転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第134回
2014.04.03

インタビューで「将来経営したい」「将来起業したい」と答えてもいいのでしょうか?

私は大手企業に10年勤務した後、ベンチャー企業に転職し、10年を経て、現在は部長職43歳です。現在転職活動中で、今回は前回の32歳の転職時と異なり、「将来は経営したい」あるいは「将来は起業したい」とインタビューで答えていますが、それが理由で落とされているような気がします。インタビューでは言わないほうがいいのでしょうか?

Answer

以下の4つの要素の組み合わせで、回答が異なります。

【1】自分の年齢
【2】応募先企業が、ベンチャー企業かそうでないか
【3】応募先ポジションが、リーダーシッププログラムや経営幹部候補生募集かそうでないか
【4】インタビュアーが経営者かそうでないか

【1】20代なら、「将来経営したい」、「起業したい」と言っても、相手に関わらず「志があってよろしい」と評価される事が多いでしょう。30代はケースバイケース、相手によって善し悪しです。40代以上なら、下記【2】~【4】をしっかり判断して、あまり安易に言わないほうがいいでしょう。応募先ポジションが部長でも経営者になりえないものがありますので、「経営」「マネジメント」などの単語は慎重に使用してください。

【2】応募先企業がベンチャー企業なら、「将来起業したい」とか「経営したい」と言うのは評価されると思い込んでいる人が多いですが、実際はどうでしょうか。【1】でお話しした通り、20代は構いません。ただ、30代になると、ベンチャー企業で経営を目指したいというのはポジティブに受け入れられることもありますが、そうでないこともあります。相手が社長の場合は、「やりたいのであれば、早くやればいいのに。」と思われてしまうこともあるためです。また、候補者として正直に、「ベンチャー企業の社長のもとで経験をつんで、次は自分も起業したい。」と言ってしまうと、ベンチャーの社長の直感から、この人は自分達のビジョンの達成に邪魔だと心の中で思われることも多々あります。40代、50代以上なら、なおさらそのような懸念を生むことも多くなりますので、「自分は経営経験があるが、経営ポジションにこだわらない。」など、相手の採用リスクを軽減してあげるようにうまく説明すべきです。

ベンチャー企業でない場合は、30代ぐらいなら、まだ経営を目指していますとか、起業を考えているというのは、好ましい回答かもしれません。生涯雇用が難しいこのご時世に、入社後、会社にしがみつく40代や50代に入社してほしくないため、会社の外に出る事も考えている人のほうが、気軽というと語弊がありますが、採用されることもあります。とはいえ、すぐに起業されるのも困りものなので、コンサルや金融等も、目安として、いくらアップオアアウトだからといって、5年や10年は在籍することを希望しているように伝えるべきです。インタビュアーに「うちは学んだ後、2~3年で外に出ても良いよ。」と言われ、正直に「私も2~3年で起業したいと思います。」と回答してしまい、即NGとなっている人も多くいます。

【3】外資系などで最近増えてきたリーダーシッププログラムや、日本企業の経営幹部募集、次世代経営者育成プログラムなどについては、応募者として「会社経営を目指したい」と言わないといけませんが、逆に「起業したい」はほぼNGです。稀にインタビュアーの価値観として、「わが社は新規事業をどんどん開発しないといけないので、起業を考えているぐらいの意欲的な人材が欲しい。」というようなこともありますが、特殊なケースでしょう。

【4】ベンチャーの創業者、アントレプレナーは「将来起業したい」というすべての候補者を評価するかと言えば、こちらも意外にそうでもありません。またスタートアップ時と成長期によっても、その創業者の感覚は異なってきます。部長には「将来経営を目指している」と言うと評価されず、創業者には評価されるということもあります。大企業の経営者は候補者が「起業したい」というのは実際のところはあまり好ましく思っていないケースが多いです。大企業の部長がインタビュアーの場合はリーダーシッププログラムでない限り、求人ポジションの要件を満たす人を探しているので、注意が必要です。経営を目指している人が自分の部下になるのか、横にいるのか、ポジションによっては、インタビュアーの出世の妨げになるので、候補者が「経営を目指しています。」というと嫌な顔をすることも多いです。

以上、4つの要素を考えなければなりませんが、率直に言わない方がいいこともありますし、伝え方も含め、キャリアコンサルタントとインタビューの際には、そのような志望動機や意向を伝えるべきか否か、しっかりと応募前からご相談ください。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)