用条件の提示に際して、現在の年収よりも低い提示を出してくる場合があります。「年収をかなり下げてでも入社したい」と回答した結果、最終的には現年収どおりで正式採用通知が発行されたケースもあれば、入社後、試用期間の終了を待たず、年収をアップしてもらえたケースもあります。
採用側は採否の判断をしたいのではなく、採用後、候補者に成果を出してもらうことが最大の関心事です。そのため候補者を評価するだけでなく、成果を出してもらえるインセンティブとしてタイトルや年収を設計します。
タイトルと年収、そして期待役割。そのすべてが、候補者の現在の市場価値ではなく、入社後の行動インセンティブとして提示されます。いずれにしても大事なことは、「貢献できるハードスキル」だけではなく「やり遂げるブレない行動規範」が重要な時代になってきました。言葉だけで「覚悟しています。年収を下げてでもやりたいです」と伝えても、タイトルや年収はアップしません。
インサイトを掘り下げて「ブレない軸」と「成し遂げたいこと」を浮かび上がらせるとともに、目指すキャリアに向けて書類のブラッシュアップをし、改めて転職活動をスタートしませんか? きっと、年収・タイトル・やりたいことを満たすキャリアを見つけることができるはずです。いつでもご連絡ください。
最後に、あなたに読んでいただきたいコラムを紹介します。ぜひ、ご一読ください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
大石 順子
株式会社アクシアム
エグゼクティブ・コンサルタント

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。
